若年者の審美修復症例 上顎中切歯外傷に対する対応|全顎治療の最前線"カッティングエッジ" 症例検討
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【全顎治療の最前線"カッティングエッジ"】
本シリーズは、「Study Group S.A.D.A.」の主宰、貞光謙一郎先生が発起人となり、S.A.D.A.定期WEB例会を通じて実施されるオンラインセミナー企画です。
メンバーとオブザーバー、WEBで参加する先生方より「一口腔」「一歯」単位で行った歯科治療の症例を供覧いただき、ナソロジーの概念を踏まえた生理学的咬合の理論を学んでいきます。
以下の講演形式でお送りいたします。
・教育講演:咬合再構成の基本的な理論を学ぶ講演。
・基調講演:S.A.D.A.のメンバーやオブザーバーによる専門的な講演。
・症例検討:ケースプレゼンを用いた症例ディスカッション。
・症例相談:WEB参加者からの具体的な症例に関する相談。
櫻井健次先生によるケースプレゼン第2弾は、一歯単位で治療を行うケースを症例検討していきます。
テーマは「若年者の外傷」です。若年者の前歯部の外傷の場合、審美領域であるため、機能だけでなく審美面にも注意が必要です。
症例検討を交えてどのように対応したらよいかを考えていきましょう。
症例は17歳男性で、左上1の外傷です。
まず考えるべきは保存の可否です。
本症例では年齢が若いですが、口蓋側のフェルールが不足している状態です。
一体このような場合にどう考えればいいのでしょうか?
会場の先生方には様々な意見がでました。
まずは、保存し、歯の挺出を行い、歯冠補綴を行うという考え方です。
その他に、表面を滑沢化したメタルコアを装着し、補綴物を装着するという意見もありました。
また、抜歯して接着性ブリッジを行うという意見もあります。
実際、講師の櫻井先生はどのように対応したのでしょうか?
今回の症例では、歯を180°回転させて意図的再植を行いました。
これによって、口蓋側のフェルールの形態確保、前歯部歯肉形態の改善、歯冠歯根比が変化しないという利点があります。
この時、技工操作時に反対向きのプロビジョナルレストレーションを作成するなど工夫がみられます。
移植歯の生存率としては、外科的再植の予後は良好との報告があります。
移植後半年の経過観察を行い、問題がないことを確認して、ポストを植立し最終補綴を作成しました。
その後、5年ほど経過しましたが、特に大きな問題なく経過をたどりました。
意図的再植は歯内療法時に使用することがあります。
今回は、抜歯前に矯正的挺出を行わずに愛護的に抜歯しました。
中々日の目を浴びる機会は少ないです。
しかし、時にとても有効な治療法となりうるので、是非皆さんも一つの選択肢として知っておいて損はありません。
この動画でしっかり学んでみましょう。
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