【人気動画】歯周治療におけるメインテナンスの極意とエアーポリッシングのススメ
今回の動画では、日本歯科大学 生命歯学部歯周病学講座 准教授 関野愉先生が、歯周治療におけるメインテナンスの重要性やエアーポリッシングの有効性についてわかりやすく解説しています。
メインテナンスを今一度見直したい方や、エアーポリッシングの有効性について確認してみたい方はぜひ一度動画をご覧になってみてください。
論文や研究結果を用いて、誰にでもわかりやすく解説していますので、歯周病におけるメインテナンスの意義や目的を改めて再確認でき、日々の歯周治療に役立つこと間違いなしです!
第1章 SPTの効果
◆歯周治療におけるメインテナンスの効果
1975年にNymanらによって発表された論文によると、下記に示した実験群と対照群の2つのグループを2年間比較し続けた結果、アタッチメントレベルの変化にこのような結果が現れました。
△実験群:歯周外科手術後、2週間に一度PTCと口腔衛生指導
▲対照群:歯周外科手術後、半年に一回SCのみ
△実験群ではアタッチメントゲインが6ヶ月後では0.3mm,、さらにその半年後にも維持されていて、その1年後にも維持されているという結果が出ています。
しかし▲対照群では、歯周外科手術を行なったにも関わらず、アタッチメントロスが進行し、2年後には、2.2mmのアタッチメントロスが起こっています。
つまり、歯周外科手術を行なったとしても、PTCや口腔指導などのメインテナンスを継続して行なっていかないと、予後へ悪影響を与えてしまうということです。
さらに1978年にAxelssonとLindheによって発表された、類似した論文をを紹介します。
△実験群:PMTCを含む口腔衛生プログラムを6年間続けた
▲対照群:チェックアップと対症療法のみを6年間続けた
これらに2つのグループの6年間のアタッチメントレベルを比較した結果、このような結果が現れました。
△実験群では、どの年齢層においてもアタッチメントレベルが維持されていて、悪化は見られませんでした。
一方▲対照群では、35歳未満で0.7mm近いアタッチメントロス、35歳〜50歳では、1.5mm近いアタッチメントロス、50歳以上では、1.5mm以上のアタッチメントロスが起こりました。
さらにその後、この研究は30年間続きました。その結果、歯周病の悪化や歯周病による歯の喪失はメインテナンスによって最小限に抑えられるという結果がでています。
つまり歯周治療の結果を維持するため、歯周病の予後を良好に保ち続けるためには、メインテナンスがとても重要な役割を果たすのです。
◆メインテナンスの手順
①問診:前回のメインテナンスから変わりはないかなどお聞きします
②診査:プロービング(毎回全額の測定をする必要はなくリスクの高いのとのみでOK)
③動機付け+口腔衛生指導:メインテナンスでも一番重要な項目です
④X線写真撮影:特に問題がなければ2年に一度程度
⑤インスツルメーション:4mm以上のポケット対象に行います
⑥歯面研磨:全体をポリッシングします
⑦フッ化物塗布:カリエス予防
⑧次回の来院予約
【①〜⑦までに要する時間(合計1時間でのメインテナンスの場合)】
①問診+②検査:10分〜15分程度
③動機付け+口腔衛生指導+④X線写真撮影+⑤インスツルメンテーション:30分以上
再感染部分の治療(再感染部位が見られた場合のみ行います。当日は説明のみにして、改めて再感染部の治療を行うことが望ましいです。)
⑥歯面研磨+⑦フッ化物塗布:10分程度
【PMTCの効果】
●歯面をプラークフリーの状態にできる
●プラークの形成速度を24時間〜30時間ほど遅らせることができる
●PMTC後、歯肉溝滲出液が元に戻るまで1週間ほどかかる
しかしながら、ブラッシングが3日〜4日あいてしまうと歯肉の健康状態が維持できなくなったり、SRP後口腔衛生指導が行われない場合、6〜8週間でポケット内の細菌叢が後戻りしたりしてしまうという結果から…
結果、一番重要なのは…
【PMTCの意義とは?】
●爽快感による動機付けの維持をすること(PMTCを行う中で一番大きな意義といえます!)
●口腔衛生の補助
●フッ化物塗布
第2章 エアーポリッシングの実際
第2章では、実際のエアーポリッシングに使用する機材の説明や機材の使用方法を動画を用いてわかりやすく解説しています。
口腔内での使用方法やエアーポリッシングを使用する際の注意なども丁寧に解説されていますのでぜひ一度ご覧になってみてください。
最後に…
今回は、日本歯科大学 生命歯学部歯周病学講座 准教授 関野愉先生の動画、「メインテナンス(サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー)とエアーポリッシングによる歯面清掃の実際」より、「メインテナンスの極意とエアーポリッシングのススメ〜エアーポリッシングの有効性〜」を解説させていただきました。
PMTCの重要性や、エアーポリッシングについて改めて見直すきっかけになってくだされば幸いです。
動画ではより詳しく、わかりやすく解説していますのでぜひ一度ご覧になってみてください。最後までご一読いただきありがとうございました。
日本歯科大学 生命歯学部歯周病学講座 准教授 関野愉先生の動画、「メインテナンス(サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー)とエアーポリッシングによる歯面清掃の実際」