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歯周組織再生療法 periodontal tissue regenerative therapyとは【歯科用語コラム】

2023年1月18日(水)

歯周組織再生療法とは

―骨や歯肉など、欠損した歯周組織を再生し、歯の支持構造や審美性を回復する治療法。

 近年、医療分野において、iPS細胞に代表されるような、再生療法に注目が集まっています。歯科分野では、特に歯周治療において発展し、2016年のリグロスの保険認可など、臨床の現場へも浸透しています。

歯周炎の進行に伴って起こる歯周組織の破壊に対し、健常な歯周組織を再生するための試行錯誤の歴史は1900年代より始まりました。
歯周外科処置の後、歯根表面に歯根膜由来細胞が到達・増殖した場合のみ歯周組織は再生する、というMelcherの仮説を元に、1982年Nymanらは人の歯周組織で新付着を獲得することに成功しました。
以来歯周組織再生療法は、骨欠損部における上皮の排除(Bone Denudation Technique、Coronally Positioned Flap、GTR)、骨欠損部による骨移植(人工骨など、他家骨、自家骨など)、そして成長因子(FGF、PDGFなど)の応用へと、日々進化を遂げています。
さらに近年、エナメルマトリックスデリバティブ:EMDや線維芽細胞増殖因子:bFGFを用いることで、血管や骨の新生を薬剤で誘導することも可能となり、患者への外科的侵襲の減少:Minimum Invasive Treatment や、従来抜歯を選択せざるを得なかった歯の保存を可能にしています。

歯周組織再生療法に関連する動画を観る

「歯肉退縮と骨欠損へのアプローチ ~混綿被覆術と歯周組織再生療法の選択について~」動画サムネイル
宮地栄介先生による「歯肉退縮と骨欠損へのアプローチ ~混綿被覆術と歯周組織再生療法の選択について~」です。

臨床でよく見かける歯肉退縮ですが、どのようなアプローチをするのが正解なのか、特に症状がない場合も介入すべきなのか悩むことがあるかと思います。
本講義では歯周病を原因とする歯肉退縮について、原因の特定方法と解決のための治療方法、またその治療方法に外科処置を介入させる場合の術式選択まで、詳しく解説いただきました。

歯周治療に関する分類法も織り交ぜながらの講義なので、基礎的な部分の復習にもなります。
後半には宮地先生が治療された症例も紹介されています。

動画を閲覧する


「重篤な骨吸収を伴う下顎前歯の保存に努めた1症例」動画サムネイル
続いて三條直哉先生による「重篤な骨吸収を伴う下顎前歯の保存に努めた1症例」をご紹介します。

こちらは、歯周病ではなく、咬合性外傷による重篤な骨吸収、歯肉退縮を伴う下顎前歯に対する症例をご紹介いただきました。
実際の症例を見ながら診断、再生療法の適応、歯周外科治療の術式を学ぶことができます。

条件的に完全な回復が難しいと考えられた症例に対して、歯周組織再生療法、根面被覆術による保存的選択に奏功した症例を、2動画にわたり解説いただきました。

#1の動画では咬合性外傷による歯肉退縮に対する診断と、初期治療として行ったことが論文と共に紹介されています。
#2では軟組織の環境改善のため角化歯肉の確保、軟組織厚みの増大、血餅安定性の向上のために行った遊離歯肉移植術、結合組織移植術の術式を動画で学ぶことができます。

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