審美的要求度の高いコンポジットレジン修復(CR)では、シェード選択がチェアタイムを圧迫する要因になることも少なくありません。
その時間的コストや在庫管理の負担の軽減に繋がるとして、近年注目を集めているのがユニバーサルタイプのCRです。
一方で、日常の臨床においてユニバーサルシェードの効果をいまいち発揮できないという先生方も多いのではないでしょうか。
本講義では材料の特性にスポットを当て、ユニバーサルシェードの審美性を高めるポイントを宮崎先生に解説していただきました。
ユニバーサルシェードの良さを発揮するためには、メーカーごとのそれぞれの特性を知ることが重要です。
冒頭ではまず顔料を用いた従来型のCRと、顔料を用いない構造色を有したCRでは根本的に特性が違うことに言及。
両者の発色の違いを「減法混色」と「加法混色」のメカニズムから紐解き、臨床にどう活かすべきかをわかりやすく解説されています。
続いては、CR修復における色の考え方についてです。
ここではCRの色彩学的な特徴として、以下の3点を挙げています。
1.半透明である
2.重合前後で色調(黄色味・透明性)が変化する
3.質感は研磨面性状の影響を受ける(光沢orマット)
この3点の中でとくに「重合前後の色調変化」について知ることが重要とし、重合前後で色調が変わるメカニズムを解説。
それをふまえ、CR充填でシェード選択に迷った際にどう対処したらよいかアドバイスされています。
さらに、シェード選択では色相・彩度・明度の3つの要素のうち「明度」を合わせることが重要と宮崎先生はおっしゃいます。
一方で、その明度も人間の目に生じる「錯視」や「色の恒常性」によって見え方が変わってくるそうです。
その具体例に歯頚部のCR充填(V級)を挙げ、歯肉色に惑わされないシェードテイキングのポイントをアドバイスされています。
くわえて、人の目では黄色味(歯牙色)の微妙な変化を正確に判断できないことにも言及。
その点においても明度は非常に重要な要素であると改めて強調し、さらに研磨やベベルの付与についてもアドバイスされています。
最後のまとめとして、CR修復の審美性を高めるうえでは次の3点が大切と宮崎先生はおっしゃいます。
・形態の再現性
・明度のコントロール
・エナメル質様の光沢感の付与
本動画は上記の3点が学術的な視点で学べる内容となっております。
ユニバーサルCRの色調の原理や審美性を高める工夫をより深く学びたい先生方は必見です。
ぜひご視聴ください。
*本動画は2022年12月11日にLIVE配信された『CRコングレス in Doctorbook academy コンポジットレジン修復・接着の真価を再考する』の講演内容です。
エピソード
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ユニバーサルタイプコンポジットレジンにおけるシェードの考え方を学術的な視点から解説。材質の特性から色調の審美性を高めるヒントが学べる内容となっています。再生する
再生時間 45:10
レビュー
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