他職種連携を行った包括的な歯周治療から、管理栄養士や歯科衛生士と協働した歯周基本治療、矯正医と連携した歯肉退縮へのアプローチなど、実践的な知識と技術をご共有いただきました。貴重な学びをお見逃しなく!
【講師抄録】
安藤壮吾先生講演「歯周治療のチームビルドアップ: 他職種連携による包括的歯周病治療の革新と実践」
歯周病は、口腔内だけではなく全身の健康にも影響を与える慢性的な疾患である。本講演では従来の歯科治療の枠を超えて、体重や血糖値といった全身の健康リスクを評価し、炎症を示すマーカーであるC反応性タンパク質(CRP)の測定を取り入れた包括的なアプローチを試み、さらに歯周外科と補綴治療を施し、栄養指導による健康指導を組み合わせることで、患者の歯周病を長期にわたって安定させるとともに、全体的な健康状態の向上を成し遂げることができた。この多角的な治療法は、歯周病の管理だけでなく、患者の生活の質の向上にも寄与すると考える。
白石大祐先生講演「歯周治療のチームビルドアップ: 重度歯周炎治療から「生きる」を考える 」
歯周病学の病因論が生態学的均衡プラーク仮説からディスバイオシスやキーストーン病原体仮説へと変遷する現在、病原性細菌や宿主要因、生活習慣要因が複雑に絡み合い歯周病の重篤度が表現されることがわかってきている。さらに、歯周炎をコントロールするという観点からは、プラークコントロールのみならず食生活や生活習慣が炎症のコントロールに重要な役割を果たしていることは明らかであり、我々デンタルスタッフが介入しなければいけないシーンは多岐にわたる。今回は重度歯周炎が原因で咀嚼が困難になったケースを例にし、細菌、免疫のコントロールから咀嚼の改善、そして「食」の改善の大切さと新しいインターディシプリナリーのカタチを提案したい
松浦貴斗先生講演「歯周治療のチームビルドアップ: 歯科衛生士と共に歯の保存に挑む」
歯周治療は国によってそのコンセプトが異なり、当院ではエビデンスに基づいた患者主体の治療を行うべくスカンジナビアンアプローチの実践に取り組んでいる。歯周治療で最も重要なのは最初の診断であり、歯の保存可否基準を院内の歯科医師、歯科衛生士で厳格に統一しておかなければ、医院レベルで歯の保存に向き合うことはできない。当院では歯周治療計画書を用いて、歯科衛生士と共に、歯周基本治療で留意したい点を患者ごとに明確にし、歯周外科治療が必要な場合はバトンを渡すタイミングを模索するようにしている。
そのような取り組みと、発展を続ける歯周組織再生療法の応用によって、当院でも保存が可能と診断できる歯が増えてきた。
今回は保存困難歯を残すことができたケースを例に当院での歯科衛生士連携の実際を伝えていく。
相宮秀俊先生講演「歯周治療のチームビルドアップ: 歯肉退縮に対する矯正医とGPの連携治療の実際」
患者の全顎的な歯列咬合に関する問題を解決する際、歯科医院内での連携が極めて重要です。歯科衛生士との連携はもちろんのこと、矯正医とも連携することが肝要です。まず、患者の歯周治療における状況を正確に評価し、それに基づいて検査、診断、治療計画を策定することが必要です。
特に、歯の位置、フェノタイプ、歯科衛生士によるブラッシングの圧力管理に加えて、矯正治療前後における歯肉退縮のリスクを予測し、適切に対処することが非常に重要です。このような対応を怠ると、思わぬトラブルが生じる可能性があります。
近年、矯正治療を受ける患者が増加しています。このセミナーでは、具体的な臨床症例を通じて、歯肉退縮に対するチームアプローチについて考えていきます。歯科医院の連携と専門知識を組み合わせ、ワンランク上の歯周治療を提供しましょう
【講師】
安藤壮吾先生(なみき通り歯科・矯正歯科 院長)
白石大祐先生(白石歯科クリニック 院長)
松浦貴斗先生(松浦歯科 矯正歯科 院長)
相宮秀俊先生(吹上みなみ歯科 院長)
※本セミナーは2023年〜2024年に開催されました「Doctorbook ペリオコングレス」のアーカイブです。
エピソード
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歯周疾患は多因子要因で罹患している事が多く、口腔内のみならず全身管理が必須のため、多職種と連携する必要がある。歯科医療従事者のみならず、医科とも連携するチーム医療を症例を交えて紹介します。再生する
再生時間 25:45
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長年放置していた重度歯周炎、多数歯う蝕を、歯周外科治療をせず歯周基本治療・歯周抗菌療法・食事指導等、多角的な視点から施術。これからの歯科に必要な全身管理を解説します。再生する
再生時間 25:23
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歯周治療は衛生士の協力が重要です。院内で治療計画などが共有できているでしょうか。本動画は症例を通して、院内連携の方法や有効性について具体的に示されています。明日からの診療にぜひ取り入れてみましょう。再生する
再生時間 35:33
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矯正治療中も歯周病の治療は必要です。特に歯肉退縮には注意が必要で、合併することがあります。これらの問題をどのように対応すればよのか、そんな疑問を解決でき、矯正医との連携の必要性がわかる1本です。再生する
再生時間 31:48
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歯周病治療のチームビルディングは大切です。しかし、困難な場合も多いです。講師の先生方はどこに目をつけて、どのように対応しているのでしょうか。歯周治療のチーム医療の疑問に答えます。再生する
再生時間 21:34
レビュー
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