欠損補綴の考え方〜加圧と受圧のバランスとテレスコープデンチャー〜
-
臨床経験を積んだ先生方でも義歯の加圧と受圧に苦労する時が多いのではないでしょうか?
このような難症例にどのように対応すればいいのでしょうか。
症例は、62歳女性で入れ歯が合わず噛めないことを主訴に来院されました。
口腔内を一見すると強固な把持が得られた義歯が入っていると思われます。
しかし、1週間後にはクラスプの破折など様々な問題が浮き彫りになります。
これこそが、加圧と除圧のバランスが崩れていることを意味しています。
今回の症例の特徴は、上顎が全体的に吸収していることと下顎右側の大きな顎堤の欠損が挙げられます。
欠損補綴を考えるときにはやはりヒストリーを考えることが重要です。
それによって、患者様の病態を正確に把握することができます。
適切な補綴設計には欠かせないことです。
さらに治療方針を決定するには患者様の背景、意見を尊重する必要があります。
今回の症例では、患者様の希望もあり、PDでの対応を行いました。
歯は歯冠歯根比が悪くなれば、予後が悪くなります。
その一つの解決策がテレスコープデンチャーです。
テレスコープならではの適応、特徴があります。
現状作成できる技工士が減少傾向にありますが、有効な手段となる場合があるので知っていて損はありません。
今回の症例でも上顎のテレスコープを使って、治療を行い、良好な咬合状態を得ることができました。
欠損補綴では一口腔単位で補綴を考えることが重要です。
それに合わせて、もしもの時の次の一手を考えることは今後の歯科医師人生に大きなアドバンテーが得られます。
若手の先生方は、この考えをルーティンにすることでより良い医療を提供するように心がけましょう。
Doctorbook academy
本サイトは、歯科医療に従事されている皆さまを対象に情報提供するサイトです。
あなたは歯科医療従事者ですか?
※一般の方は患者向けサイトDoctorbook をご覧ください
Facebook ログインの確認
Doctorbook academy は Facebook ログインをサポートします。
Facebook アカウントより必要な情報を取得します。
許可する場合、YES を押して Facebook 連携に進んでください。
誤って Facebook ログインを選んだ場合は NO を押してください。