理学療法における子どもの姿勢が悪い原因を考える 〜ORT矯正における他職種連携〜
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小児矯正と姿勢の関係について、なぜ今、医科歯科連携が注目されているのでしょうか。
今回は、ORT矯正の第一人者である井上敬介先生と、理学療法士の古泉貴章先生、龍田佑樹先生をお迎えし、両分野の専門家による対談型セミナーをお届けします。
歯科の中でも、特に口腔機能発達不全症、顎関節症などのお話を進めていきます。
【理学療法士×歯科医師の他職種連携をするための共通言語となる「姿勢」とは?】
理学療法士の仕事内容は、簡単に言うと運動機能の専門家です。
歯科の小児矯正でいう「姿勢」は、立位でのフランクフルト平面の位置関係など、静的な姿勢(=ポスチャー)を基準にしています。
理学療法の定義では、止まっている静的姿勢と歩いたり飛んだりする動的な姿勢を合わせて「アライメント=姿勢」と言います。
人によって正しい姿勢が違い、運動機能の欠落を補う姿勢を取ることを目指しています。
姿勢と歯並びは、連携して悪くなる傾向があります。
【ORT矯正とは?】
次にORT(=Oral Root Therapy)矯正の流れを見ていきましょう。
歯並びが悪い子どもの多くは、低位舌、お口ぽかん、嚥下障害、口呼吸が主な原因で顎の成長不良、いわゆる口腔機能発達不全症を発症しています。これに対しては主にMFTで治療します。
そうした口腔機能的な問題を根本的に取り除くのがORT矯正です。
しかし、もっと根本の要因には、舌小帯短縮症や上唇小帯短縮症、アレルギー性鼻炎、食生活や習慣等の環境要因、遺伝的な要因も考えられます。
歯科の観点では、頭蓋顔面発達不全による気道狭窄、そこから姿勢の悪化に繋がると考えています。
気道狭窄により、姿勢の悪化・睡眠障害・発達障害・摂食嚥下障害・発音障害・顎関節症等、様々な障害が起きます。
【理学療法士目線からみる「姿勢」】
さて、理学療法士目線では姿勢の悪さを見るよりも先に、身体の可動域が上手く機能していない=運動器機能不全症がないかを診ています。
例えば、気道閉塞がなくても上手く呼吸が出来ていない、やり方を知らない患者様は環境要因を疑います。
歯科では下行性(頭部から下への影響)に注目する一方、理学療法では上行性(下肢から上への影響)に着目し、それぞれの原因に対しての対策が必要です。
顎関節症についても、様々な要因があるので、上行性・下行性を見極めてアプローチしていくことが大切です。
【まとめ】
理学療法士の業務内容や他職種連携に対する思いなど、普段は聞けない貴重な情報を、井上先生との対談の中で知ることができる貴重なセミナーです。
上行性・下行性両方が原因の疾病は多々あります。
理学療法士と歯科の連携は始まったばかりですが、お互いにフォローし合えるように、知識を高めていきましょう。【出演】
古泉貴章先生(理学療法士 顎関節ケアセンター 院長)
龍田佑樹先生(理学療法士 株式会社つなつく 代表)
井上 敬介先生(医療法人真稜会 I Dental Clinic 理事長)
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