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2022年7月26日(火) 公開

不正咬合は予防可能か? 原因にアプローチする口腔筋機能療法

価格
22,000円〜(税込) (プレミアム会員 17,600円〜(税込))
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1% (通常:200pt〜 プレミアム:160pt〜)
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    • 00:53 〜 現代の子供たちに起こっている問題、不正咬合は予防可能か
    • 04:32 〜 歯列不正の原因
    • 06:20 〜 頭蓋顔面発育障害とその原因
    • 10:35 〜 口腔筋機能不全と顎の発達
    • 14:31 〜 口呼吸、口腔機能発達不全
    • 18:23 〜 良い成長・悪い成長、姿勢
    • 24:21 〜 頭蓋顔面発育障害による弊害
    • 27:45 〜 気道について、歯科が関連する気道閉塞
    • 38:10 〜 小児の睡眠時無呼吸症(検査や治療方法)、眠りのメカニズム
    • 53:50 〜 口呼吸の原因
    • 01:00:59 〜 舌小帯異常による弊害
    • 01:05:44 〜 鼻閉の原因
    • 01:08:15 〜 Root Gear model Inoue 2022(根本原因のまとめ、原因分類)
    • 01:17:49 〜 症例紹介(Case1,Case2,Case3)
    • 01:26:30 〜 最後に(これからの歯科のあり方、スタディーグループ)
  • *2022年5月12日にLIVE配信されたクリニカルカンファレンスの講演内容です。


    本講義では「不正咬合は予防可能か」をテーマに、原因にアプローチする口腔筋機能療法について解説いただきます。

    「不正咬合は予防可能か」ということも、原因が分かっていれば結果を変えることが可能と井上敬介先生は仰っています。
    歯列不正の原因として、遺伝と環境、環境の中でも機能や形態が議論されてきました。
    ですが根本の原因は、頭蓋顔面発育障害(顎が小さい)に起因していることが、近年わかってきました。
    顎が小さくなっているのは、進化の過程や近代文明における食生活の変化も考えられますが、それだけではありません。
    実は顎の成長には舌の位置が鍵となっています。
    舌が上顎に付いていることで、良い顎の発達が起きると教えてくださいました。
    口腔筋機能不全(低位舌、口唇閉鎖不全)、いわゆる「お口ぽかん」があることで、頭蓋顔面発育障害が生じます。
    原因となる口呼吸についてご説明いただきました。

    また、低位舌や口唇閉鎖不全の代償反応として異常嚥下も生じます。
    口呼吸で口腔機能発達不全症が起こると、下顎が後下方に回転するような垂直方向の成長をし、頭蓋顔面発育障害になります。
    頭蓋顔面発育障害があると、顔貌成長障害だけでなく、歯列不正、TMD、気道が狭くなることによる呼吸障害や全身姿勢への影響があります。
    口が開くことによる乾燥の影響で、虫歯や歯周病となど、さまざまな弊害が生じることが学べます。

    また、歯ぎしりと気道の関係や睡眠呼吸障害と虫歯・歯周炎の関係も指摘されているそうです。
    これらを踏まえ、歯科医師も気道の健康を考慮することが重要であると、井上先生は考えられています。

    井上先生は、CTや3Dプリンターを用いて、気道をさまざまな向きや方向から観察し、評価されています。
    鼻閉やアデノイド増殖、口蓋扁桃肥大が原因による気道の閉塞の場合は、医科が担当になります。
    一方で、上下顎骨の成長障害や舌根沈下が原因の気道閉塞は、歯科が治療する役割を担います。
    気道の閉塞によって生じる閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の症状と、歯並びが悪くなる子供の症状は非常に似ているそうです。

    小児においては睡眠時無呼吸だけでなく、口呼吸やうるさい呼吸、いびき、UARS(上気道抵抗症候群)も含んだ睡眠呼吸障害が、発達に影響を与えます。
    いびき(睡眠呼吸障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)・行動障害の関係も解説いただきました。

    そして現在、睡眠が注目されており、眠りのメカニズムについても、ご説明いただきます。
    ADHDの症状や注意の問題に最も影響を与え、感情の調整、行動、記憶、学習に関連するステージであるレム睡眠と、身体の成長に関係しています。
    成長ホルモンの分泌が行われるノンレム睡眠を、しっかりとる必要があります。

    一方で、歯科で歯科矯正的治療や口腔筋機能療法を行うことも重要であると教えてくださいました。
    口腔筋機能療法は無呼吸低呼吸指数を、成人で50%、子供で62%減少させるという研究もあるそうです。
    このことは、筋機能療法は睡眠呼吸障害(SDB)の補助として役立つ可能性があることを示唆しています。
    睡眠時無呼吸の治療によって、鼻呼吸を確立することを治療のゴールとすることが大切です。

    そもそも子供たちはなぜ、口呼吸になったのでしょうか。
    従来から言われている「指しゃぶり」の他に、ギルミノー筋骨格仮説や舌小帯異常、アレルギーからくる鼻閉について解説いただきました。

    舌小帯、上唇小帯異常や鼻閉といった根本原因を放置しておくと、筋機能不全(口唇、舌、頬筋、表情筋)や機能不全(摂食、発語発音、呼吸、睡眠、笑う)といった代償性原因となるそうです。
    これを放置すると、顔貌成長不良、歯列不正(舌房の縮小)、TMD、気道閉鎖、全身の姿勢不正、虫歯・歯周病といった結果的原因(形態的原因)となります。

    小児の頃から歯科医師が顔面の発育に関わることで、上流の原因にアプローチすることで予防がでるといえるでしょう。

    最後に、症例を3つ紹介してくださいました。

    Case1は、7歳5ヵ月の女の子で、下顎前歯部の叢生と前歯部交叉咬合がある症例です。
    このケースの根本原因は鼻閉で、それに対する対応と、代償原因に対するアプローチとして筋機能療法(OMT)プログラムを行いました。
    治療経過と術前術後については動画でご確認ください。

    Case2は、6歳9ヵ月の女の子で、叢生と顔面劣成長がみられましたが、2年後には顔貌が正しく成長し、咬合も改善しました。

    Case3は、8歳4か月の男の子で、過蓋咬合がありましたが、2年後には顔貌が正しく成長し、歯列狭窄が改善されました。

    Case2,3共に気道の体積が大幅に広くなり、お子さんや保護者はさまざまな症状の改善が感じられたそうです。
    実際に井上先生がどのような治療を行ったのか、ぜひ動画でご確認ください。

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