大多良俊光

対合にマウスピース矯正を用いた前歯部審美治療

<この症例はザ・クインテッセンス2013年12月号「MY FIRST STAGE」に掲載されたものを一部抜粋したものです。>
https://storage.googleapis.com/academy-doctorbook-jp/files/quint/201312.pdf

#審美治療 #AsoAligner® #MTM #アンテリアガイダンス

【患者】
31歳,女性.

【主訴】
虫歯の治療と審美的な改善を希望.とくに歯並びや歯の形が気になっている.

【歯科既往歴】
カリエスリスクは高くなく,う蝕を数歯治療.

【診査・診断】
全顎的に歯周組織の状態に問題はなく,プラークコントロールも良好である.上下顎前歯部の不正咬合については健全な天然歯であることから矯正治療が優先されると考えたが,患者の主訴として歯並びだけでなく歯の形態も改善したいとの希望からワックスアップなどによって患者が求める治療のゴールと治療ステップについて検討していくこととした.

【治療計画】
第一の選択として上下顎の矯正治療による審美修復を提案した.この提案に対して患者は治療期間および矯正装置の装着について拒否反応を示し,また,上顎前歯部の歯冠形態の改善まで希望した.つぎに,上顎前歯部の補綴治療を計画し,再度患者に説明を行った.ワックスアップによる歯冠形態で納得が得られたため,治療を進めていくこととした.なお,下顎についてはアンテリアガイダンスの重要性についてていねいに説明し,マウスピースタイプの部分矯正治療を受け入れてもらえた.

【自己評価】
1回目のプロビジョナルレストレーション製作時に,単純な感覚で形態を決定していたが,John Kois のコイスデントフェイシャルアナライザーなどを用い,製作しなかったのが落ち度であり,また,矯正治療後の保定へと移行する期間が少し早かったように思われる.

【今後の課題】
今回の症例では,開業してすぐということもあったが,全体的に治療の進め方が早かったように思われる.今後は,プロビジョナルレストレーションで経過をみる期間を必要分とり,また,臼歯部を含めたガイダンスをつねに考え,患者の口腔内永続性に貢献していきたい.

本誌はこちらから
https://www.quint-j.co.jp/web/theQuintessence/index.php

この症例へのコメント

  • 三好敬三

    本症例の最終補綴物装着時の口腔内をみると,患者から求められた高い審美修復治療ができている.初診時にみられた前歯部の不正咬合も上顎の補綴治療だけでなく,下顎の矯正治療によって改善されていることから,長期的に安定した予後も期待できると思われる.
     しかしながら,本症例で審美修復をした歯が健全な天然歯であることから,治療前のワックスアップによる治療計画を綿密に行い,患者と相談しながら可能な限り天然歯を治療しない,あるいは,ラミネートべニアなどのMI コンセプトに基づいた,患者に対して,より優しい治療法の選択も考えられる.

    <このコメントはザ・クインテッセンス2013年12月号「MY FIRST STAGE」に掲載されたものを一部抜粋したものです。>

  • 三好敬三

    大多良先生のクリニックは,表参道という場所柄もあると思われるが,審美治療を目的とした患者が多いと聞いている.そのため,同世代の先生たちと比較しても審美修復の症例が多く,また,クォリティの高い補綴治療を実践している.
     今後さらに成長してもらうために,このような審美治療を天然歯だけでなくインプラント治療などへも応用し,また,矯正治療や咬合などの分野についてもいっそうの研鑽を積み,審美性だけでなく永続性をもった質の高い歯科臨床を続けてほしい.

    <このコメントはザ・クインテッセンス2013年12月号「MY FIRST STAGE」に掲載されたものを一部抜粋したものです。>

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