【DVD紹介】青島徹児先生の「Aging Stageに合わせたDirect RestorationにおけるLayering Technique」
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▼内容の一部をご紹介します!
歯のAging
歯はどのようにAgingしていくのでしょうか。
上の写真のように、Aging Stageは「Junior Stage」「Young Stage」「Adult Stage」「Senior Stage」とおおまかに分けることができます。
歯が萌出したばかりの「Junior Stage」では、エナメル小柱の間隙が大きく、なおかつ未石灰化なので透光性が小さいです。
そうすると光が乱反射して白っぽく、例えるならば「チョーク状」に見えます。
その後、Agingしていくにつれて唾液や食物中のミネラルが徐々に歯に浸透していくことにより石灰化が強くなっていきます。
そうすると光の屈折率が小さくなり、歯に透明感が出てきます。
さらに、色素も入っていくことにより歯の色が濃くなっていきます。
また、Agingとともに咬耗や摩耗が進むため、歯の表面性状も粗さがなくなり滑沢になっていきます。
Mamelon(切縁結節)の表現も若年者では必要なことが多いですが、Agingが進むにつれ再現する必要がなくなってくることがわかります。
ヒトの色の認識の仕方
ヒトはどのように色を認識するのでしょうか。
色を認識する視細胞には大きく分けて2種類あります。
「錐体細胞」と「桿体細胞」です。
「錐体細胞」は色(赤、青、緑のいわゆる光の三原色)を識別することができます。
「桿体細胞」は明暗のセンサーです。
その比率はどうなっているのでしょうか。
実は「桿体細胞」の方が、「錐体細胞」より20倍も多いのです。
つまり、ヒトは「明度」を判断するのに長けているということになります。
このことから、コンポジットレジン修復の際は明度に最も注意する必要があると青島先生は述べられました。
12歳ClassⅣ症例
症例を見ていきましょう。
12歳の男児のClassⅣ症例です。
Aging stageでいうと「Junior stage」ですね。
これは、ボタンテクニックでシェードテイキングをしているところです。
偏光フィルターで不要な光の反射を除去し、白黒反転させると正確なシェードがわかりやすいとのことでした。
ワックスアップ後、シリコンガイドを作製します。
ラバーダム防湿後、染色してエリスリトールパウダーでプラークを除去します。
歯間離開を行い、隣接部も含めベベル形成を行います。
ベベル形成のポイントとして、エナメル象牙境がベベル形成面に含まれるように形成することを挙げられました。
これは充填の際に、エナメルシェードのレジンとデンティンシェードのレジンのレイヤリングの境界をエナメル象牙境に合わせて行う必要があり、それをしやすくするためです。
また、周波条(Perikymata)に合わせたラインにベベル形成を行うことも重要とのことでした。
周波条に合わせた充填を行うことにより、多少のシェードのズレがあったとしても違和感が少なく自然に見えやすくなります。
接着処理後、シリコンガイドを用いてBack wallを作ります。
Back wallができたら隣接面へと進みます。
ここまでで、絵を描くことで例えれば「Canvas」の出来上がりです。
MamelonとHalo effectを意識したレイヤリングを行います。
Halo effectとは、光の屈折率の違いによってエナメル質の切端の縁の部分が一層だけ白く見える現象です。
再現が必要な場合は、切縁の部分にデンティンシェードの少し不透明なものを使うと良いとのことでした。
天然歯の白濁を再現させるために、白のティントをまだらにつけます。
エナメルシェードのレジンまで充填したところです。
術中は、乾燥により歯の色はどんどん明るく見えてきます。
そのため術中に色をあわせることは絶対にしないようにとのことでした。
惑わされずに術前に決めたシェード通りに進めましょう。
今度は形態修正です。
形態修正の際には、咬合紙を歯に圧接し滑らせます。
そうすることにより、細かな歯の形態や表面性状が見えやすくなり、レジンと歯との境界もわかりやすくなります。
ミディアムファインのバーを使うことにより、歯の表面性状を再現しながら形態修正ができます。
ダイヤモンドペースト、アルミナペーストで研磨をしていきます。
これが術後です。
天然歯と見分けがつかないような仕上がりになっています。
さすが青島先生ですね。
おわりに
今回のDVDには、青島先生の症例が数多く盛り込まれています。
それぞれの症例のテクニカルなポイントが細かく解説されています。
おすすめのレジンシステムや、ご自身がプロデュースされたインスツルメントのご紹介もあり、見どころの多い内容となっています。
是非ご覧ください。