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2018年3月12日(月)
Doctorbook Clinical Conference

【DBCC開催レポート】松田謙一先生「なぜ、総義歯は難しいのか?~原因と対策を考える~」

2018年3月9日(金)に「Doctorbookクリニカルカンファレンス(DBCC)」が開催された。
大阪大学大学院 歯学研究科の松田謙一先生が講師として登壇し、「なぜ、総義歯は難しいのか?~原因と対策を考える~」をテーマに講演を行った。

【DBCC開催レポート】松田謙一先生「なぜ、総義歯は難しいのか?~原因と対策を考える~」

総義歯患者の疫学

松田先生はまず、地域に偏りのない70歳~90歳、2000人以上に及ぶ膨大なデータから
疫学的に全部床義歯患者は口腔機能・患者満足度が低く不満を感じやすい
というエビデンスをもとに総義歯、さらにその中でも難症例の難易度の高さを示した。
 
/img/columns/180309_松田先生コラム_キャプチャ1.PNG
 
総義歯の成功には、顎堤の高さや人工歯の排列位置などの物理的な要件唾液の分泌量や嘔吐反射などの生理的な要件、そして患者個々の認知機能や心理的側面などが、適応能力に影響を与えていることを知り、それぞれのバランスを見極めることが重要であるという。
 
  
 

総義歯の難症例とは 

では難症例とはどのようなものが挙げられるのであろうか。
 
松田先生は難症例を大きくわけると、
フラビーガムや高度顎堤吸収症例など見ただけで判断可能な“見える難症例”と、
実際にやってみると難しく、原因がわかりにくい“見えにくい難症例”があるとした。
 
見えにくい難症例をクリアにするには、症型分類を行い難易度を見極め分析していくことがポイントとなる。
 
本日は日本補綴歯科学会の無歯顎の評価用紙を用いて、実際の分類の仕方を説明した。
 
/img/columns/180309_松田先生コラム_キャプチャ2.PNG
 

フラビーガムの問題点と対応

見える難症例の代表例として、フラビーガムや高度顎堤吸収症例がある。
 
フラビーガムの難点は、
 
・顎堤の吸収が進行している場合が多いこと
・印象時の変形
・義歯の支持域の減少
・前歯部咬合による義歯の沈下
 
などが挙げられる。
 
印象採得の方法やリリーフ、模型のトリミングの仕方、
支持域の獲得方法、咬合付与の仕方を実際の臨床動画を用いながら
つまずきやすいポイントの解決法を説明した。
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高度顎堤吸収症例の問題点と対応

また、高度顎堤吸収症例の難しさは、
 
●術式の観点
 
・概形印象が難しい
・義歯や個人トレーの概形線の決定が難しい
・顎堤の吸収によりトレーが変位し易い
  
●力学的観点
 
・咬合圧を分散できる粘膜域が減少する
・口唇圧の影響を受けやすくなり義歯の安定が低下する
・顎堤の高さの減少により側方力への抵抗力が低下する
・顎堤の形態により支持域が十分に得られない
 
●解剖学的・心理的観点
・吸収によりオトガイ孔や下顎管が骨上に露出している
・心理的要因に起因する問題・角な期待
 
などが挙げられる。
 
続いて、それぞれの問題に対して、印象材やトレーの選択方法、患者さんの運動を用いた印象採得方法や可動域の模型への付与を実際の臨床動画にて示し、
咀嚼能率の改善方法や患者教育CTの有用性や、咬合の付与視診や触診でみるポイントなど、ひとつひとつのアプローチを提示した。
  
 
また、症型分類を実際に患者さんにみせ、状態を理解してもらうことで期待度をコントロールしていくことも重要だと述べた。
 
 
松田先生の臨床研究より、全部床義歯の難症例とそうではない症例の治療成績を比較検討した結果を示された。
治療前では難症例のほうが咀嚼能力に劣るが、治療後はそれらに差はなく、
むしろ患者満足度が高いという結果が出ている。
 
つまり、適切な治療を行えば難症例の患者の満足度は大きな向上が望めると言える。 
 
 
「総義歯は難しい」ーそんな漠然としたイメージではなく、なぜ、難しいのかを考え、ひとつひとつ分析し原因を探求していくことが成功の近道となることを示した。
 
 
 
 本講演は、後日Doctorbookプレミアムサービス登録会員向けコンテンツとして配信いたします。
 
 
 Doctorbookクリニカルカンファレンスは随時開催しています。ライブ配信を行っておりますため、場所問わずご参加いただけます。
 
 
 
 

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