デジタルデンティストリーの発展に伴い、全部床義歯の製作のデジタル化が進んできました。 口腔内スキャナによる顎堤のスキャンと咬合採得は可能ではあるものの、精度や製作時間に課題が残ります。 本講演では、明日からはじめることができる実現可能な手法について解説いただきます。
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まず初めに口腔内スキャナによる顎堤のスキャンについてお話してくださいます。
上顎は非可動粘膜が多く可動粘膜が少ないのでスキャンするのは比較的簡単で誰でも採得できます。
一方で下顎は非常に採得が難しく、特に前歯部よりも臼歯部のスキャンが困難です。上顎のスキャン時間が2分程度なのに対し、下顎は実際やると5分あるいは10分かかることもあります。どうして下顎をスキャンするのが難しいのかは、ぜひ動画にてご確認ください。
咬合採得、上下の顎間関係のスキャンはどうやって行っているのかを実際に見せてくださいます。
デジタルデンチャーのノウハウは確立してきていて、ラボプロセスに関してはほぼ問題なくできるようになってきました。
問題は臨床ステップだと金澤先生は捉えていらっしゃいます。
ここまでの説明で、口腔内スキャナは顎堤をスキャンするのは難しいというお話をされました。
義歯をスキャンしてしまうほうが圧倒的に楽であるため、皆さんが今すぐにデジタルデンチャーがやりたいと思った時に取り掛かれる方法を伝授してくださいます。
ではどうやって現義歯をスキャンしていくのでしょうか。
その方法はプレゼンテーションをご覧になることでしっかりと学べます。 -
口腔内スキャナを用いた現義歯のスキャンを行うにあたって、まず上顎のスキャンを行っていきます。
どのような順番でスキャンしていくのか、詳しく説明してくださっています。
模型の写真を用いながら、スキャンする場所や方向についてもお話くださいますので、視覚的にも理解しやすくなっています。
また、口腔内スキャナを使用する際のレンダリング時間について、基本の考え方とすべきことを説明してくださいました。
研磨面と粘膜面のスキャンの注意点、辺縁をスキャンする際の重要ポイントもご確認ください。
次に下顎のスキャン方法について説明してくださいます。
この項目の最後に、現義歯のスキャンのポイントをまとめてくださっています。
義歯のスキャンが終了した後、スキャンデータからコピーデンチャーを作製していきますが、その手順と作製方法を説明してくださいます。
使用しているプリンタとレジンも具体的に紹介してくださっており、自分で購入する際の目安になるかと思います。
3D printed copy dentureによる最終印象・咬合採得について解説してくださいます。
印象咬合採得と最終印象について説明してくださいますが、大きな欠陥がなくても全体的に歪んでいることが多いので、顎間関係が保たれているかどうか確認する必要があると金澤先生は仰っています。
咬合調整は細かく行う必要はなく、どんな時に咬合調整を行う必要があるのか説明してくださっています。
最終印象を行う際の注意点について、アドヒーシブを塗布する場所やシリコーン印象材の盛る量を動画で確認できます。
印象採得方法を細かく解説いただき、注意点など情報が盛りだくさんです。 -
ここまででチェアサイドのお話が終わったので、ここからはラボサイドのお話をしてくださいます。
まず始めに最終印象によるスキャンを行っていきます。
ここで行うスキャンは口腔内スキャナではなくラボスキャナを使用しています。
なぜラボスキャンなのか、オススメする理由をお話くださいます。
そして上下顎の印象体スキャン方法について、どのようにスキャンを行っていくのか動画内で詳しく解説してくださいます。
どこまでが必要でどこまでが不要なのか、カットする部分はどこかを明示し無歯顎の作業模型の作製方法を伝授してくださいます。
次にCADを用いた義歯のデザインをしていきます。
適切な辺縁のラインを書き出し人工歯の排列を行っていく様子を供覧してくださいますが、すべてパソコン上でできるので画期的です。
その後歯肉形成をソフト上で行っている様子も拝見できます。
義歯のデザインが完成したら、どのように義歯を作っていくのかをお話くださいます。
義歯の外枠をデザインしてその中に人工歯を排列を行います。
そこに義歯の床用レジンの注入をして加熱、加圧をして患者さん個々の排列が模倣された人工歯が入ったディスク(カスタムディスク)を作り、それをミリングマシンへ入れて人工歯ごと切削加工を行う一連の流れを解説してくださっています。
カスタムディスクの作り方の解説もございますので、初めて触れる方でもわかりやすく安心です。
ミリングマシンは実際にどんな機種なのかもご紹介してくださいます。 -
3D printed dentureとそのシステムであるDENTCAについてお話くださいます。
DENTCAとは近年薬事承認が得られたシステムであり、日本でも使用されています。
また、3D printed dentureで利用されているレジンについて、義歯床や人工歯が紫外線硬化樹脂でできることを紹介してくださいます。
次にDENTCAのシステムを使用した臨床研究についてです。
3D printed dentureで作製した義歯と従来の印象法で作製した義歯を患者さんに使ってもらい、どちらがよいかどうか評価するという研究を紹介してくださいます。
どういったアウトカムなのかは動画内にてご確認ください。
この研究で行う手法は印象採得から義歯の試適までは通法通り行います。
概形印象、個人トレー、辺縁形成を行ったあとの最終印象と咬合採得まではアナログ法です。
そこから先はラボに送ってデジタル法とアナログ法に分けて義歯を作製していく手法を取ります。
その過程でデジタル法でどういった不都合が生じるのか、デジタル法の現在の問題点について論じてくださっています。
また、デジタル法で実際に3D printed dentureのプリント工程についてどのような順番でプリントしていくのか、どういった材料を使用するのか、どうやって完成するのか流れを説明してくださいます。
従来型の義歯との見た目、適合の比較、メリットとデメリットをお話くださった上で3D printed dentureの臨床評価を行っていますので全体的に理解がしやすいです。
後半では対費用効果についてお話くださいます。
Milled dentureの費用対効果についての論文を供覧しながら、従来型とデジタル法のトータルコストはどちらが安いのか。
どうしてそういった結果が出ているのか、今後はどうしたらいいのかをお話してくださいます。 -
本講義のまとめをお話くださいます。
現義歯を口腔内スキャナでスキャンするのがいいというアドバイスや、3D printed copy dentureで行ったほうがいい作業工程とラボスキャナで行ったほうがいい作業工程について、Milled dentureと3D printed dentureの違い、3D printed dentureの問題点について言及したのち、目的で選ぶことが重要だとまとめてくださっています。
最後にFAQがあります。
計7問の質問に対し金澤先生がお答えくださいます。
一つ一つ丁寧に回答してくださっていますので、FAQも見応え抜群のパートとなっています。
ぜひ最後までご覧ください。
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