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オーラルケア・フォーラム2016~馬場 一美教授インタビュー~

2016年10月18日(火)

先生にとって「患者QOLを追求した歯科医療」とは何ですか?


「QOL」っていうのは、要するに「困りごと」です。
患者さんがどの程度の困りごとを抱えてるかっていうのが医学的にQOLを図る尺度なんです。


 


つまり、患者さんが困るような口腔内の問題が多いと、QOLが低いということになります。QOLを向上するというのは、患者さんが困らないような口腔内を維持してあげるということだと思いますね。


 


補綴領域の話でいえば、困りごととしては歯が無くなるってことです。そうなるとまず見た目が悪くなる。それに機能不全が起こる。場合によっては痛みが起こる。


これは歯科における3つの大きな問題なんですけども、口腔内にこうした問題が起こると、患者さん困るわけです。


 


特に僕達が対象にしている患者さんはお年寄りなので、いろんな行動の制限を受けています。そんな中で、食生活とか、人とのコミュニケーションっていうのはとても大切です。


 


だから、歯の欠損による困りごとの度合い、QOLの低下っていうのは非常に大きなものなんです。


それを解決してあげたいっていうのが僕達補綴医の一つの目標です。


 


ご講演の内容を少し教えてください!


歯を失う原因としては、細菌感染、う蝕とか歯周病とか、そういうのが主に捉えられていて、「力」というのはあまり意識されてないんですね。それは「力」というものが目に見えないからです。


ただ、やはり歯を磨いたりしていても、そういったことで全ての症例が解決出来るわけではないことを、経験上歯科医は分かっています。


 


そこで、最近「力」がクローズアップされています。


 


具体的にいうと、機能運動時の力だけでなく、非機能的な運動「ブラキシズム」が注目されています。ブラキシズムは日中のブラキシズムと睡眠時ブラキシズムに分けられます。


 


日中のブラキシズムに関しては、昔はデイタイムクレンチングというって強いくいしばりだけが注目されていましたが、最近は「TCH」という弱い食いしばりが注目されています。この治療方法としては、認知行動療法という定形の方法があります。


 


睡眠時のブラキシズムに関しては、睡眠が浅くなるときに起こるので、睡眠のクオリティを上げることで消える可能性が高いです。それでも駄目ならマウスピースが必要になります。


 


力のコントロールを確実にすれば、歯を失う可能性も低くなってきますし、セラミック製の歯が長持ちするということにもなります。


 


参加予定の先生方へ一言お願いします!


「力」の問題は、見えないということもあり、測ることがとても難しいです。当日はできるだけエビデンスと臨床兆候に基づいた「力」の診断方法についてお話しますので、ご興味ある先生はぜひご参加ください。


 


オーラルケアフォーラム2016とは?


和泉教授をはじめ、豪華講師陣にご登壇頂くオーラルケア・フォーラム2016。


10月31日まで早期割引を実施中です。ぜひこの機会にお申込みください。


 


お申込みはこちら


オーラルケアフォーラム2016


開催概要


日時:2016年12月17日(土) 13時~16時30分
会場:東京医科歯科大学M&Dタワー 2階講堂
講師:


東京医科歯科大学 生体支持組織学講座 歯周病学分野 和泉 雄一 教授
東京歯科大学   口腔顔面外科学講座 柴原 孝彦 教授
昭和大学歯学部  歯科補綴学講座   馬場 一美 教授
日本大学歯学部  保存修復学教室   宮崎 真至 教授
土屋歯科クリニック&works 院長   土屋 賢司 先生


 

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