上顎大臼歯の再根管治療および逆根管治療を行った症例
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【第3回ケースレポートGP 最優秀発表賞】
3月1日~3月31日まで公開された第3回ケースレポートグランプリ
「ケースレポートGP2021・歯内療法セッション」
吉岡 俊彦先生によるプレゼンテーション「上顎大臼歯の再根管治療および逆根管治療を行った症例」が【最優秀発表賞】を獲得されました! ぜひご覧ください。【先生のご紹介】
吉岡 俊彦先生
【ご所属】
吉岡デンタルキュア
【ご略歴】
2007年 東京医科歯科大学歯学部 卒業
2008年 広島大学病院歯科臨床研修医 修了
2008年 東京医科歯科大学歯髄生物学分野 入局
2012年 博士(歯学) 取得
2013年 吉岡歯科医院 勤務
2016年 吉岡デンタルキュア 開設
【意気込み】
自分自身が研修医の時に「エンドは難しいなぁ。」と思い歯内療法を専攻し10年程度が経過した。
歯内療法専門で開業した今もやはりエンドは難しい。
今回の報告のように、診断・治療方針の決定を行い、ベストを尽くして根管治療を行っても、治癒が得られないこともある。これがエンドの難しいところで、まだまだ精進が必要であると感じる部分なのかもしれない。★吉岡先生より、ケース動画への質問のご回答をいただきましたので、下記に記載いたします。
今回の症例報告で15分と言う時間内ではお伝えしきれなかった部分などに関して多く質問頂きました。
再度動画を公開頂くにあたり、それらの質問に対する回答をこのコラムとしてリンクして頂くことになりました。
再発の原因について
・病変内の感染(出てるガッタパーチャ含め)
・根尖部根管の感染(主根管・イスムス・根尖分岐・側枝)
・歯根表面の感染
・歯根嚢胞
・歯根破折
などが考えられます。
一つに特定できる物ではないと考えます。
今回の逆根管治療では、歯根破折を除く全ての原因に対してアプローチできていると考えています。
術中の切断面の染色について
CT読影の段階で歯根に沿った骨吸収像が無い点より、垂直性歯根破折の可能性は低いと考えていました。
その上で、理想的では無いがベベルを付けた切断面となったために、断面がしっかり直視で確認できたので、破折線が無いと判断してしまいました。
染めることによるデメリットが無いと考えると染めて破折線の有無の再確認、根管充填の適合性などを術中に把握しておいてもよかったと反省はしております。
口蓋根について
口蓋根のガッタパーチャ部に炎症所見があった場合にどうするか?という質問をいくつか頂いたが、様々な状態が想定できるので、確定的な回答は難しいと考えます。
どの程度の炎症か、投薬などの非侵襲的なアプローチが奏功するか、患者さんが保存処置をどの程度望まれるか、などを加味した上で判断すると思われます。
抜歯・通常の再根管治療を行なってみる・上顎洞を経由した外科的なアプローチを他院に依頼する、などが考えられるかなと想像します。
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