世界トップレベルの審美補綴臨床家である山﨑長郎先生と、アライナー矯正治療の先駆者である尾島賢治先生に「矯正治療とのインターディシプリナリー・マネージメント」というテーマでお話していただきました。 アライナー矯正初心者から上級者まで、非常に勉強になる内容となっております。
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【#1 審美補綴治療における矯正治療の重要性 / 山﨑長郎先生】
本動画では山﨑長郎先生に、審美補綴治療における矯正治療の重要性について解説していただきました。
トゥースポジションの乱れや広範囲の欠損を認める症例、顎位が不安定な症例では治療が複雑になるため、補綴医、矯正医、口腔外科医、根管治療医、歯科技工士など各分野の専門家がチームを組んで治療を行う「インターディシプリナリーアプローチ」による治療が必要となります。
全顎的な補綴治療を行い、長期予後を得るためには前方運動における前歯部のガイダンス、側方運動時の犬歯誘導そして臼歯部のディスクルージョンを得ることが望ましいとされています。トゥースポジションが乱れており、補綴治療のみでこのような咬合を与えることができない場合は矯正治療が必要となります。
理想的な機能を与えたことにより長期予後を得た症例を見ていただけると、審美補綴治療における矯正治療の重要性がよくわかると思います。 -
【#2 矯正治療と補綴治療の連携によって機能と審美を達成した症例 / 山﨑長郎先生】
本動画では山﨑長郎先生の長期症例を提示していただきながら、複雑な全顎治療が必要な症例に対して矯正治療と連携し、機能的な咬合を得ることでいかに治療をシンプルに行うことができるかを解説していただきました。
審美歯科治療と聞くと、まず歯の色調や形を考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、山﨑先生は審美歯科治療に最も重要なのはトゥースポジションであると述べられています。
理想的な咬合、機能を得ることができなければ、治療後に一時的に審美を得られてもそれを維持していくことができません。
山﨑先生は歯の位置異常を認めるそれぞれのケースにおいて、挺出や圧下、アップライト矯正、埋伏歯の牽引、叢生の改善等を行って長期予後を得られています。今後視聴者の先生方が治療計画を立案していく上での大きなヒントとなるでしょう。 -
【#3 アライナー矯正治療・インビザラインとは何か / 尾島賢治先生】
本動画では尾島賢治先生に「インビザライン矯正とインターディシプリナリー」というテーマで、アライナー矯正治療、インビザラインとは何か、治療の流れや症例選択について説明していただきました。
先生は日本におけるアライナー矯正治療の第一人者で、トリノ大学矯正歯科の特任教授、インビザラインの公式ファカルティ、クリニカルスピーカーを務められており、現在までに約3000症例のアライナー矯正治療ケースをお持ちです。
患者様にとってアライナー治療はブラケット治療と比較して装置が目立たない、痛みが少ないといったメリットがあるため、年々その需要、認知度は高まっています。しかし、アライナー治療ですべての症例をカバーすることはできないため、診査・診断を行い、適切に症例を選択したうえで治療計画を立案する必要があります。
本動画ではアライナー矯正治療の流れや症例の選択についても、わかりやすく解説していただきました。アライナー矯正を始めたばかりの先生、これから導入される先生方にもすぐに臨床に役立てていただける内容となっております。 -
【#4 AngleⅠ級中等度叢生、空隙歯列、AngleⅡ級1類の歯列不整の症例】
本動画ではAngleⅠ級中等度叢生、空隙歯列、AngleⅡ級1類の歯列不整それぞれの症例に対して、尾島賢治先生がどのように考え治療を行われたか、解説してくださっています。
アライナー矯正では歯列をスキャンし、クリンチェックを用いて歯の移動をシミュレーションします。患者様にアライナーを継続使用していただき、シミュレーション通りに歯が動いているかチェックしながら治療を行います。
しかし、コンピューターのシミュレーション通りに進めるだけでは、当然トラブルが生じることがあるので歯科医師による細かな修正が必要です。トラブルの一つで臼歯部開咬になるといった相談を受けることがあるそうで、その原因についても説明してくださっています。
アライナー矯正には歯を包み込むことができるというメリットがあり、大臼歯を遠心移動させることも可能です。動画の後半ではAngleⅡ級1類の歯列不整に対してエラスティックを用いて加強固定を行い、臼歯の順次遠心移動を行った症例を通して、そのテクニックを解説していただきました。 -
【#5 アライナー矯正におけるアタッチメントの役割 / 尾島賢治先生】
今回は補綴医とともにインターディシプリナリー治療を行った症例、小臼歯抜歯症例といった、アライナー矯正の中でも難易度の高い症例を中心に解説していただきました。
動画の前半では前歯部審美不良を主訴として来院された患者様に、アライナー治療にてトゥースポジションを改善したうえで、補綴治療を行った症例を見ていただきます。矯正治療により上顎歯列の拡大、スピーの彎曲の改善、正中線の一致、歯軸のコントロールを行ったうえで補綴治療を進めることで、機能と審美を達成されています。
後半ではアタッチメントの付与について、文献を引用して説明していただきました。小臼歯抜歯症例でアライナー治療によるスペースクローズを行うと、固定源である臼歯の近心傾斜が生じてしまい、歯体移動が思うようにできなかったことはないでしょうか。
歯根のコントロールを行い、歯を計画通りに動かすためにどのようにアタッチメントを付与するのか学んでいただき、先生方のアライナー矯正のさらなるレベルアップにつなげていただけたらと思います。 -
【#6 質疑応答 / 山﨑長郎先生・尾島賢治先生】
本動画では視聴者の皆様から頂いた質問に対して、山﨑長郎先生と尾島賢治先生のご対談という形で回答していただきました。
日本におけるアライナー矯正とその教育は海外と比較して遅れてはいますが、スキャナーと3Dプリンターの導入により、ここ数年で急速に拡大しつつあります。アライナー矯正は今後どのように普及していくのか、またデジタル機器の活用法についてもお話してくださっています。
山﨑先生には、側方運動時の臼歯の離開量に差がある場合、インプラント埋入後にインプラントをアンカーとして矯正治療、補綴治療を行う場合についてそれぞれ先生の症例とともに治療の勘所を解説していただきました。どちらも治療が全顎に及ぶ難易度の高い症例です。全顎治療のゴール設定や治療手順についても非常に勉強になる内容となっています。 -
山﨑長郎先生にアライナーと補綴物を用いた審美矯正症例を解説いただきました。
以前はブラケットを用いた矯正治療が主流でしたが、3年前からアライナー矯正を導入されました。
アライナー治療では症例の見極めが重要で、自分で対応可能な症例と、専門家へ紹介すべき難しい症例の基準を決めておくことが大切です。
また矯正治療時は患者様の口腔内衛生環境を保つことが難しくなります。
そのためブラケットやアライナーの清掃やインプラントのメインテナンスにも注意が必要です。
有効なクリーニング剤として「RESOMA‐P(レゾマップ)」というBio Chemical Cleaningを紹介くださいました。
最後に、矯正治療後に臼歯部の金属インレーをプレス系マテリアルの補綴物に置き換えた症例を解説します。
矯正で美しい歯列を得た後、補綴物でさらに審美性を高めることも大切だと教えてくださいました。 -
近年アライナー矯正は普及していますが、その手軽さゆえに患者様が来たらすぐに口腔内スキャナーをとる医院もあるのではないでしょうか。
ですが他の補綴治療同様に診査・診断、機能分析が重要です。
ではどのようなポイントに注意して治療計画をたてるべきでしょうか。
尾島賢治先生にオープンバイト症例をご紹介いただきながら解説いただきます。
オープンバイトの矯正というと、まず考えるのは前歯の挺出かと思います。
ですが、やみくもに挺出してもガミースマイルになってしまいます。
それを避けるために、咬合だけでなく顔とのバランスを考慮することが大切です。
前歯を挺出する量など細やかにゴールを設定してから治療を始めます。
次に数本の抜歯が必要と思われる、複雑な叢生の症例を解説いただきました。
エンド専門医との連携したケースです。
治療計画として3つを提案しました。
プラン1は、大きな病巣がある6番を抜歯しGBR後にインプラント、上下左右4番を抜歯して矯正します。
プラン2は、右下の6番を抜歯、4番7番を支台歯にしたブリッジ、上下左右4番を抜歯して矯正します。
プラン3は右下6番を抜歯後、アライナー矯正で右下7番を近心移動、右下3、4、5番の遠心移動、追加抜歯は上顎4番のみ。
患者様が選んだのは3つの中で難易度が高いプラン3でした。
設計画面と経過写真を見ながら成功のポイントを解説します。
最後に顎位に問題のある症例について解説いたします。 -
引き続き、尾島先生に顎位に問題のある症例を解説いただきました。
インビザラインの設計画面を見ながら、各ステップでの歯列の変化を見ていきます。
次に今アメリカで話題のアライナーを用いた外科矯正についてお話しいただきました。
尾島先生がサージェリーファーストとインビザラインのチームを組んで治療にあたった難症例について解説いただきます。
外科手術はサージェリーファーストの第一人者である菅原準二先生が担当し、術後の矯正を尾島先生が行いました。
さらに補綴治療は山﨑先生が行うといった連携をとられています。
また昨今問題視されているのが、矯正治療により気道が狭くなり睡眠時無呼吸症候群を発症してしまうケースです。
動画では外科的矯正を行うことで、症状が改善したケースなどを解説いただきます。
CTとSTLデータを連動させての気道が確保できる顎位を確認や、OGS (orthognathic surgery)と言われる顎変形症外科手術の様子を動画で解説します。
手術先行による新しい外科的矯正です。ぜひご覧ください。 -
引き続き、睡眠時無呼吸症候群を持つ患者様の治療症例を解説いただきました。
動画ではサージェリーファースト、矯正治療の後、山﨑長郎先生によるフルマウスでの補綴治療を解説していただきます。
睡眠時無呼吸症候群の治療目的は気道を確保することです。
顔貌の審美的な改善、さらには睡眠時無呼吸症候群が再発しないように舌房スペースを拡大するなど。
患者様のクオリティーオブライフを高めるために、診査診断を徹底して治療に挑まれます。
審美的な診査診断を行うための情報収集や咬合分析について、わかりやすく解説して頂きました。
様々な分野のスペシャリストが協力して、睡眠時無呼吸症候群の患者様を長期にわたって治療した貴重なケースです。
ぜひご覧ください。 -
矯正治療とのインターディシプリナリー・マネージメント 第2回 Morphological Tooth Augmentation Procedure(MTAP)の理論と実際│山﨑長郎先生 #5 スペシャル
山﨑長郎先生にMorphological Tooth Augmentation Procedure(MTAP)の理論と臨床について解説していただきました。
先生方はご自身が治療した補綴物が、何年か後に歯頚部が露出してしまったというご経験はありませんか?
そういったことをなくすために、Morphological Tooth Augmentation Procedure(MTAP)の考えを構築したのです。
そして今回お話いただく睡眠時無呼吸症候群のケースで実践されました。
MTAPにおける歯頚部のマージンの決め方や、歯冠形態についても詳しく解説していただきます。
尾島先生とコラボレーションした最新の治療方法を学んでいただける動画です。ぜひご覧ください! -
山﨑長郎先生による睡眠時無呼吸症候群の患者様の最終治療とメンテナンスについて解説していただきます。
治療の終盤では歯周外科治療で有名な鈴木真名先生も登場され、connective tissue graftを行い英知を終結した一連の難治療が完成します。
今回のテーマであるインターディシプリナリー・マネージメントとは何か。
成功するためにはどんなことが必要なのか、山﨑先生が解説してくださいます。
最後に山﨑先生に、視聴者からの質問に答えていただきました。
「連携医に求めることは何か?」「アライナー洗浄に使用するレゾマップの購入方法について」の2つです。
ぜひご覧ください。
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