今すぐ出来る!CAD/CAM導入でオンリーワンクリニックへの道:前編
はじめに
平成26年4月の診療報酬改定で、小臼歯部におけるCAD/CAM冠が保険導入されました。
それにより、デジタルデンティストリーへの注目は高まってきている一方で、導入する医院は限られているのが現状です。
今回は、CAD/CAMシステムの導入へご興味のある先生向けに、ぜひ知っておきたい情報をまとめました!
必要な製品について
CAD/CAM冠の治療を始めるにあたり必要なのは、どの製品を揃えるかという点です。
下記の図をご覧ください。
通常、まず光学スキャナーで口腔内情報のスキャンを行います。
その後、そのデータをCADソフトによってデザインを行い、CAMソフトによって制御されたミリングマシンで削り出しを行うというのが、基本的な流れです。
近年では、CTのデジタル画像をCAD/CAMと連携させ、インプラントのサージカルガイドを制作したり、CAD/CAMによって削り出したジルコニアクラウンをシンタリングファーネスにより焼結させたりと、デジタルデンティストリーの世界はより広がってきています。
オープンシステムとクローズドシステム
ここで押さえておきたいキーワードが、「オープンシステム」と「クローズドシステム」という単語です。
「オープンシステム」とは光学スキャナ、CAD、ミリングマシンなど、CAD/CAMシステムを構築する各機器を、ユーザーが任意に組み合わせて使用できるシステムです。
オープンシステムの反意語が「クローズドシステム」で、全ての機器が一つのメーカーによって供給され、他社製品とは互換性が無いシステムとなります。
オープンシステムのメリットは、何と言っても自由度の高さです。
ユーザーが自由に機器を組み合せることが可能なので、例えばミリングマシンを別メーカーの物に買い替えたり、契約している技工所を変更したりしても、今まで使用してきたデータは引き続き使用することが出来ます。
一方で、どの機器を使うかという選択はユーザーに委ねられているため、カスタマイズには一定のリテラシーが求められます。
クローズドシステムは、各機種が1つのメーカーで完結しているため、自由度に関しては限られる部分もありますが、操作が簡便であったり、メーカーのサポートが受けられたりします。
まとめ
1.CAD/CAMシステムを導入するために、まず必要なのは「口腔内スキャナー」「CADソフト」「ミリングマシン」の3点セット。
2.CAD/CAMシステムにはオープンシステムとクローズドシステムの二種類がある。
3.オープンシステムは自由度の高さが魅力である一方、クローズドシステムは操作の簡便性やメーカーのサポートが充実している点がメリットである。
後編では、CAD/CAMを導入することにより、歯科医院にどのようなメリットがあるのかという点についてご説明させていだきます。