Part2 包括的治療戦略・治療計画提案編
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審美性を改善するだけでなく、その状態を長期的に維持するためには、どのような治療計画が必要なのでしょうか。
「Masters Chair Side|包括的診査診断 -顔貌と機能の調和を導く治療戦略-【後編】」Part2では、前編から検討してきた審美・咬合症例に対し、土屋賢司先生が実際の患者さんへ治療方針を説明する様子をお届けします。
本症例では、上下顎の歯列正中の偏位やⅡ級の臼歯関係、下顎右側の欠損、臼歯の近心傾斜など、複数の問題が認められます。
土屋先生がまず強調するのは、見た目を長持ちさせるためには、機能的な安定が欠かせないという考え方です。
現在のⅡ級関係をⅠ級関係へ改善することを目指しながら、歯列全体の位置や咬合をどのように整えるのかを検討します。
特に重要となるのが、抜歯・非抜歯の判断です。歯を並べるためのスペースが不足しているからといって、安易に小臼歯を抜歯すればよいわけではありません。
本症例では、もともと下顎の歯列弓が上顎より小さいため、さらに抜歯を行うことで歯列弓が狭くなり、舌のスペースにも影響する可能性があります。
そこで土屋先生は、近心傾斜している臼歯をアップライトしながらスペースを確保し、欠損部にはインプラントやブリッジなどの補綴治療を検討する方針を説明します。
上顎については、臼歯の遠心移動によって犬歯のスペースを確保し、顔貌に対して偏位している歯列正中を修正するアプローチを提案。歯列を顔面の基準に合わせ、その位置をもとに下顎の咬合を整えるという考え方を示します。
また、矯正治療では歯槽骨の範囲を超えた歯の移動ができないことにも言及。CTで骨の厚みを確認し、歯肉退縮などのリスクを考慮しながら治療計画を立てる重要性を解説します。
さらに、過去の審美修復物をどのように扱うかについても検討します。
既存のクラウンやラミネートベニアによって本来の歯の形態がわかりにくくなっているため、矯正前に補綴物を調整・除去し、歯の形態を可能な限り元の状態に近づける方法を紹介します。
一方で、患者さんの仕事や生活への影響にも配慮し、見た目を大きく変えずに治療を進める方法についても説明。患者さんが希望する治療期間や費用について確認し、矯正歯科医との連携を前提に今後の治療方針を検討していきます。
後半では、顔貌を基準とした正中の評価や、瞳孔線を参考にした歯列の位置決め、スプリントによる顎位の確認についても解説します。
患者さんの審美的な希望と機能的な問題を整理し、長期的な安定を見据えた治療計画へつなげる。土屋先生の臨床判断と、患者さんの理解を深めながら治療方針を共有するカウンセリングを学べる内容です。
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