■ 認知症の人の口を支える基礎知識：
～断る理由にしないために～　平野 浩彦 先生

歯科界は8020運動を進め、2016年には5割以上の達成率を認め大きな成果を挙げています。一方で80歳を超えると急速に認知症の発症率は高まり、その患者数は既に600万人との報告もあります。認知症は認知機能の障害などにより、日常生活に不具合が出てしまうため、歯科医院における歯科治療の継続が困難になってしまうことが少なくありません。多くの歯を残した成果を認知症の人の困りごととしないために、本研修会が皆様と認知症について考える時間となれば幸いです。

【講演のポイント】
・認知症を取り巻く環境
・認知症は身近な病気
・認知症へのSigma（偏見）
・歯科医師の認知症対応力向上研修の目的


■ 加齢変化への対応と歯科衛生士のかかわり　小原 由紀 先生

歯科衛生士は、口腔疾患予防のプロフェッショナルとして、日々の臨床に関わっています。これまでは、特に「う蝕」「歯周病」予防をターゲットにしてきましたが、しっかり自分の歯を残す高齢者の割合が高くなっている中、歯科衛生士は、高齢期のQOLに密接に関わる「口腔機能」にも目を向けていくことが求められています。食べること、話すことなど生活に不可欠な口腔機能にどう関わっていくか、明日からの臨床に活かせるヒントをお話ししたいと思います。

【講演のポイント】
・患者さんの加齢変化への気づき
・フレイルとは
・口腔機能評価のポイント
・行動変容につながる口腔機能向上の支援