2018年09月25日(火)

第48回口腔インプラント学会学術大会参加レポート

2018年9/14-16にグランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)にて第48回日本口腔インプラント学会・学術大会が開催されました。

第48回口腔インプラント学会学術大会参加レポート

口腔インプラント学会は世界の口腔インプラント学の目覚しい発展状況に鑑み、我が国の口腔インプラント学の振興・向上を推進する必要性や、歯科医療界へ予知性、安全性の高いインプラント治療技術を導入すべきことが急務となってきました。そこで1986年、「日本歯科インプラント学会」と「日本デンタルインプラント研究学会」を合併し、我が国の口腔インプラント学のより大きな飛躍と円滑な発展を図ることを目的としています。

 

今回はメインテーマに「インプラント治療が拓く未来」サブテーマに「超高齢社会に対する責任」をかかげて、超高齢社会のなかでインプラント治療が国民の信頼を得られる存在について検証する会としています。
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 プログラムについては、特別講演、基調講演、教育講演、各種委員会主導のシンポジウム、国際セッション、各種ワークショップ、関連学会シンポジウム、各種セミナー、専門医教育講座、専門歯科衛生士教育講座、専門歯科技工士教育講座、ランチョンセミナー、市民公開講座等々数多く準備されており、その一部を本記事にて紹介いたします。

 

「インプラント治療時の患者年齢と補綴方法を考察する」

シンポジウム1は座長に武田 孝之 先生(東京歯科大学口腔インプラント学講座)と関根 秀志 先生(奥羽大学歯学部歯科補綴学講座口腔インプラント学)を迎えて、「インプラント治療時の患者年齢と補綴方法を考察する」というテーマでシンポジウムを行いました。


演者として、

椎貝 達夫 先生(東京歯科大学口腔インプラント学講座)

黒嶋 伸一郎 先生(長崎大学生命医科学域口腔インプラント学分野)

菊谷 武 先生(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック)

の3名がご登壇されました。


このシンポジウムのポイントとしては「インプラントを過信してはいけない」という点でお話しされ、暦年齢70~75歳からはフレイルや認知機能の低下の発症が始まることが考えられ、外来での診療・通院が困難な状態への変化と準備をしっかり行っていかなければいけないとおっしゃられていました。

今だけを考えるのではなく、「終の歯科対応」の必要性をすべての歯科医師が意識しながら診療を行って行かなければいけないと考えさせられるシンポジウムでした。

 

「超高齢社会への責任,患者に寄り添う歯科治療を目指して」

企画講演1日本老年歯科医学会と共催していきまして、座長に古谷野 潔 先生( 九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座インプラント・義歯補綴学分野)と奥田 謙一 先生(大阪口腔インプラント研究会)を迎えて、「超高齢社会への責任,患者に寄り添う歯科治療を目指して」というテーマでおこなっていきました。


演者として

阿部 伸一 先生(東京歯科大学解剖学講座)

糸田 昌隆 先生(大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科)

池邉 一典 先生(大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座有床義歯補綴学・高齢者歯科学分野)

の3名がご登壇されました。

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阿部先生からは「インプラント装着後に身体に現れる変化のチェックポイント」として解剖学の視点から姿勢を維持する筋肉や舌骨や食道の変化や歯が抜けたときの顎骨の変化や下顎頭の形態変化についてお話しされました。

 

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次に糸田先生からは「医療介護現場における歯科インプラント治療の光と影」としてリハビリテーション科からの視点でお話しされました。

人生最後半での高齢者の生活イメージを具体化し、いかに生活機能を落とさない様に栄養摂取と運動と代謝をしっかりとさせていくのかという高齢者の介護の問題と介護現場からのインプラント埋入の問題点や誰がどの時点でどの様にメンテナンスするのか?医療介護者にインプラントの状況を情報を伝えるのか?というインプラントに関わる問題点を投げかけるお話しがされました。

 

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最後に池邉先生から「超高齢化社会でインプラント治療が目指すもの」として加齢と疾患と咀嚼の問題を補綴学の視点でお話しされました。

インプラントが感染源になった時に撤去できなければ医原性の感染ではないか?というご指摘やインプラント喪失リスクである加齢による糖尿病と骨粗鬆症のお話し、そして咬合力と咬合支持は歩行機能の低下や認知機能の低下やエネルギー摂取の変化が起こりタンパク質・ビタミン・ミネラルは少なくなり、炭水化物が多くなる傾向があるというお話しをされました。結果的に良い咬合保つことは動脈硬化の予防につながるとお話しをされました。

 

「インプラントと天然歯の調和・長期保存を目指して」

シンポジウム2日本歯周病学会日本臨床歯周病学会と共催していきまして座長に、井汲 憲治 先生(日本インプラント臨床研究会)と小田 茂 先生(東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科総合診療部)を迎えて「インプラントと天然歯の調和・長期保存を目指して」というテーマで行っていきました。


演者として

飯島 俊一 先生(東京歯科大学口腔インプラント科)

二階堂 雅彦 先生(東京都開業,東京医科歯科大学歯周病学分野)

松井 徳雄 先生(関東・甲信越支部)

の3名の先生がご登壇されました。


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まず飯島先生からは「インプラントの長期成功による天然歯の保全」という題目でお話されました。

インプラントの長期成功の為にはインプラント周囲炎の防止する為にインプラント体を細く強くすること、インプラントメカニカルトラブルの防止すること、生体変化の対応を行うことなど具体的に話されました。

上部構造の可変性については口腔内接着法(IAT)や連結精度の面でお話しされ、天然歯の保全については咬合力のインプラントによる負担や歯槽骨の維持について、そしてカリエスの対策・健康管理・全身管理など幅広くお話しいただきました。

 
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次に二階堂先生からは「インプラント治療に必要な天然歯を救う技術」という題目でお話しされました。

歯周病学の観点からまず新しい歯周病の分類(GraidingとStaging)のお話しをされ、歯周病の既往歴とインプラントの生存率の関係を3つ症例を交えてお話しされ、動的歯周治療とSPTをしっかり行うことの重要性についてお話されました。
 
 
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最後に松井先生から「天然歯とインプラントの共存 歯周病学的側面から」という題目でお話しされました。

8020達成者50%を超えるている中で45歳以上の50%が4mm以上の歯周ポケットを持っているという現状から、天然歯とインプラントが共に良好な状態にするためには浅い歯肉溝・生理的な骨形態・適切な付着歯肉の3つが大切であるとお話しされました。

その他にもインプラント周囲の角化歯肉の必要性やインプラント周囲の骨量や角化歯肉獲得や隣在歯の骨の高さなど重要な点をお話しされました。

 

企業展示ブース

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多くのメーカーが大きなブースを出展し、モニターや実際の機器を持ち込み、情報を発信していました。



賑わいをみせる各種ブース
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