歯周病患者に対する補綴治療について|炎症と力のコントロールを考慮した予知性の高い咬合機能回復治療 #1
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埼玉県深谷市でご開業の神山剛史先生より、ご講演をいただきました。
まずは、第42回日本顎咬合学会学術大会総会のご案内をいただきます。
第42回日本顎咬合学会学術大会総会は2024年6月8日(土)と6月9日(日)に、東京国際フォーラムにて「踏襲から発展」というテーマで開催されます。
今回の講師である神山剛史先生は会場参加型のパネルディスカッションプログラムにパネリストとしてご登壇されます。まだ参加可能ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
今回は、「炎症と力のコントロールを考慮した予知性の高い咬合機能回復治療」というテーマで発表いただきました。
トピックスは、
・歯周病患者に対する補綴治療について
・治療計画を立てる際の考慮すべきポイント
・診査診断、治療結果計画から予知性の高い補綴治療の実際について
以上の三本立てとなります。
最初に歯周病患者に対する補綴治療についてお話しいただきました。
歯周組織には「七つの問題点」が存在します。深い歯周ポケット、骨の形態異常、根分岐部病変、歯肉歯槽粘膜の問題、歯肉縁下カリエス、歯牙の位置異常、歯槽堤の形態異常です。この七つの問題点を解決するために、歯周治療を行い、その後補綴治療を進めることが重要です。
歯周治療の標準的な進め方として、歯周外科治療の後に補綴治療や口腔機能回復治療が行われます。矯正治療、インプラント治療、補綴治療が含まれ、それぞれの選択肢を考慮しながら進めていきます。歯周基本治療の後、口腔機能回復のための補綴治療が必要となる場合、固定も重要となります。また、クラウンブリッジ、義歯、インプラントなどを設計する際には、咬合性外傷や細菌性プラークの蓄積を避けるように設計することが求められます。
歯周病患者の口腔機能回復治療における細菌感染と咬合力の配慮についても触れられております。細菌性プラークを除去しやすくするための設計と、咬合力のコントロールが重要です。
咬合性外傷については、一次性と二次性があり、特に二次性咬合性外傷が問題となります。臨床的な徴候や症状、X線写真上の兆候についても解説し、炎症と力のコントロールの重要性を強調します。
具体的なケースとして、42歳女性の患者さんのケースをご解説いただきます。
「左下を咬むと痛い」を主訴として来院されました。
左下の歯周組織の破壊が進行していたため、炎症と力のコントロールを行い、治療後には歯槽硬線が明瞭化し、安定した状態を確認できました。
このように、歯周基本治療とその後の管理が非常に重要であることを示されております。
また、45歳男性のケースも紹介いただきました。
本症例では、左上の歯周組織再生療法を行い、欠損部分にはインプラント治療を施し、咬合平面の是正を行いました。
これにより、炎症と力のコントロールがしっかりと行えたことが示されました。
最後に、歯周病患者に対する補綴治療のまとめとして、安定した咬頭嵌合位やデンタル上での歯槽硬線の明瞭化、清掃性の重要性を強調し、炎症と力のコントロールが補綴治療の成功の鍵であることを再確認されております。
続きまして、#2では、次なるトピックである
・治療計画を立てる際の考慮すべきポイント
・診査診断、治療結果計画から予知性の高い補綴治療の実際について
をご解説いただきます。圧巻の症例解説をぜひ最後までご視聴ください。
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