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2026年7月7日(火) 公開

第3回|運用ワークフローと機材選定

  • ― 設計から後処理まで、失敗を減らすインハウス3Dプリント

    3Dプリンターは、データを送れば自動的に完成品ができあがる「魔法の機械」ではありません。安定した精度で臨床に活用するためには、造形前の設計からプリント後の処理まで、それぞれの工程を正しく理解する必要があります。

    第3回では、デザイン、スライス、プリント、洗浄、二次硬化という、3Dプリントに必要な5つの基本工程を順に解説します。

    まず、口腔内スキャンなどから得たデータをもとに、CADソフトウェア上で造形物を設計します。設計した三次元データを一層ずつの断面情報に変換する「スライス」を行い、そのデータに沿ってレジンを積層していくことで、造形物が完成します。高額な歯科用CADだけでなく、導入コストを抑えて利用できるソフトウェアの選択肢にも触れ、インハウスで3Dプリントを始める際の考え方を紹介します。

    造形精度を左右する重要な要素が、ラフトやサポートの設計です。サポートは多ければ造形が安定しやすくなる一方、除去や研磨の手間が増え、表面に痕跡が残る場合があります。そのため、造形物を支える強度と、後処理のしやすさを両立させる配置が必要です。

    クラウンのような中空形状では、造形時に空洞の陰圧がレジンを引き上げ抵抗を生じることが歪みの原因にもなる「カップエフェクト」にも注意が必要です。造形物を適切に傾斜させることで抵抗を軽減し、失敗のリスクを抑える考え方を解説します。また、咬合面やコンタクトエリアなど、適合や機能に影響する部位を避けてサポートを配置するなど、歯科特有の実務的なポイントも取り上げます。

    プリント後には、造形物の表面に付着した未重合レジンを洗浄し、十分に乾燥させたうえで二次硬化を行います。洗浄時間が長すぎる場合や、アルコールが残った状態で二次硬化を行った場合には、材料の物性に影響する可能性があります。メーカーが定めるプロトコールを守ることに加え、洗浄液の適切な回収・廃棄、作業場所の換気、スタッフの安全管理など、院内運用で見落としやすい注意点についても説明します。

    後半では、歯科用3Dプリンターに採用されている光造形方式を比較します。DLP、LCD、LED、SLAについて、造形速度、解像度、導入費用、ランニングコスト、発熱、メンテナンス性などの違いを整理し、単純なスペックの比較だけではなく、臨床で安定して運用できる機器をどのように選ぶべきかを考えます。

    さらに、SprintRay Pro 2を中心に、造形エリアや解像度、レジン温度を管理するヒーター、マテリアルに応じたプリントプロファイルの管理など、造形の失敗を減らすための機能を紹介します。異なるマテリアルを同時に造形できるDuo Kitや、高粘度マテリアルに対応するMIDASとデジタル・プレス・ステレオリソグラフィー(DPS)の仕組みにも触れます。

    プリンター単体の性能だけでなく、洗浄機や二次硬化機、ソフトウェアを連携させ、各工程の設定ミスを減らすエコシステムも、安定した運用を支える重要な要素です。

    どの機器を選び、どのような環境を整えれば、インハウス3Dプリントを日常臨床のなかで無理なく運用できるのか。吉田茂治先生が、造形失敗を減らし、材料の性能を十分に引き出すための実践的なポイントを解説します。

    本動画で紹介されるSprintRay社の3Dプリンター「Pro2」「MIDAS」および関連器材、消耗材料のレジンはノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社で販売しております。

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