鷲野先生のコメントより
“コストのことを知ることはとても大切で、無駄遣いをする必要はないので、この動画を観て頂き、節約できるところを見直して頂くことは重要だと思います。ただ、必要な処置とコストを削減しすぎると、再治療で患者様の負担になったり、時間のロスになる場合があります。コスト意識は重要ですが、「たったこれくらいのコストなんだったら、ケチる必要ない。正しいことを正しく行おう」というマインドをこの動画視聴後に持って頂けると本望です。”

本動画では、コンポジットレジン修復で治療する過程を、エビデンス・テクニック・コスト面から詳しく解説します。

１，防湿について 
口腔内は唾液で湿潤しており、高湿度で接着には適していない環境なので、防湿が必要になります。ラバーダム防湿をした場合と簡易防湿をした場合で接着強度を比較してみると、その結果は明らかです。
コスト面や使用感はラバーダムシートの価格比較をご参照ください。

２，マトリックスについて
Ⅱ級窩洞の修復では、形成時に隣接歯を保護したり、充填時の形態保持のためにマトリックスを使用しますが、価格やマトリックスの形状を参考に、それぞれの用途に応じてマトリックスを選択すると良いでしょう。

３，リン酸エッチング処理について
リン酸エッチング処理によって、エナメル質の表面を粗雑にし、接着強度を増強します。しかし、象牙質をエッチング処理してしまうと、象牙質の変性が起こり、接着強度が弱くなってしまうため、エナメル質に限局してリン酸エッチング処理をすると良いでしょう。扱いやすいシリンジタイプのエッチング材を紹介します。 

４，接着材塗布について
接着材使用のコツは、歯質にたっぷり塗り込んで、しっかりとエアブローして作用させることが重要です。特にワンステップの接着材は、エッチングに必要な水分をしっかり飛ばし、接着を阻害しないためにエアブローは必須です。それぞれの接着材のメーカーの指示に従い、確実な接着処理をしましょう。
マイクロブラシはお好みのもので良いのですが、ブラシ1本単位の価格も確認してみると良いと思います。

５，CR充填について
CR充填に際しては、まずはフロアブルレジンを用いて接着界面にギャップができないように窩底を平坦化します。また、2級窩洞充填において最も重要なのは、隣接面形態に自然なコンタクトポイントを再現することです。鷲野先生は、セパレーターを用いて隣在歯と離解させ、細いニードルチップでフロアブルレジンを流す方法を紹介されています。
隣接面が完成したら、ペーストタイプのレジンを用いて咬合面を充填します。細かい隆線の微調整は、フロアブルレジンを用いて整えます。

６，咬合調整・研磨について
充填後は、咬合調整とコンタクトの確認が必要です。咬合紙やフロスは使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
研磨用のバーも種々出ていますが、鷲野先生がおすすめされているものを紹介されていますのでご覧下さい。

７，局所麻酔について
最後に、局所麻酔についてのお話です。患者様にとって負担が少なくなるよう、表面麻酔を使用し、細い注射針を使用することや、電動麻酔を使用することが推奨されています。
鷲野先生がおすすめされている器材についても紹介されていますので、検討されてはいかがでしょうか。

自費のCRを導入したいけれども、材料やコスト面で比較検討されている先生にはピッタリの内容です。
せひご視聴ください。

＊本動画は2022年12月11日にLIVE配信された『CRコングレス in Doctorbook academy　コンポジットレジン修復・接着の真価を再考する』の講演内容です。