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予防のために診てほしい 噛み合わせの基礎知識 (全2回)

本講義では、予防歯科をする上で「咬合」を診る重要性とメンテナンスでみるべき力のリスクサインについて、出来るだけ実践的に、歯科衛生士さん向けに解説します。

  • 炎症と力のコントロール│読み取るべき力のリスクサイン 13:15

    左下の歯茎の腫れを主訴に来られた患者様の1例をまず見ていきます。
    レントゲンを撮ると根尖性歯周炎ということで、当時頑張っていたマイクロエンド、MTA根治をして、一見保存不可と思われるような歯を治して、ブリッジで回復した、自信になった症例です。
    ですが、メンテナンスしていくと残念ながら破折となりました。
    この患者様は真面目にブラッシングもされ、定期的なメンテナンスを受けていました。
    しかし、元々無髄歯が多いということで、ことごとく歯を失っていったのです。
    結果として、まだ比較的若いにも関わらず、デンチャーになってしまいました。
    局所局所でしっかりした診療を行っても、やはり全体的に壊れていく患者様がいらっしゃるっていうことを、この症例を通して考えさせられたそうです。

    一見局所的な問題に思える、二次カリエスや歯の動揺、骨欠損や知覚過敏なども、よくよく見てみると、全体の問題や力の問題が関係していることもあります。
    Drはもちろん、歯科衛生士もこういった所を見ていく必要があると思います。
    今回は歯科衛生士向けに、診察のポイントをお話しします。

  • 初診やメンテナンスでDHに見て欲しいポイント 17:57

    初診やメンテナンスで歯科衛生士に見てほしいポイントとして全身状態があります。
    特に高齢者の場合、投薬やお子さんも含めた食事の生活、シュガーコントロールを、力のリスクサインとしてチェックしていただくのがよいでしょう。
    糖尿病であれば歯周病になりやすいですし、喫煙者には禁煙指導が必要となってきます。

    また目で見た状態だけでなく、機能時のフレミタスに注意してください。
    カチカチ強く噛んでもらったり横に動かした時に、2mmを超える病的な動揺がないとしても、ちょっと動きを感じる場合は、後々ポケットが深くなっていくところもあると思います。
    未然に予防するためにプロービングだけでなく、こういった点もチェックされるとよいでしょう。

    顎関節の症状を定期的にモニタリングしていくのは、特に顎関節症状が元々あった患者様にとっては重要です。
    今回のプレゼンテーションをきっかけに、力のコントロールを臨床に取り入れていただくことで、より良い予防に繋がれば幸いです。

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