第15回日本顕微鏡歯科学会学術大会・総会 大会長インタビュー
①日本顕微鏡歯科学会の目的と活動は?
顕微鏡歯科学会も発足から15.6年程経ち、顕微鏡って何?言われることは少なくなりました。歯科業界の中でその認知度が上がってきています。
しかし、まだ実際に顕微鏡を覗いたことがない、使ったことがない先生も多くいらっしゃる事も事実。より一般の先生にも顕微鏡を身近に感じていたたきたいと思い活動しています。
昨年は会員数が歯科医師・歯科衛生士も含め200人も増え、延べ1300人を超えてきました。
お互いの研鑽と情報交換の場として患者さんが信頼できる治療の普及をしていきたいと考えています。
②今大会のテーマ「Seeing is believing~百聞不如一見~」について
「顕微鏡って自費診療で専門性が高く先端医療で使うもの」として捉えるのでなく、どんな臨床でもルーペのように一般の先生に使っていただきたいと思っています。
今回はこれから顕微鏡を使う先生におすすめの内容となっており、登壇する先生方には実際にどのようにして臨床に活かすかというところに焦点を合わせてお話いただく予定です。
しかし、ベーシックな所だけではなく、ランチョンセミナーではそれぞれの分野のスペシャリストの先生方をお呼びしてアドバンスな内容をお話いただく予定です。
③今大会の見どころ
見どころは沢山ありますが、今回の特色を出しているのがシンポジウムと特別講演です。
シンポジウムでは、一般診療中にマイクロをどう活かすかに焦点を当てて、エンドだけではなく、修復や口腔外科、歯周処置スケーリングなどに応用する方法をできるだけ動画を多くスライドに盛り込んでお話いただくようにお願いしております。
その中で臨床家として気になる「チェアーは何台で1日何人診ていて」という臨床の生の声と院内で工夫していることやコツなどを話してもらおうと思っています。
特別講演は病理の下野正基先生にお願いしております。
臨床に出てしまうと基礎の話は中々聞く機会がありません。
マイクロスコープよりも倍率が一桁違う細胞レベルの治癒を研究なさっている下野先生に臨床に絡んだ話をしていただく予定です。
そのイメージをマイクロ診療に活かしていただきたいと思っています。
④歯科衛生士と顕微鏡
数年前から歯科衛生士の認定資格も創設しました。
マイクロスコープを使うとやはりしっかり見ないと歯石は取れないというDHさんも多く、
歯科衛生士がプレゼンをするシンポジウムも準備しています。
地方からも多くの先生と歯科衛生士の参加登録をいただいています。
⑤今後の展望
顕微鏡を活用することのメリットとして
1)、診療の確実性と精度の向上
2)、患者さんへの情報公開による透明性
3)、記録することによる情報の蓄積
4)歯学教育の充実
これらのことが上げられます。
地方に顕微鏡を広めるサテライトセミナーや顕微鏡を使う先生を育てるサマーセミナーやオータムセミナーなどを今後共行っていき、顕微鏡の良さを伝える草の根活動をしていきたいと思います。