平成26年度の診療報酬改定により、小臼歯部においてCADCAM冠が保険導入されました。また平成28年4月からは、金属アレルギー患者に限定して大臼歯への運用も可能になりました。CADCAMを保険で診療するためにはどのような対応が必要なのかをまとめました。
※【平成29年12月12日追記】
平成29日12月1日より「上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し、左右の咬合支持がある患者に対し、過度な咬合圧が加わらない場合等において下顎第一大臼歯に使用する場合」においても保健算定が可能となりました。
CADCAM冠の施設基準
CADCAM冠を保険診療で行うためには各地方厚生局へ届け出が必要です。施設基準は下記となっています。なお、CADCAMが保険医療機関内にある場合は、保険医療機関に歯科技工士が配置されていることが必要です。
【施設基準の条件】
- 歯科補綴治療に係る専門の知識及び3年以上の経験を有する歯科医師が1名以上配置されていること。
- 保険医療機関内に歯科技工士が配置されていること。
なお、歯科技工士を配置していない場合にあっては、歯科技工所との連携が図られていること。- 保険医療機関内に歯科用CAD/CAM装置が設置されていること。
なお、保険医療機関内に設置されていない場合は、当該装置を設置している歯科技工所と連携が図られていること厚生労働省HPより:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039903.pdf
上記条件を満たしている場合は「特掲診療料の施設基準に係る届出書」と「CAD/CAM冠の施設基準届出書添付書類」を各2部ずつ(計4部)を地方厚生局へ提出します。届け出が受理されると、届け出をした歯科医院宛に受理書が届き、手続きは完了です。
CADCAM冠の種類と製作方法
保険請求が認められるのは間接法で製作された場合のみとなります。また、保険診療においては、CADCAM冠の材料は限られており、下記の定義を満たすものと規定されています。
- 薬事法承認又は認証上、類別が「歯科材料(2)歯冠材料」であって、一般的名称が「歯科切削 加工用レジン材料」であること。
- シリカ微粉末とそれを除いた無機質フィラーの2種類のフィラーの合計が60%以上であり、重合開始剤として過酸化物を用いた加熱重合により作製されたレジンブロックであること。
- 1歯相当分の規格であり、複数歯分の製作ができないこと。
- CAD・CAM冠に用いられる材料であること。
厚生労働省HPより:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039903.pdf
CADCAM冠に使用できるハイブリットレジンブロックは複数メーカーから発売されています。フィラー配合技術やマトリックスレジンには各メーカー毎に特色があり、それぞれで材料特性が異なります。症例に応じて適切なブロックを選択することが必要になります。
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