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【人気動画】ダイレクトレストレーションの追求 最新接着システムとコンポジットレジンの活用※動画の公開は終了しました。

2021年5月11日(火)
提供:クラレノリタケデンタル株式会社

今回の動画は静岡県浜松市で開業されている田代先生がコンポジットレジンを使用した「ダイレクトレストレーション」について解説しています。これからダイレクトレストレーションを導入したい先生や、ダイレクトレストレーションについて復習したい先生は必見な内容です。

●ダイレクトレストレーションで使用する材料

実際にダイレクトレストレーションで使用する材料は、ボンディングシステムとコンポジットレジンだけです。
ただし、一種類の材料でダイレクトレストレーションをするわけではありません。
1ステップ性のボンディング材が主流となっている今、ダイレクトレストレーションでは2ステップ性のボンディング材が推奨されています。
この理由は象牙質にありました。象牙質表面に現れたスミアー層を除去しなければ歯質への接着性を十分に確保するのは難しいです。
そこで田代先生が使用しているのがメガボンドです。
メガボンドではスミアー層を溶かす、セルフエッジングプライマーがあります。
セルフエッジングプライマーを使用することで、スミアー層を溶解して象牙質へ浸透しやすくします。
セルフエッジングプライマーの中には水が含まれているため、スミアー層が水中へ浮きやすくなるのです。
結果、樹脂含深層が形成されるのです。そこへメガボンドのボンディング材を塗布します。
ボンディング材の中にはコンポジットレジンの主成分Bis-GMAが含まれています。
この操作によりコンポジットレジンと歯質に強い接着が獲得されます。1

●牛歯象牙質への接着試験からみるコンポジットレジンの接着力

エナメル質を除去し、象牙質を乾燥させた状態の牛の歯を用意します。
そこへメガボンドのプライマーを塗布して、接着力に関する試験を行ないます。
20秒経過後、エアーブローをして象牙質内へHEMAやMDPがしっかりと浸透した状態を作ります。
その上へボンディング材を塗布して接着システムを構築したら、コンポジットレジンを充填します。
最初は0.5mm程度の薄い層を通して光がボンディング材表層へ達して、非常に強い強度を得ることができるのです。
その後は、積層充填を行いある程度の厚みを作っていきます。

充填後6分程度待ってから、強度の試験を行います。
ハンマーを用いて、接着したコンポジットレジンを叩くと象牙質の表面が深くえぐれるような形でコンポジットレジンとともに剥離されました。
これはコンポジットレジンがしっかり接着された場合、接着面で剥離するのではなく、象牙質の構造ごと剥離されるということが明らかになったのです。2

●前歯におけるダイレクトレストレーション

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前歯を破折してしまった症例です。
歯頸部の歯質が残存しているため、歯冠部へコンポジットレジンを充填しました。
ガイドを用いて、口蓋側へ充填し、マトリックスを活用して遠心面・近心面と構築していきます。

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本症例では患者が20歳と若かったため、縁下マージンへ設定すると歯肉退縮を招くリスクがありました。
天然の歯頸部ラインを保存する必要があったため、コンポジットレジンによるダイレクトレ ストレーションが選択されたのです。
実際、4年経過を追っていますが問題なく過ごしています。
仮に歯が一部欠けたとしてもその部分 だけ充填すれば再度、形態回復できるのもコンポジットレジン修復の利点ではないでしょうか。 

●コンポジットレジンのクラウンブリッジへの応用

コンポジットレジンはクラウン適用症例にも応用できます。最初は臼歯部の症例です。
感染歯質を除去した後、TEKを製作して、ガイドを作成します。
ガイド上へ、フロアブルタイプのコンポジットレジンを流して外形成を行い、最後はペーストタイプのコンポジットレジンで形態付与を行います。
最終的に研磨をすることで透明感のあるコンポジットレジンの色調が再現されます。

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また、ブリッジ適用症例にもダイレクトレストレーションが応用できます。
1歯欠損で両隣在歯が健康な場合、ブリッジ形成するのは懸念されます。
そこでコンポジットレジンの出番です。
一度、咬合器上でワックスアップを行い、両隣在歯にどれだけコンポジットレジンを接着させれば良いか予想します。
ワックスアップの形が決まれば、ガイドを採得して実際の口腔内でレジン充填を行います。

ポンティックの底面を作るにはマトリックスを敷いて充填します。
ガイドを基準にフロアブルコンポジットレジンを口蓋側から充填します。
その後、咬合面や歯頸部など段階的に充填します。
歯頸部は濃い色のシェードを使用し、歯冠部には色調の異なるフロアブルコンポジットを使用することで、より自然な歯へ近づきます。
口蓋側の固形空隙を埋めているため、強度も高くなっています

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次に前歯のブリッジ症例です。
短期間での治療を希望しており、インプラント非適用症例だったため、コンポジットレジンを用いたブリッジ修復となりました。
臼歯部と同様に口蓋側から充填を行います。
このとき、コンポジットレジンの重合収縮を考慮するため一気に充填するのではなく、積層充填をして応力が集中しないように注意しましょう。

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●コンポジットレジンは幅広い


コンポジットレジンが登場した頃は、強度に不安を抱えている先生も少なくなかったでしょう。
しかし、今となればコンポジットレジンは前歯だけでなく臼歯にも使用できるのです。
強度が上がったことで臼歯部へのブリッジとして応用するケースも珍しくありません。
ぜひご覧になっている先生方もコンポジットレジンで新しい症例に挑戦してみませんか?

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最後に・・・


今回は、田代歯科医院の田代浩史先生によるダイレクトレストレーションに関する講義をまとめさせていただきました。
まずどのような接着剤を選ぶべきか、接着までの過程に起こる反応を基礎から解説してくださった後、CRでの治療が対応できる8つのケースをご紹介いただきました。
なかなか見られない症例が紹介されていますので、適応症例を増やして患者さんへの提案の幅を広げたいとお考えの先生はぜひご覧ください!

ダイレクトレストレーションの追求 最新接着システムとコンポジットレジンの活用
#1 使用材料の選択
#2 臨床例
#3 クラウン・ブリッジへの応用例

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