【人気動画】臼歯ダイレクトボンディングのボーダーラインとオーバーレイレストレーションの新たな概念
2021年8月23日(月)

今回は青島デンタルオフィス院長 青島徹児先生に臼歯部ダイレクトボンディングとオーバーレイレストレーションによる間接修復の診断や治療方法、その実際についてお話しいただいた動画を紹介していきます。
日常臨床でも「どこまでを直接修復で、どこからを間接修復で治療する」というのは歯科医師として常に自分の中に答えを持っておきたい疑問だと思います。
動画では青島先生の美しい長期症例の写真を教材に、実際の直接・間接法の手技のコツまでを含む、直接・間接法のボーダーラインを考えるにあたって非常に示唆に富む内容になっています。
日常臨床をよりステップアップさせたい先生は是非ご覧になってください!
Part 1

まずはじめに青島先生の簡単な経歴とともにダイレクトボンディングを臨床に取り入れていった経緯をお話しいただくなかで、ダイレクトボンディングの充填法の変遷を知ることができます。
10年越えの長期症例をもとに検証されるコンポジットレジン治療のありかたは必見です。
患者さんの口腔内状況、レジンの物性によってその結果は大きく変わってくることが示されています。


失敗症例の検証もあるところが、初学者にも非常に分かりやすいです。
直接修復時の窩洞形成の方向とエナメル小柱の走行の関係性やベベルの付与についてなど、歯科医師ならだれでも「実際どうなのか?」と思う疑問にエビデンスベースで答えが示されています。
ダイレクトボンディングに耐えうるようにするためには機能咬頭・非機能咬頭をどれくらい残すべきなのか。
またどれくらいの窩洞なら1級として、どこまで歯質を削ったら2級窩洞にするのかという問いにも詳しく青島先生の見解が話されます。
Part 2
Part 1に続いて、辺縁隆線が残っていることがどれくらい歯牙破折等の予後に関係してくるのかが論文に基づき話されます。

歯のたわみと窩洞の大きさの関係を考えるといかに辺縁隆線を削らずにエナメルをのこして形成することが大切かよくわかります。
辺縁隆線の切削をさけて隣接面カリエスを取り除く第一選択肢として Horizontal Slot technique が紹介されています。
象牙質の裏打ちのあるエナメル質を残すことの大切さを再確認できます。
青島先生が自信をもって「ダイレクトレストレーションの方がレジンセメントを使った間接的補綴処置よりも接着力が高い」と言えるところが感慨深いところでした。
きっちりとした接着処理の裏付けがあってこその言葉だと思います。
レジンセメントを使った間接修復の利点欠点についても語られます。


ダイレクトボンディングの利点として「同じ材料で修復が可能」という点が強調されています。
リペア時につかわれる接着面を粗造にするパウダー処理についての説明は必見です。

表面を粗造にするだけでなく唾液と混合させると再石灰化を促すようなパウダーが紹介されています。
MIを考えると避けて通れないパウダーを使った処置の実際の動画は非常に勉強になります。
Part 3
窩洞の深さと歯牙の厚み、歯牙破折の問題を考えて大切な概念、Inflection planeについて詳しく解説されています。

いち歯牙の中の部位によるエナメル質の厚みを考え、咬合時の応力のかかり方がかわる変曲点を繋いだものがinflection planeです。
これをもとにどれくらいの歯質が残せれば予後の良いダイレクトボンディングが可能なのか、どのラインを超えれば間接修復としてセラミックをつかったオーバーレイレストレーションを行うべきなのかが話されます。
オーバーレイの際の形成の方法も詳しく紹介されており、より機能的で審美的な修復を行うのに何が大切なのかシンプルにポイントをおさえることができます。
エナメル小柱の走行を意識した形成の方法で接着力が変わるということなど細部までおさえた解説で有用な内容です。
Part 4

軟化象牙質除去後の象牙質部の処理や形成時の注意点等が詳しく話されます。
またあまり語られない部分であるオーバーレイにおけるプロビジョナルについての内容があり、どのような素材や仮着材料をつかったら良いかよくわかります。
接着の前処理としてのパウダー処理、そして従来のレジンセメントでの合着ではなくペーストタイプのコンポジットレジンをヒーティングさせて接着する方法が紹介されています。
ペーストアイプのコンポジットレジンを使うことでより精度が高く、審美性の高い修復治療が可能になるということです。

どのようなコンポジットレジンを使えばいいのか?
ヒーティングの機械・器具についてなどを紹介するとともに、どのようにレジンを盛って口腔内で圧接していけばいいのかを手元を映した動画で見ることができ非常にわかりやすいです。

セメントを使用する際よりも接着に使用する余剰レジンの除去が容易であることや、セメントラインがアンダーになることを未然に防ぐことができるなど、ペーストレジンを使って接着することの利点は多いようです。
Part 5

ここでは失活歯にオーバレイレストレーションを行う場合の注意点についての解説があります。
形成時の注意点やポストの有無など、気になる点がしっかり解説されています。
ポストについては近年様々なことが言われている中で青島先生の見解を聞くことができるのは貴重な機会だと思います。
最後の質疑応答では
・オーバーレイ修復時のコンタクトポイントの考え方
・インゴットの選択
・おすすめのボンディング剤の種類
・テフロンテープの上手な使い方
などなかなか聞けない内容が収録されています。
最後に…


今回は青島デンタルオフィス院長 青島徹児先生に臼歯部ダイレクトボンディングとオーバーレイレストレーションによる間接修復の診断や治療方法、その実際についてお話しいただいた動画をPart1~5まで解説させていただきました。
美しい長期症例とともに示唆に富む内容となっています。
Minimam Interventionを意識することが日常臨床のなかで必須になっている現在、ダイレクトボンディングとオーバーレイレストレーションの境界を考えることはより患者さんに有益な治療を提供することにつながっていくと思います。
大切なポイントが多数動画の中では多数説明されていますので是非一度ご覧になってみてください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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