【講演内容】

■歯槽骨造成術の基礎知識
歯槽堤造成術として、自家骨移植、各種のGBR、歯槽骨延長術、そしてこれらの併用法が用いられている。それぞれの術式の長所・短所を熟知し、各症例に最適な骨造成法を選択することが成功の秘訣である。また、歯槽堤造成は骨組織のみならず軟組織の扱いも重要である。

■GBRの合併症とその原因
歯槽骨造成術の主体となるGBRを成功させるには、その合併症にはどのようなものがあって、その原因がどのような因子に起因しているのかを知らなければならない。最大の合併症は縫合部の哆開であり、また創哆開がなくても骨造成不良が生じることがある。

■創哆開をしないためのポイント
創哆開の原因は、①不適切な切開線の設定と粘膜骨膜の剥離、②不適切な減張切開、③不適切な縫合に起因している。それらの術式の正しいポイントを熟知し、忠実に遂行すれば、創哆開はなくなるはずである。そのためには、特に減張切開を明確な数値をもって術式を行うことが重要である。

■GBRによる骨造成不良を起こさないためのポイント
骨造成不良の原因は、①不適切な母床骨の骨面処理、②不適切なグラフト材の選択と充填量、③不適切なスペースメイキングに起因している。水平的GBRと垂直的GBRでは同様の術式ではなく、正しいガイドラインに従って行うべきである。