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第37回アレキサンダー研究会例会 Hybridセミナー “側方拡大について考える”

既にこのイベントは開催が終了しております。

概要

第37回アレキサンダー研究会例会
※2022 年の例会は 現地開催とWEB配信がございます
【特別講演】
テーマ  "側方拡大について考える"

神奈川歯科大学歯学部高度先進歯科矯正学分野 教授
不島 健持 先生「上顎骨の狭窄について」


ありまつ矯正歯科医院
有松 稔晃 先生「私が積極的に拡大治療を行わない理由 」


徳島大学院医歯薬研究部 小児歯科学分野教授
岩崎 智憲 先生「上顎急速拡大の睡眠医学への臨床応用 」


【コーディネーター】
安永矯正南科医院 福岡 佐藤 英彦 先生
宇津矯正歯科医院 宇津 照久先生


※多少の時間変更が生じる可能性がございます。 ご了承ください。
■配信終了後、1ヶ月間アーカイブ配信を視聴することが可能です。
■LIVE配信中は質問を専用チャットにて受け付けております。
※全ての質問に回答ができない場合がございます。予めこ了承ください。

【参加費】表示価格は全て税込価格です

【現地参加(懇親会費含)】
会員・アカデミック
¥20,000
非会員
¥30,000

【WEB参加(アーカイブ視聴含)】
会員・アカデミック
¥15,000
非会員
¥20,000


「上顎骨の狭窄について」
神奈川歯科大学大学院歯学研究科 高度先進歯科矯正学分野
不島 健持

歯列弓の狭窄と関わる上顎骨の狭窄は、叢生、上顎前突、臼歯部交叉咬合、下顎側方偏位など、様々な不正咬合に認められる基本的な問題と考えられます。また現代人においては咀嚼や嚥下などの口腔機能の低下が指摘されており、上顎の幅径の成長に影響している可能性が示唆されています。
このように上顎骨の狭窄は不正咬合の背景因子として、また不正咬合の発症予防の観点からも重要な問題であるにも関わらず、矯正臨床において明確な診断法が確立されておりません。
上顎骨狭窄への対応策の一つとして、急速拡大法Rapid Maxillary Expansion (RME)による歯槽基底部の側方拡大が挙げられ、特に成長期の歯列弓幅径の拡大に有効な手段と考えられます。いっぽう成人の上顎骨狭窄症例に対しては、皮質骨切り術を併用するSurgically Assisted RME (SARME)や、矯正用インプラントを利用したBone-Borne RMEを適用します。急速拡大法は上顎骨周囲縫合部への顎整形的アプローチであり、その適用に際しては、拡大に伴う骨格性と歯槽性の変化、歯周組織や咬合に対する副作用、適用時期などに関し理解しておく必要があります。
本講演では、これら上顎骨の狭窄に関わる診断と治療の問題点を整理し、会員の皆様と共有できればと考えております。

略歴
昭和58年 神奈川歯科大学卒業
昭和63年 神奈川歯科大学院卒業     歯学博士
昭和63年 神奈川歯科大学矯正学教室    助手
平成6年~7年 Zurich大学歯学部補綴学教室
平成13年 神奈川歯科大学矯正学教室    講師
平成13年 かなざわ矯正歯科クリニック開院
平成25年 神奈川歯科大学大学院歯学研究科
     高度先進口腔医学講座歯科矯正学分野    教授
日本矯正歯科学会 臨床指導医
 

「私が積極的に拡大治療を行わない理由」
ありまつ矯正歯科医院 
有松 稔晃

 一般的に医療とは、感染や外傷等で変化した状態を、元の健康な状態へと回復させる行為であり、基本的には治療目標がはっきりと明示されている。翻って、歯科矯正治療は、現状を変化させる医療であり、元に戻すというお手本がないことから、治療目標の設定が必要となる。また、新しい状態に変化させる以上、その治療目標は多岐にわたり、どの目標が最も優れているとは絞り込み難い特性を持つ。
 それゆえに、歯科矯正医は、自身の治療目標を明確にしておく必要があり、そこには、生理的かつ社会的な妥当性が包含されていなければならない。
 私の治療目標は、本邦におけるエッジワイズシステムの泰斗である与五沢文夫先生を中心とする与五沢矯正研究会にて涵養され、日々の臨床治療の結果からフィードバックされたものであるが、生理的には、患者の肉体及び精神にとって不快の思いを癒し、「心地良い状態」に導くことである。この「心地良い状態」とは、全体が部分を含んで協調している状況を意味する。すなわち、『個々の歯の位置が歯列全体、さらにそれを支える骨構造と調和し、咬合時に上下の歯列に無駄な動きがなく、しっくりと収まること、当然それを動かしている部分(関節頭と関節窩)の関係が良いこと。周辺の軟組織の運動機構と協調していることが必要である。この場合の軟組織とは表情筋のなかの口腔周囲筋を含み、その運動に関わる機能と形態がともに全体と調和がとれていること』を言う。
 この目標は、私たちの治験例の蓄積を踏まえて、より良い状態を求める人々に十分受け入れられる社会性を有すると考えている。加えて、我々は変化させたことに対して、一定期間の責任を負うことから、その治療目標には、装置撤去後の生体の反応も考慮に入れる必要がある。
 その際に、拡大治療という手法は、患者を「心地良い状態」に導くと言うことに対して、相反することが多く、私はほとんど行っていない。今回、その根拠について、過去の報告と、実際の症例を通じて、私見を述べたいと思う。

経歴
平成2年3月 福岡県立九州歯科大学卒業
平成6年3月 九州歯科大学大学院歯学研究科歯科矯正学修了
平成11年3月10日 ありまつ矯正歯科医院開業 今にいたる

与五沢矯正研究会  Monograph clinical orthodontics 編集長
 

「上顎急速拡大の睡眠医学への臨床応用」
徳島大学院医歯薬研究部小児歯科学分野
岩﨑 智憲

上顎急速拡大(RME)は歯列の拡大だけでなく、その副次効果として鼻腔通気障害の改善効果があることが報告されている。しかし、RMEによって鼻腔通気障害の改善が認められる症例は約60%程度で、すべての症例で鼻腔通気障害が改善するわけではない。そのため、演者はRMEによる鼻腔通気障害の改善メカニズム、改善が期待できる症例とそうでない症例の鑑別診断、さらにRME単独では改善が見込めない症例に対する新たな改善方法に関する研究を行ってきた。
一方、2007年にスタンフォード大学クリスチャン・ギルミノー教授らのグループが閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対するRMEの有効性を報告し、RMEの睡眠医療への貢献が期待されるようになった。しかし、小児OSAの原因となる部位は鼻腔、鼻咽腔、上咽頭、中咽頭、下咽頭と多岐にわたるため、鼻腔以外に原因がある場合、RMEを用いても症状改善は期待できない。そして未だOSA原因部位の特定方法が確立していないため、原因部位が不明のまま実際にRMEによる拡大が行われ、OSA症状が改善していない症例を散見する場合がある。そのため、小児OSAの原因部位の特定方法が確立されれば、RMEをはじめとした歯科的治療が適切に選択可能になり、良好な歯科医療を提供できる考える。
そこでこれまで私が行ってきた、RMEに関する研究(AJODO 2012, 2013, IJOTORL 2014, Orthod Craniofac Res 2019, Sleep Breath 2020, EJO 2021)、OSAの原因部位の特定方法に関する研究を紹介し(J Clin Sleep Med 2020 a, b)、会員の先生方と情報共有し、睡眠医療へ臨床応用することで、歯科からの社会貢献に繋げたい。

略歴
1990年3月 鹿児島大学歯学部卒業
1994年3月 鹿児島大学大学院単位取得後退学
1994年4月 鹿児島大学歯学部 助手(小児歯科)
2010年8月 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 講師(小児歯科学分野)
2014年5月 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 准教授(小児歯科学分野)
2014年7月 スタンフォード大学医学部Visiting associate Professor ~2015年2月
2021年2月 徳島大学大学院医歯薬学研究部 教授(小児歯科学分野)(現在に至る)

日時

2022年11月27日(日)

2022年12月27日(火)(までアーカイブ配信中)

開催地域

オンライン開催

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