深在性のカリエスを伴う右上7番歯の部分断髄症例
S:主治医に虫歯の処置をしてもらったが虫歯が深くさらなる処置が必要と言われた。
O:右上7打診(-)、触診(-)、SinusTract(-)、EPT(+)、CPT(+)、HPT(+)、BOP(-)、P.P.D全周正常範囲内
※EPT=電気歯髄検査、CPT=冷刺激検査、HPT=温熱刺激検査、また、当該歯前のコントロール歯の検査は全て正常
A:歯髄診断;正常歯髄
根尖部診断;正常な根尖周囲組織
(AAE Consensus Conference Recommended Diagnostic Terminology2009参照)
P:生活歯髄温存療法(当該歯では結果的に部分切断療法となった)
上記のプランニングの下処置を行った。
カリエスが深く、カリエスをすべて除去したところ露髄を行ったが、未だカリエスが残存していたので
カリエス除去後、部分切断を行った。
画像は術前、術中、2ヶ月後、11ヶ月後となっている。
本来であれば術後or3ヶ月経過後早期に補綴すべきであったが、患者の多忙により難しかったようである。
術後11ヶ月で打診などの所見は無く、全て正常です。
補綴は終了していますが今後共に6-12ヶ月の間隔で可能な限り経過観察を行っていきます。
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この症例へのコメント
右端の写真は、どのような状態を表しているのでしょうか?どの時点での写真なのか教えてください。ダンズイ後の薬剤は何を使用されたのでしょうか?
歯髄の萎縮性の変化につきまして、またご報告願います🤲
原先生、宅間先生コメントありがとうございます。
原先生:
右端の写真は本来は3番目にくるはずの写真です。
薄い赤色はカリエスチェックで染まっており、点状に露髄しています。
また、濃い赤色(ルビー色は)エキスカベータで触ると軟らかかったのでう蝕と判断し除去しました。断髄後の覆髄材は私は全てMTAで行っております。
宅間先生:
ありがとうございます。勿論、経過観察は続けていきます。
しかしながら術前より歯髄腔が狭小化しているので、デンタルでは判断が難しいかもしれません。歯髄切断療法後は経過観察がとても重要ですね。
術後1年9ヶ月でリコールを行いました。
打診触診を含む臨床的な以上反応はなし、デンタルでも根尖部に異常は認められなかったことをご報告致します。