歯性上顎洞炎は、古くから認識されている疾患であるものの、本邦には、歯性上顎洞炎の治療ガイドラインはありません。 耳鼻咽喉科と歯科の両方から、治療を行う必要がある場合もあり、医科歯科連携が診療上重要になります。 医師による解説となっており、歯性上顎洞炎に関する治療方法についてを学べます。
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歯性上顎洞炎は、耳鼻咽喉科の疾患である副鼻腔炎と歯科の疾患である齲歯および歯周病の間にある疾患です。
歯性上顎洞炎は、古くから認識されている疾患であるものの、本邦には、歯性上顎洞炎の治療ガイドラインはありません。
耳鼻咽喉科と歯科の両方から、治療を行う必要がある場合もあり、医科歯科連携が診療上重要になります。
鼻性と歯性の原因の両方を鑑別して治療をする必要があります。治癒せず経過することによって、眼窩内膿瘍を合併する症例もあります。
細菌培養検査を行い、抗菌剤を使用することを提唱されています。
検査方法としては、パノラマX線検査が主流でしたが、現在ではcone-beamCTが有用とされます。アレルギー性鼻炎や副鼻腔腫瘍との鑑別が重要になります。 -
検査では、鼻咽腔ファイバースコーピー、副鼻腔CT、副鼻腔MRIを実施します。慢性か急性かにより治療方法が分かれます。
急性の場合には、歯科治療を開始していただきます。
CTで、上顎洞内に軟部陰影が充満している場合や中鼻道自然口ルートが閉塞している場合には、歯科治療のみを行っても治癒が難しく、歯科治療とESSを並行して実施します。
抜歯適応をさだめ、患者の希望や治療効果をみながら必要な場合には抜歯をすすめます。
近年、上顎洞内のほとんどの部位に、経鼻内視鏡下の観察や処置が可能になっています。
CT所見で、根尖病巣や上顎洞内粘膜肥厚病変を見つけた場合には、歯科治療の適応があるか、歯科への紹介を考慮する必要があります。 -
症例1では、抜歯を含む歯科口腔外科の治療のみでは、歯性上顎洞炎が改善しなかった事例です。
症例1のように、高度の歯性上顎洞炎があり、OMCの閉塞がしている場合には、歯科治療と並行して、耳鼻科によりESSの実施が必要だったと考察されています。
症例2は、インプラント治療後の歯性上顎洞炎の事例です。患者希望は、インプラントの温存でありましたが、炎症の原因であり温存しました。
結果的には、ESSを行っても、原因となったインプラントを除去することが必要でした。
患者の希望がインプラントの温存であっても、必要な場合には除去をすすめる必要があることを考察されています。
症例3は、EMMMという方法で、歯根部病巣を除去した事例です。副鼻腔炎の改善がみられています。
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