土屋賢司先生 症例100本ノック 第14回 PART1【期間限定プレミアム公開】
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大人気シリーズ100本ノックの続編です。
今回の症例は矯正治療を含めた咬合治療です。
患者様は34歳女性で、左下臼歯部の補綴物の脱離と矯正治療の希望を主訴に来院されました。
転院前に根管治療、セラミックによる補綴治療を行ない、補綴物の脱離は2回目とのことです。
パノラマでは大臼歯部の挺出と咬筋部の骨の発達が見られます。
口腔内写真を見ても顕著な挺出を確認できます。
なぜ左下臼歯は脱離を繰り返すのでしょうか。
支台歯高径の不足と側方運動時の接触が原因と考えられます。
また、矯正治療を希望する理由としては下顎の叢生部を主訴としています。
今回提示された治療計画では不良補綴物等の治療を行い、矯正治療により咬合関係の改善を行う予定です。
そもそもなぜ左側の挺出が起こったのか、また左側だけでなく右側の補綴物の形態に関しても考察する必要があります。
側方運動時の咬合干渉がないかを必ずチェックし、補綴物のやりかえを考えないといけません。
根管治療も何度か治療の既往があるのか、根管治療の質についても考察が必要です。
口腔内写真やパノラマから1歯単位の治療だけでなく全顎的な診断を心がけましょう。
演者の先生は矯正治療をメインに治療計画を考えています。
患者様は下顎の叢生のみを主訴にしていますが、見た目だけではなく機能面の改善も必要です。
その際はスタディーモデルを参考に患者様に説明しましょう。
治療計画はできるだけ天然歯は保存する計画にすることが大切です。
また、圧下量、挺出量は矯正期間に影響します。
矯正治療のゴールの設定はどこを基準にするかが重要になり、矯正医とコミュニケーションをとりディスカッションします。
今回の症例を通して臼歯部の補綴治療の際、矯正治療を含めた治療についての理解が深まります。
土屋先生の考えに触れ、明日からの臨床に活かしていきましょう。
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