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2024年8月9日(金) 公開

初めてのウォーキングブリーチ講座 - 無髄歯・失活歯のホワイトニング -

    • 00:20 〜 本日の目標
    • 00:41 〜 ウォーキングブリーチの歴史
    • 01:08 〜 ウォーキングブリーチの手技
    • 02:21 〜 ウォーキングブリーチの原理
    • 03:08 〜 オフィスホワイトニングの原理
    • 05:10 〜 ウォーキングブリーチの実際
    • 07:20 〜 ウォーキングブリーチの模式図
    • 09:21 〜 右上中切歯のウォーキングブリーチと再CR充填をした症例
    • 11:17 〜 ウォーキングブリーチと外部吸収
    • 11:31 〜 ウォーキングブリーチで外部吸収した症例
    • 13:24 〜 外傷の既往がある失活歯のウォーキングブリーチで外部吸収した症例
    • 15:56 〜 外部吸収を起こさない為に考慮すべきポイント
    • 16:31 〜 根管口のサービカルシール
    • 18:14 〜 外傷の既往
    • 19:34 〜 加熱
    • 21:56 〜 過ホウ酸ナトリウムのみで数回に分けウォーキングブリーチをした症例
    • 22:24 〜 まとめ


  • 今回の動画では、初心者向けにウォーキングブリーチの原理や手技、そして合併症について北條弘明先生に解説いただきました。
    北條先生の豊富な経験に基づくアドバイスを元に、初心者でも自信を持ってウォーキングブリーチに取り組める内容となっています。

    ウォーキングブリーチは、過ホウ酸ナトリウムと過酸化水素を使用して失活歯を漂白する方法です。

    その主な原理は、過酸化水素の酸化還元作用と過ホウ酸ナトリウムによるフリーラジカル生成によって有機質(汚れ)を分解することにあります。オフィスホワイトニングとの違いは、オフィスホワイトニングがエナメル質の漂白を目的としているのに対し、ウォーキングブリーチは失活歯の象牙質を対象としている点です。

    ウォーキングブリーチの歴史は古く、1860年にトルーマンが最初に発表したもので、失活歯に対する治療法として考案されました。以来、多くの材料や方法の変遷を経て現代に至っています。1958年にはパーソンが過酸化水素を用いたホワイトニングを提唱し、1961年にはスパーサーが過ホウ酸ナトリウムを使用する方法を導入しました。その後、1965年にはスチュワートが過酸化水素を加熱する方法を発表しました。

    それではウォーキングブリーチの詳細な治療の流れに移ります。

    まず、治療前にレントゲン撮影と口腔内写真撮影を必ず行ってください。
    その後、必要に応じて再根管治療を行い、根管口をレジンで封鎖します。次に、過ホウ酸ナトリウムを精製水と混和し、髄腔内に封入します。ここで過酸化水素を使用する場合もありますが、北條先生は後述する理由より、過ホウ酸ナトリウム単体で行うことを推奨しています。

    過ホウ酸ナトリウムを封入した後、光硬化型のグラスアイオノマーセメントで封鎖します。レジンの使用も可能ですが、水分が混在するため、乾燥が難しくなることがあります。グラスアイオノマーセメントをタービンで削り、エアブローを行った後、ボンディングをしてコンポジットレジンで修復します。この方法により、漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。治療後、再評価を行い、問題がなければ最終的な修復を行います。

    ウォーキングブリーチの効果は1日目が最も顕著で、1週間以上経過しても大きな変化は見られません。
    再評価後、ホワイトニング継続を望まれる患者さんに対して、満足いただける結果を得るためには、複数回の薬剤交換が有効でしょう。

    しかしながら、ここまでご視聴いただいた方にはウォーキングブリーチは非常に良い治療法に見えるかと思われますが、ウォーキングブリーチには避けては通れない合併症として外部吸収のリスクが伴います。外部吸収を防ぐためには、サービカルシールの実施や外傷の有無の確認が重要です。また、過酸化水素に熱を加えることは避けるべきです。熱を加えないことで外部吸収のリスクを低減できる可能性があるためです。

    ウォーキングブリーチは、適切な知識と手技によって、患者さんの審美に関する主訴を改善する有益な治療法になり得ます。
    そのためにはレントゲン撮影と口腔内写真撮影を行い、術前の評価を徹底することが重要です。また、手技においては、根管口の封鎖を厳密に行うことで、合併症のリスクを最小限に抑えることができます。また、過酸化水素の使用には注意が必要であり、特に熱を加えることは避けるべきです。

    本動画を御覧いただき、明日からの診療にお役立てくださいませ。

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