Doctorbook academy

    • 00:12 〜 概要
    • 01:29 〜 ブリッジ除去
    • 01:48 〜 根管治療開始
    • 03:22 〜 根管治療予後
    • 04:29 〜 まとめ
  • 症例は54歳女性、上顎左側第三大臼歯、ブリッジ支台歯の再根管治療です。
     
    左上第一大臼歯及び第二大臼歯欠損、左上第一小臼歯から第三大臼歯、5歯にわたるブリッジの支台歯となる歯が患歯です。
    患歯は根管治療済でしたが、口蓋側に瘻孔があり、CTにて口蓋根周囲に骨欠損が認められます。
     
    ブリッジを除去してみると、二次う蝕で歯質がなく、歯肉が被って歯根が見えない状態で、
    電気メスで被覆歯肉を切除する必要がありました。
    フェルール(=歯冠補綴のフィニッシュラインから健康な支台歯残存歯質を抱え込む部分)がほとんどなく、髄床底も薄くなってしまい、根管治療を終えても歯を残せるかが怪しい状況です。
    ラバーダムは周囲歯肉にかけてやっと出来る様な、かなり条件の悪い歯でした。
    厳しい条件の歯にラバーダムしている様子は、動画でご覧下さい。
     
    フェルールがない歯は原則抜歯がスタンダードですが、患歯を抜歯してしまうと、左上第一大臼歯、第二大臼歯の欠損補綴が難しくなってしまうため、患者様の強い希望もあり、根管治療を開始しました。
     
    患者様に予後不良をお伝えしつつ、通法通り根管治療を行い、瘻孔が消えた事を確認、根管充塡後、支台築造をして紹介先に戻し、補綴してもらいました。
     
    その後、いつダメになるか心配しながら、10年経過しました。
    かなり状態が悪い患歯でしたが、10年残せたのなら、責任は果たせたのではないでしょうか。
     
    考察では、10年後の最終補綴の写真を見ることが出来ますが、患歯のプラークコントロールが悪いものの、良好な予後であると言えるでしょう。
     
    フェルールがない歯の治療は、まず根管治療のためのラバーダムが大変ですが、この動画を見ると、条件が悪くてもトライしてみようと思えます。
    ぜひご視聴ください。

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