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全身疾患をもつ高齢者の局所麻酔|できるだけ痛みを与えない局所麻酔のコツ (全6回)

本講義では、局所麻酔薬の基本的な仕組み、なるべく痛みを与えない局所麻酔の実践方法、全身偶発症や薬物有害反応(ADR)に至るまで、幅広い知識を学ぶことができます。

  • 1.よくある局所麻酔の誤解 01:51

     局所麻酔は患者さんに大きなストレスを与えます。
    さらに、全身性偶発症の原因の一つとなるため、痛くない、不安を与えず、かつ確実な施術が必要です。
    そのためには、歯科医師自身が正しい知識を持つ必要があります。
    まず最初に、局所麻酔薬のよくある誤解4選についてお話しいただきました。

  • 2.局所麻酔はなぜ重要なのか 00:54

     日々の歯科臨床で当たり前のように患者様に使用する麻酔ですが、誤った使用方法から思わぬ事故を引き起こすことがあります。
    今回の動画では、報道された歯科における死亡事故について、まとめていただきました。

  • 3.局所麻酔薬の基礎 09:32

    疼痛は組織損傷による発痛物質が電気信号に変換され、神経線維を介し、痛みとして認識されます。
    局所麻酔薬は、侵害刺激の電気信号への変換を阻害することで麻酔効果が得られます。
    したがって鎮痛効果を発揮するには、薬剤の神経線維への浸透が重要です。
     
    局所麻酔薬では、鎮痛効果が最も重要ですが、数種類ある歯科用麻酔薬の中で、アドレナリン含有のものが鎮痛作用が強いです。
    また、持続時間も長いという特徴があります。
    全ての局所麻酔薬は最大の疼痛効果が得られるまでに10分ほどの時間が必要です。
    このため、局所麻酔後、可能な限り待機時間が必要です。

  • 4.局所麻酔の問題点 33:45

    一方で、局所麻酔薬に多くの問題点があります。
    これらの問題点は大きく分けて薬物による影響と手技による影響に分けられます。
    薬物による影響は具体的に、アナフィラキシーショック、局所麻酔中毒、血圧上昇などがあります。
    手技による影響では血管迷走神経性失神や過換気症候群があります。
    これらは重篤になることは少ないですが、頻度が多く患者さんは不快に感じることが多いです。

    薬物有害反応(ADR)は予測可能なtypeAと予測不可能なtypeBがあります。
    ADR typeAは中毒とメトヘモグロビン血症があり、typeBにはアナフィラキシーショックが具体的には挙げられます。

    中毒は血中濃度に関連するため、下顎孔伝達麻酔で生じやすいです。
    また、メトヘモグロビン血症はシタネストによって生じやすいとされています。
    局所麻酔で血圧変動が生じますが、近年の研究でアドレナリン含有のものの方が血圧上昇は起こりにくいことが報告されています。
    一方で、アドレナリンは不整脈への影響については、まだまだ議論の余地が残されています。

    また、アナフィラキシーはアレルギー反応の1つで、重篤な全身疾患であるため、救急的な対応が必要です。
    アナフィラキシーは全身の発疹や掻痒感といった皮膚症状がみられます。
    しかし、多くのアレルギー反応は誤診されており、慎重に対応することが重要です。
    このため、局所麻酔薬アレルギー疑いの患者さんに対しては徹底した病歴聴取と専門家への相談を必要時に行うべきです。

    血管迷走神経性失神や過換気症候群は頻度の高い全身的偶発症であるため、落ち着いて対応するようにしましょう。
    これらに対しては痛みや精神的ストレスへの配慮が最も重要で、効果的です。
    この時に患者さんの表情を見逃さないようにしましょう。

  • 5.できるだけ痛みを与えない局所麻酔 09:15

    痛くない麻酔をするためには、患者様の様子を観察することが大切です。
    疼痛や不快感を疑う表情が現れたら、注入を止め、鎮静効果が現れるまで待ちましょう。
    大渡先生のおすすめするストレスフリーな麻酔方法も学べます。

  • 6.患者のストレスと局所麻酔の関係 06:11

    麻酔が怖い患者様は、実際どんなストレスを感じているのでしょうか?
    その統計調査を解説します。
    患者様の気持ちを知って、安心して治療を受けてもらえるようになりましょう。
     
    最後に、局所麻酔の注意ポイントをまとめていただきました。
    見やすい一覧なので、治療前の隙間時間でチェックできます。
     
    局所麻酔は最も配慮すべき治療の一つです。
    日常臨床に役立つ情報盛りだくさんですので、ぜひご視聴ください。

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