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インプラント治療の補綴について、原幸弘先生にご登壇いただく本セッションでは、インプラント上部構造の設計に焦点を当てます。
この設計は長期予後を左右する重要な過程であり、埋入時から始まっています。
原先生の「インプラント治療のReal Basic」シリーズ最終回では、2次オペレーションからの留意点やコツを詳しく解説いたします。
2次オペ時の骨の干渉に関して、パンチングのみでの対応は骨の干渉リスクを高めることになります。
インプラント体に骨の干渉があると、アバットメント脱離の原因となるため、きちんとフラップを開いて干渉している骨を削合することが推奨されます。
そのため、剥離して骨のトリミングが行える環境で2次オペを実施することが重要です。
エマージェンスプロファイルについては、天然歯と同じカウンターをインプラントに付与することは避けるべきです。
理想的なクラウンの形態を目指すと骨干渉リスクが上がり、粘膜も薄くなってしまいます。
アバットメントを天然歯に近いカウンターにしようとすると骨に干渉しやすいため、骨に合わせてストレートに立ち上げ、歯肉の上から広げる形が望ましく、これによってプラークの停滞が増えることはありません。
上部構造の大きさと形態については、1歯欠損の場合は頬舌径だけでも可能な限り小さくします。
2歯欠損の場合は頬舌径に加え近遠心的にも小さくする必要があります。
2、3根ある天然歯と異なり、1根のインプラントはジグリングフォース(横揺れ)に強い形態にする必要があるため、連結できる環境であれば連結してジグリングフォースに抵抗する設計とします。
補綴幅径を小さく、2歯以上なら連結して横揺れに抵抗できるように埋入時から設計し、連結は3歯までとし、4歯以上は2ピースに分けて連結します。
中間アバットメントについては、単冠の場合でもインプラントの埋入角度によってはセメント固定が必要となります。
連冠の場合は必ず中間アバットメントを使用します。
セメント固定の場合は仮着セメントで装着します。
中間アバットメントは天然歯で言うとコアに相当し、2ピースのスクリューリテインに比べて、3ピースのセメントリテインの方が、アストラ特有のコニカルシールデザインを活かして、インプラント周囲炎を回避できます。
最後に、ガイド下での規定トルク値での締結について説明します。
上部構造セット時には隣在歯にレストを置くオリエンテーションガイドの使用を推奨します。
規定トルクを遵守し、必ずトルクコントローラで締結することが重要です。
規定トルクを守らないとコンポーネント破折リスクが上昇し、緩みがあると微小動揺して最悪フィクスチャーの破折につながる可能性があります。
最後に原先生から「特別なことをせず、一つ一つの基本の臨床を重ねて、最強のインプラントを目指すことが重要」というメッセージをいただきました。
本講義では、原先生が実際に手掛けたインプラント症例の豊富な臨床写真やレントゲン画像を用いて、理論と実践を結びつけた具体的な解説が展開されます。
初学者にも、今一度基礎を確認したい先生方にも大変わかりやすい内容です。ぜひ動画でご確認ください。
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