【大会長挨拶】日本歯科保存学会 2018年度 春季学術大会
大会長挨拶
日本歯科保存学会2018年度春季学術大会(第148回)大会長
神奈川歯科大学大学院口腔統合医療学講座歯髄生物学分野
石井信之
このたび、横浜みなとみらいホールにて日本歯科保存学会2018年度春季学術大会(第148回)を開催させて頂くことになりました。この場をお借りしてご挨拶申し上げます。歴史と伝統ある日本歯科保存学会を踏襲しつつ、未来に飛躍できる学術大会として、参加いただく皆さまにとって有意義な大会となるよう教室員と関係者一同にて緊張感を持って準備を進めております。
日本歯科保存学会は保存修復学、歯内療法学、および歯周治療学の3分野から構成され、歯を保存するという共通目標の元に、日本の歯科医学と歯科医療を牽引していく学会であります。また、本学会の学術活動は変化が著しい社会に対応して、将来の歯科医療を提案する使命を担っていると考えています。そこで、第148回大会のテーマは保存治療を基盤とした歯科医療のみらい戦略を探ることを目的として「Future Strategy」とさせていただきました。
超高齢社会を迎えた国内の歯科医療は、破折歯や根面う蝕増加による疾患構造の変化、および有病者に対する歯科医療の対応が急務とされています。そのためには、歯学教育の充実、研究、および臨床が三位一体となり迅速な対応が必要とされます。そこで、学会主導型シンポジウムは21世紀の歯科医療に必須のテーマである「超高齢社会における歯科医療のFuture Strategy」に焦点を絞り、住友雅人先生(日本歯科医学会会長)、今井裕先生(日本有病者歯科医療学会 理事長)、興地隆史先生(東京医科歯科大学歯学部長)に講演を依頼しました。また、本学会の基調講演は「歯科医療系大学のFuture Strategy」をテーマとして歯学研究者出身の鹿島勇先生(神奈川歯科大学理事長)、医学研究者出身の水田祥代先生(福岡学園理事長)に大学経営者の視点から講演を依頼しました。
本学会のメインシンポジウムは「歯科保存学のFuture Strategy」をテーマとして保存修復学分野からTen Cate 先生 (IADR56th Presiden、ACTA&アムステルダム大学 前教授)、歯内療法学分野からSimon Friedman先生 (トロント大学 前教授)、歯周病学分野から栗原英見先生(広島大学教授・歯周病学会理事長)に講演を依頼し、今後の歯科保存治療の方向性を探ることにしました。
また、本学会では臨床に直結するシンポジウムとして宮崎真至先生(日本大学教授)企画の「歯質接着システムの現在と未来への挑戦」と木ノ本喜史先生(大阪府開業)企画の「一つ上の歯内療法をめざすための理論と臨床」依頼し、さらに、認定医研修会は平山聡司先生(日本大学松戸歯学部教授)に「修復治療のBasic strategy -修復前準備を再考する-」に講演を依頼しました。
学術大会開催地のみなとみらいは、21世紀にふさわしい未来型都市を目指して開発が進められた地区であり、「Future Strategy」を議論するのに相応しい場所です。会場のみなとみらいホールは海の見えるコンサートホールとして、みなとみらい21地区の中心に位置し、若い街ならではの活気に満ちた明るいエリアです。また、みなとみらいホールは文化芸術創造都市・横浜の中核であり、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の活動拠点です。日本歯科保存学会のみらい戦略を探る本大会初日は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団による「Future Strategy」に相応しい演奏を依頼しました。本大会が今後の歯科保存領域の発展に寄与できるよう万全の準備を整えます。
多くの皆様の参加を心よりお待ちしています。
日本歯科保存学会 2018年度 春季学術大会 公式HPはこちらから