【抜歯後の止血】サージセルの使い方と保険請求のポイント

抜歯時の止血材、どう選んでる?歯科医師が知っておくべき
「サージセル」の保険請求と臨床応用
今回は、抜歯時の補助的な止血材として有効な、「サージセル・アブソーバブル・ヘモスタットMD」について、その特長と、歯科医師が知っておくべき保険請求のポイントをご紹介します。
サージセルが選ばれる3つの理由
1優れた止血力と操作性
サージセルは、木材パルプを酸化処理したセルロース繊維でできており、血液を吸収して凝固を促進することで止血を助けます 。口腔内の出血部位の形状に合わせて、小繊維片、レイヤー、ロール、綿球など、さまざまな形状に変化させて使用できるため、抜歯窩にしっかりとフィットします 。
2安心の植物由来と吸収性
木材パルプを酸化処理したセルロース繊維でできており、植物由来の止血材であるため、約2週間で体内に吸収されます。また、約2週間で体内に吸収されるため、感染源となるリスクを低減します 。
3抜歯窩にフィットする操作性
小さな繊維片やロール状など、さまざまな形状に変化させることができ、抜歯窩の形に合わせてカットして適用できます。口腔内の出血部位に柔軟に対応できるため、臨床での使い勝手が良いのも特長です。
症例紹介と評価ポイント
新名主歯科・口腔適応症例外科医院(日本口腔外科学会認定医、日本口腔インプラント学会専門医)
新名主 耕平先生の「サージセル・アブソーバブル・ヘモスタットMD」の使用方法です。
技術料とは別に保険請求できる「特定保健医療材料」
多くの歯科医師が意外と知らないのが、サージセルが技術料とは別に保険請求できるということです。サージセルは「特定保健医療材料」として定められており、使用量に応じて償還価格が設定されています。
サージセルは、特定保健医療材料の償還区分で「歯科#035 デンプン由来吸収性局所止血材」の「標準型」に分類されます。
具体的な保険請求方法(レセプト記載のポイント)
サージセルの請求方法はお使いのレセプトコンピューター会社によって異なりますが、一般的な手順をご紹介します。詳細については、ご使用のレセプトコンピューター会社にご確認ください。
・処置名称: サージセル・アブソーバブル・ヘモスタットMD綿型0.45g
・一般点数/加算点数: 572点(0.45g使用の場合)
・使用量: 止血に必要な量のみを適用し、重量換算に基づき請求可能

症例紹介と評価ポイント
はせがわ歯科医院の長谷川 幸夫先生が解説する、水平埋伏智歯抜歯での「サージセル・アブソーバブル・ヘモスタットMD」の適用例です。


まとめ
サージセルは高い止血効果と安全性に加え、特定保健医療材料として技術料とは別に保険償還請求が可能です。
出血リスクが高い症例や、より確実な止血を目指す上で、ぜひ日々の臨床に取り入れてみてはいかがでしょうか。
サージセル解説動画
