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【人気動画】Denture Cafe 第17回「顎位の決定が難しい!と感じた時に活かすGoA 〜ゴシックアーチの上手な使い方~ 」 

2021年7月9日(金)

今回の動画は、Denture Café第17回「顎位の決定が難しい!と感じた時に活かすGoA〜ゴシックアーチの上手な使い方〜」よりゴシックアーチを用いた顎位の設定の仕方について、松田謙一先生、熱田生先生、松丸悠一先生によって解説されている動画となっています。
ゴシックアーチとは何かという基本的な内容からその有用性、使い方、コツなど応用的な内容まで幅広く解説されています。
全部床義歯症例において顎位が安定していない場合、多くの先生は顎位の設定について苦労されていることだと思います。
咬合採得後の試適時に適切に咬合しておらず再咬合採得となったり、義歯装着後に患者から顎がズレている感じがするという訴えがあったりということは全部床義歯の臨床において少なからずあるケースではないかと思います。そのような失敗をなくすため、顎位設定の一つの有用な手段としてのゴシックアーチ描記法ついて本動画で学んでいただければと思います。
(尚、本動画は2021年5月14日にHILIFE DENTURE ACADEMY Online SalonでLIVE配信された動画です。)

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●ゴシックアーチとは

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まず松田先生から、そもそもゴシックアーチとは何かということについて解説されています。
ゴシックアーチとは、上下顎に描記板と描記針を設定し、定められた咬合高径における水平的顎間関係を評価・決定するための手法です。
上下顎咬合床に描記板と描記針を装着し、下顎運動を行わせることにより客観的に顎位を評価し、顎間関係を決定します。臨床ステップとしては通常、咬合採得終了後(咬合高径が決定された後)に行われます。

●無歯顎者の顎位を決めることはなぜ難しいのか?

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次に熱田先生からは、なぜ無歯顎者の顎位を決めることは難しいのかについて、そしてゴシックアーチ描記方に関する基本的な6つの疑問を挙げ、それぞれについて回答する形で解説されています。
無歯顎者は顎位の正否を知る上で基準となる歯列を喪失しています。同時に歯根膜固有受容体も消失し、咀嚼筋の筋機能が低下することで下顎位は不安定になっています。また、不具合な義歯が原因で不規則な顎堤吸収が起きていたり、一般的に無歯顎者は高齢で筋神経反射機構に問題を有することがほとんどです。
以上のことから無歯顎者は、有歯顎者と比較して客観的かつ信頼性に富む下顎位の基準を得ることが難しいとされています。
そのため顎位を決定するには客観的で再現性の高い方法を用いることが重要となります。そこで用いられる顎位(水平的顎位)の決定法の数あるうちの一つがゴシックアーチ描記法なのです。

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●ゴシックアーチ描記法に関する疑問

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続いてゴシックアーチに関して基本的な6つの疑問が挙げられています。
① なぜゴシックアーチをわざわざするの?
② 咬合高径が間違っていたらゴシックアーチは描けないの?
③ 上顎と下顎のどちらに描記針?どっちでもいいの?
④ 患者さんに練習してもらう方法が分からない・・・
⑤ ゴシックアーチの読み取り方は?
⑥ ゴシックアーチの結果は信用できるの?
ゴシックアーチを利用しようとなると、まずはこのような疑問が思い浮かぶのではないでしょうか。熱田先生により、一つ一つ丁寧に分かりやすく解説されています。

●ゴシックアーチ臨床での活用法

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続いて松丸先生より、実際にゴシックアーチを臨床でどう活かせば良いかについて、自身の症例を交えながら3つのポイントに分けて解説されています。
臨床で活かすポイントまず1つ目は、前提となる描記装置の安定です。
そもそも描記装置が安定していなければ正確な描記はできませんので、まずはしっかりと装置を安定させる必要があります。
装置の安定で重要となるのは、描記針と描記版の力学的安定と周囲軟組織特に舌への配慮です。
描記針を力学的に安定するように上顎へ設定し,前噛みが起こらないよう注意する必要があります。また描記針や描記板の位置は個人トレーや咬合床と同様に周囲軟組織に影響を与えない部分に設定し、舌房にも配慮しなければなりません。

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ポイント二つ目は、アペックスとタッピングポイントが離れている場合の対応です。(アペックスとはゴシックアーチの頂点で、左右の下顎側方限界運動が交わるところ)臨床的にはこのようなケースがよくあるということですが、どのように顎間関係を決定すれば良いのでしょうか。
このようなケースに関しては可及的に疼痛・不安定による不快感および緊張を除去した上で、術者による誘導と再現性を確認することが重要だと述べられています。
松丸先生の場合は、描記板に円盤を設置し、定められた一点で開閉口が可能かどうかを見極めるという方法を紹介されています。

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ポイント三つ目は描記図の有効な活用についてです。
ここでは
・治療用義歯を用いたとしても常に適切な下顎位へ調整できるわけではなく、その場合にゴシックアーチが利用できれば非常に有用な手段となるということ
・前方運動範囲から顎間関係を予測できるということ
・偏心運動範囲を咬合調整に活かすことができるということ
といったことが述べられています。ここまで理解して臨床に臨むことが出来れば、ゴシックアーチの有用性をより実感できるのではないかと思います。

最後の質疑応答では今回の内容を踏まえ基本的なことから応用的な内容まで多岐にわたる質問に対して、3人の先生方が的確にご返答されております。

●最後に

今回は、Denture Café第17回「顎位の決定が難しい!と感じた時に活かすGoA〜ゴシックアーチの上手な使い方〜」より、松田謙一先生、熱田生先生、松丸悠一先生の解説をまとめさせていただきました。
この動画では、なぜゴシックアーチを行うかという基本的なことから、臨床へ活かす上での注意点や描記図の解釈といった応用的なことまで幅広く解説されています。ゴシックアーチを利用したことのない先生から、既に利用されている先生まで見応えのある1時間となっていますので、是非ご覧ください!

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