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新DHのためのブラッシング指導(TBI ・OHI) (全5回)

新人歯科衛生士を対象として、入社3ヶ月までに身につけたい知識や技術の習得を目的としたプログラムです。ブラッシング指導で明日から使える具体的なテクニックや声がけフレーズを習得することができます。

  • Level 1 働き盛りの男性患者さん | 患者さんのタイプ別アプローチ法 あの患者さんに響くOHI 13:21

    本講演では、12年のキャリアを持つ南里佳先生より、患者のタイプ別アプローチ法について、特に「あの患者さんに響くOHI」という観点からご解説いただきました。患者さんのタイプをレベル1から5まで分類し、それぞれに適した指導法を紹介いただきます。

    まずは「Level 1 働き盛りの男性患者さん」です。
    40-60代の働き盛り男性患者の特徴として、仕事の責任や家庭での立場、親の介護問題など、多くのストレス要因を抱えています。
    その上で、この年代は歯周病が進行しやすい時期でもあり、予防の重要性を理解してもらうことが健康寿命を延ばすことにつながります。

    効果的なOHIのポイントとして、「論理的な説明」が重要です。具体的には、①現状説明、②原因、③対策や治療法という3つの要素を意識して説明することを推奨しています。また、「ちょっとしたコツがあるんですが、お伝えしてもよろしいですか?」といった、相手の許可を得る形での声かけも効果的です。

    また、「患者さんは歯のことばかり考えているわけではない」という視点も大事です。医療者側の一方的な熱意ではなく、患者の生活背景や状況に寄り添いながら、信頼関係を築いていくことが大切です。

  • Level 2 歯科不信感のある患者さん | 患者さんのタイプ別アプローチ法 あの患者さんに響くOHI 07:43

    歯科に不信感を持つ患者さんの特徴として、過去の不快な経験や、神経質・ネガティブな性格傾向が挙げられます。
    このタイプの患者さんは、以前通った歯科医院での悪い経験を語ることが多く、特に丁寧な対応が必要とされます。

    効果的なアプローチ法として、「患者さんと一緒に考える」姿勢を重視します。
    特に初回の口腔衛生指導(OHI)では、いきなり歯磨きの悪い点を指摘するのではなく、十分な時間をかけて患者の話を聞くことが大切です。

    具体的な例として、63歳の女性患者のケースを紹介。過去に「磨けないなら歯を抜いたほうがいい」と言われた経験から歯科治療を中断してしまった方に対し、「〇〇さんに合っている歯ブラシを確認したいので」といったパーソナルな声がけが効果的でしょう。
    また、歯科衛生士は患者さんの状態から予測を立て、適切な質問をすることも重要です。例えば、奥歯の磨き残しがある場合、嘔吐反射の可能性を予測して確認するなど、患者の特性を理解した上でのアプローチを推奨しています。

    最後に、このタイプの患者さんとの関わり方のポイントとして、「しっかりと話を聞く」こと、「あなたのために」という個別化されたアプローチが重要です。
    信頼関係が築けた際には、ファンになってくれる可能性があります。ぜひ実践してみてください。

  • Level 3 頑固な高齢患者さん | 患者さんのタイプ別アプローチ法 あの患者さんに響くOHI 08:12

    頑固な高齢患者さんの特徴として、豊富な人生経験、保守的な傾向、そして加齢に伴う身体的変化(認知機能、手先の動き、聴力や視力の低下など)を挙げています。

    効果的なアプローチ法として、「変化を実感してもらう」ことです。
    具体例として、78歳の女性患者のケースから、歯間ブラシの使用を促す際の工夫を説明いただきました。
    「食後に詰まったままだとストレスですよね」という共感から始め、実際に使用して効果を実感してもらうことで、協力を得られた例を紹介しています。

    高齢患者へのOHI(口腔衛生指導)での具体的な配慮点として:
    ・視力低下がある場合は鏡を見ながらの指導を避ける
    ・手先の動きを考慮した歯ブラシの選択
    ・長年の習慣(例:歯ブラシの持ち方)を急激に変えることを避ける

    また、効果的なコミュニケーションのためのフレーズとして:
    ・「〇〇さんのような素敵な歳の重ね方をしたいです」
    ・「お体の調子はいかがですか」など、体調を気遣う言葉
    ・「〇〇さんにはずっと仲良くしてほしいので」という継続的な関係性を示す言葉
    等が効果的です。

    最後に、関わり方のポイントとして、ゆっくりはっきりと話すこと、時には孫のような愛嬌を見せること、そして体調の変化に目を向けることを強調しています。
    定期的に会う歯科衛生士だからこそ気づける変化に注意を払い、その時々に合った支援を行うことが重要です。

  • Level 4 自己主張が強い患者さん | 患者さんのタイプ別アプローチ法 あの患者さんに響くOHI 05:49

    レベル4の「自己主張が強い患者さん」の特徴として、承認欲求が強い、人に意見されたくない、プライドが高いという点が挙げられます。
    南先生ご自身もかつては苦手意識があったものの、適切な対応法を習得したことで効果的な関わり方を見出されたそうです。

    効果的なアプローチの核心は「否定しない」という姿勢です。
    具体例として、46歳女性の患者のケースを紹介し、以下のような具体的なテクニックを説明しています。

    コミュニケーションの工夫:
    ・「心配なところが1カ所だけありまして、アドバイスさせていただいてもよろしいですか?」
    ・複数の指摘を避け、1カ所に絞って伝える
    ・患者に「言い訳のきっかけ」を作る

    ブラッシング指導のポイント:
    ・具体的な部位を指定する
    ・一度に伝える内容を最小限に抑える
    ・成功体験を重視し、積極的に褒める

    効果的なフレーズ例:
    ・「あなたが頑張ってくれたから良くなった」
    ・「患者さんの頑張りのおかげです」
    ・承認欲求を満たす表現を意識的に使用

    このタイプの患者さんとの関わり方のポイントとして、話に対して良いリアクションをすること、時には言い訳のきっかけを作ることです。
    一見わがままに見える患者さんでも、適切なアプローチによって信頼関係を築くことができ、最終的には歯科衛生士の意見も聞き入れてもらえるようになります。

  • Level 5 モチベーションが低い患者さん | 患者さんのタイプ別アプローチ法 あの患者さんに響くOHI 09:26

    最も難しいとされるレベル5の「モチベーションが低い患者さん」へのアプローチ法について、まずモチベーションが低い患者さんを3つのタイプに分類して説明しています。

    1.反応やリアクションだけが良いが改善されないタイプ
    ・主に楽観的な性格の方
    ・目先の楽しいことや気持ちの良いことには反応
    ・継続的なコミュニケーションと気持ちの良いケアを心がける

    2.そもそも聞く気がないタイプ
    ・無理に指導せず、タイミングを見極めることが重要
    ・歯科の話題を一旦置いて、趣味など私的な会話で距離を縮める
    ・患者さんのペースに合わせたアプローチを心がける

    3.改善されずやる気をなくしてしまったタイプ

    ・最も重要で早急な対応が必要
    ・ポジティブな声かけと表情で接する

    「3.改善されずやる気をなくしてしまったタイプ」が一番深刻で、早急な対応が必要です。
    具体的な手法として以下が挙げられます。
    ・写真撮影による before/after の比較
    ・部分的な染め出しによるハードルの低下
    ・小さな改善点を見つけて積極的に褒める

    また、効果的なアプローチの核心として以下も行ってみてください。
    ・否定的な言葉を避け、ポジティブな姿勢を保つ
    ・患者の努力を認め、感謝の気持ちを伝える
    ・一度に多くを求めず、できることから少しずつ改善を目指す

    患者さん個別のOHIは非常に難しいですが、それだけに奥深い楽しさがあります。
    ぜひ本講演で紹介いただいたテクニックを日常臨床に取り入れてみてください。

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