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超高齢社会における歯科衛生士に必要な口腔管理の実践方法 (全8回)

近年、口腔細菌が全身感染症や炎症性疾患の一因となり,口腔機能の低下がフレイルの一因となることが明らかになってきました。 訪問歯科診療では,多職種協働のもとで口腔衛生管理を行い,クリニックにおいても全身の健康維持増進のための口腔機能低下症への対応が必要になります。 本講義では,超高齢社会において歯科衛生士に必要な口腔管理について解説いただきました。

  • 概論:口と全身の関係 05:16

    2021年、松尾先生は東京医科歯科大学に戻りました。
    そして、2022年には東京医科歯科大学病院が誕生し、歯学部付属病院と医学部付属病院が一体となり、より一層医科と歯科の連携が強化されました。
    現在、松尾先生が率いるオーラルヘルスセンターは、医学部の病院に入院されている患者様の健康管理に取り組んでいます。

    近年、歯科医療が医学において大きな貢献を果たすことが明らかになってきました。
    とりわけ、超高齢社会においては、口腔の健康が全身の健康に深く関わることが指摘されています。

    歯科治療や歯周治療、口腔ケアの目的は何でしょうか?松尾先生によると、それは感染症のリスクを減らし、全身の健康を促進することにあります。
    口腔の機能を維持・改善することで、全身の健康に繋がる道もあるのです。

    このような背景を踏まえ、超高齢社会における口腔管理にはますます注目が集まっています。
    松尾先生とともに、口腔の健康が全身の健康にどのように関わるのか、その重要性を考えていきましょう。

  • 口腔ケアのチームアプローチ 13:00

    高齢者の健康管理に欠かせない口腔ケア。
    本動画では、多職種で取り組む口腔健康管理の重要性と肺炎との関連性について解説いただきました。
    口腔ケアは感染対策の一環としても考えられており、日本において肺炎による死亡率は第5位となっています。
    誤嚥性肺炎による死亡は独立した要因とされ、肺炎による医療費も1日あたり約5万円かかると言われています。
    しかし、口腔ケアにより肺炎リスクを半分にまで低下させることができることも分かっています。
    このように口腔ケアが肺炎リスク低減に繋がることは社会保障費の削減にもつながり、大きなメリットとなるでしょう。
    歯ブラシを使うだけで、医療費の節約に繋がるというのは驚きです。
    本動画を通じて、口腔ケアの大切さを学びましょう。

  • OHAT(Oral Health Assessment Tool)の導入 11:02

    引き続き、OHATというアセスメントについて解説いただきました。
    アセスメントを導入することで、口腔環境の数値化や口腔問題の共通言語化を促進し、歯科独特の用語を簡単な言葉に言い換えて、他科との連携ツールとして使えるようになります。

    今回は、要介護高齢者の口腔汚染と機能低下に注目した評価方法について解説しています。
    アセスメントを導入する場合、再現性と妥当性が重要です。
    OHATは、口唇・歯肉と粘膜・舌・唾液・歯・義歯・清掃状態・疼痛の8項目から成り、3段階のスコアで評価し、2点の場合は歯科依頼を検討するようになっています。
    再現性・妥当性という点をクリアできるように評価する点と日本語版には写真が記載されています。


    OHATの評価を通じて、口腔内の状態を客観的に把握し、適切な口腔ケアを提供することができます。
    この動画を参考に、口腔ケアの質を向上させましょう。

  • OHATの導入事例1:特別養護老人ホーム&開業歯科医院 08:52

    本動画では、訪問歯科マニュアルの著者であるエムズ歯科クリニックの荒井先生と歯科衛生士の田口さんによる特別養護老人ホームでのOHAT導入例を紹介します。

    OHATを導入しても、フィードバックを行わなければ口腔内の状況は改善されません。
    荒井先生たちは『食べる力支援プロジェクト』を立ち上げ、、OHATを用いた情報共有・口腔ケアの教育プラン・専門的口腔衛生処置を行いました。
    この3つを実施後の、OHAT合計スコアの推移を追跡した結果を解説してくださいます。
    また、低スコアを維持するための方法も紹介されています。
    特別養護老人ホームでの口腔ケアに興味のある方は、ぜひご覧ください。

  • OHATの導入事例2:口腔ケア回診(病院との連携) 09:00

    本動画では、松尾先生が病院と歯科の連携事例について解説いただきました。
    回復期と一般病棟がある病院での口腔ケア回診について紹介されています。
    回診では、看護師が口腔ケアに困っている患者様をピックアップし、歯科医師がその患者様のところに回ります。
    回診時に看護師がOHATのスコアを付け、勉強会で評価を行います。
    そうすることで効果やメリットが出ていることが紹介されています。

    歯科医院にとっては直接的なメリットはないかもしれませんが、口腔ケア回診を実施することで患者様の口腔状態が改善され、口腔内に起因する合併症の予防ができます。
    また、病棟の看護師たちとのコミュニケーションが促進され、病棟全体での口腔ケアの質が向上します。

    動画の終盤では、#1〜#4までの内容をまとめていただいています。
    OHATを用いた多職種連携について学ぶためにも、この動画をぜひ参考にしてみてください。

  • オーラルフレイル予防について 06:25

    口腔機能の低下によるフレイルやオーラルフレイルについて、詳しくご説明していただきました。
    近年、フレイルやオーラルフレイルという言葉を耳にする機会が増えてきました。
    口腔機能が低下することによって、残存歯数、咀嚼能力、ディアドコ、舌圧、咀嚼嚥下困難感などが引き起こされ、フレイル、サルコペニア、死亡率のリスクが高まることが分かっています。

    では、フレイルやオーラルフレイルを予防するためにはどのような方法があるのでしょうか。
    松尾先生は、口腔機能の改善による予防が重要であると話しています。
    具体的には、歯科治療や義歯の装着、咀嚼筋のトレーニング、食物の質や量の管理、口腔ケアの徹底などが挙げられます。

    本動画では、口腔機能低下によるフレイル、オーラルフレイルのリスクについて詳しく学ぶことができます。
    また、フレイルやオーラルフレイルを予防するための具体的な方法についても解説されています。
    口腔ケアに関心がある方は、ぜひこの動画を参考にして、口腔機能の改善に取り組んでみてください。

  • 口腔機能低下症の検査・診断および治療時の注意点 21:57

    口腔機能低下症について詳しく解説していただいています。
    口腔機能低下症とは、2016年から老年歯科学会によって定義され、2018年から保険修正された疾患です。
    口の機能は、1つの機能が落ちても他の機能によって補われるため、患者自身が自覚しにくい場合があります。
    松尾先生によると、歯科受診を長年行っていない患者様でも、咀嚼能力が低下しているにもかかわらず、嚥下機能によって肉類などを食べることができることがあるそうです。
    しかし、このような場合でも、患者自身が気づかずにペースト状の食物になることがあります。
    口腔機能検査は、7つの項目から構成されており、そのうち3つ以上が当てはまると口腔機能低下症と診断されます。

    今回は、その中でも口腔乾燥、舌口唇運動機能検査、低舌圧について詳しく説明されています。
    このような機能低下は、自覚しにくいため、検査を受けて適切な指導を行うことが大切です。
    この動画を通して、口腔機能低下症について理解を深め、予防や適切な治療について学びましょう。

  • まとめ&質疑応答│超高齢社会における歯科衛生士に必要な口腔管理の実践方法 10:25

    まず栄養改善や食事指導について解説し、講義全体の内容をまとめてくれました。
    歯科補綴治療によって咀嚼機能は改善されますが、食習慣はそのままであるため、栄養状態は改善しないことが多いと言われます。
    しかし、新しい補綴物を作る際には、患者さんの食生活に合わせて適切なアドバイスを行うことが重要だというお話もありました。

    動画の後半では、視聴者からの質問に丁寧に答えていただきました。
    例えば、OHATを一般の患者さんに適用できるか、認知症の方への口腔ケア、クリニックでのOHATの実施方法、そして口腔マッサージの頻度についても詳しく説明していただきました。
    口腔内の健康は全身の健康にも大きく関わるため、日常の口腔ケアやクリニックでの治療は重要です。この動画を見ることで、歯科補綴治療や口腔ケアに関する知識を深め、健康な生活を送るための手助けになることでしょう。

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