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”失敗しないために” インプラントのトラブル&リカバリー【インプラント治療編】 (全5回)

このシリーズでは、経験豊富なドクターより、トラブルシューティングや、そもそものトラブルを起こさないための予防法・抑えておきたい基礎知識をご紹介いただきます。新しい季節となり歯科医師としてデビューされる方や、職場や立場が変わり今一度基本に立ち返りたいドクターにご覧いただきたいセミナーです。

  • インプラント治療のトラブル&リカバリー 12:54

    今回はインプラント治療におけるトラブルとリカバリーについて三串先生にご紹介いただきました。
    第一回目はインプラント術中の失敗&リカバリーについて解説されています。
     
    まずは、インプラント治療においての成功について触れられています。
    先生は成功を把握することで失敗が把握できるとお考えです。
    成功の定義については動画内でご確認いただけます。
     
    術中に起こりうるトラブルとして、出血、麻酔が効かない、解剖学的構造の違い、初期固定不良などがあげられます。
    出血に関しては、下歯槽動脈を損傷すると大出血につながる可能性があり、上顎よりも下顎の方が危険です。
    実際に東京都で起きた死亡事例について紹介されています。
    事故の詳細や事故の状況はシュミレーション上で解説してくださっています。
    原因や対策については動画内でご確認ください。
    また、誤飲防止の対策や鎮静時の注意点についても触れられています。
     
    次に、初期不良固定のリカバリーについてです。
    初期固定の評価法としてトルクを使用し、20から40ニュートンの範囲で適切なトルクを得ることが目安とされています。
    しかし、これが得られない場合には何かしらのリカバリーが必要です。
    この際には骨質の違いが関係し、個々の状況に応じた対応が求められます。
    動画内ではLekholm&Zardの骨質の分類について詳しく解説されています。
     
    次に、60代の患者、歯周病の既往あり、上顎に2本のインプラントを入れる予定でしたが、片側が固定不良となったケースです。
    リカバリーとして、固定不良側は直径の太いインプラントを選択し、粘膜下に収めることで安定化を図りました。
    また、治癒期間を延長することで骨の成熟を待つことも有効な手段とされています。
    具体的な期間については動画内でご確認ください。
     
    また、開口量が少ない場合、ドリルやガイドの挿入が困難になる可能性があります。
    この場合の解決法として、万能開口器を使用して開口を確保がおすすめです。
    ドリルが入らない場合には、ピエゾはネック部分が短いため狭い空間でも使用できます。
    具体的な例として7番のような窮屈なケースについてポイントを解説してくださっています。
    また、粘膜に金属片が残る可能性もあるため、洗浄してからインプラントを埋入することが重要です。
    最後まで、ぜひご覧ください。

  • サイナスリフト・ソケットリフトのトラブル&リカバリー							11:54

    今回は、左上6番のソケットリフトのリカバリーについて解説しています。
    ガイドを使ってドリリングしたあと、最後のシュナイダー膜部分はピエゾを使って剥がすことができます。
    慢性性の歯周炎や根尖性の歯周炎を患っている場合、シュナイダー膜が硬くなるのか、破けやすいことが述べられています。
    このケースでは、シュナイダー膜が破れてしまいました。
    破れた部分をボーンスプレッディングで拡大します。
    ソケットリフトハンドインスツルメントでシュナイダー膜を剥がし、サイトランスエラシールドを縦・横十字に挿入します。
    バイオスを充填してインプラントを埋入します。
    インプラント体自体もバイオガイドで覆います。
    術後のレントゲン写真で人工骨の状態を確認し、インプラント周囲の骨が機能していることを確認しました。
    術後、6年経過のレントゲンでも経過が良好なことが伺え、リカバリーできていることがおわかりいただけます。
    サイトランスエラシールドの挿入方法やポイントについてホワイトボードで解説しているので動画内でご確認ください。
     
    次に、右上臼歯部のサイナスリフトのリカバリーです。
    側方からシュナイダー膜を剥離した後、膜に穴があいていました。
    このまま進めるのは危険です。
    コラテープやコラコートを敷いて、粘膜を保護しながらバイオスを補填しました。
    骨を補填のポイントについては動画内で詳しく解説していますので、ご確認ください。
     
    オペを中断し粘膜が治るまで待つのではなく、術中に穴が開いた場合にはリカバリーすることが可能です。
    粘膜を傷つけないようにするための技術や、手術中に問題が発生した場合の対処法について述べられています。
    手術の成功には、計画的なアプローチと慎重な手技が重要です。
    事前に練習しておくと冷静に対応することができるのではないでしょうか。
     
    患者の年齢や歯周炎の状態も考慮しながら、最適な治療を提供するための工夫が紹介されています。
    術後6年経過した時点での状況が説明されています。
    インプラント周囲にバイオ材が残存していることが確認できました。
    今後の治療計画として、半年後にインプラント体を埋入する予定です。
    最終的に、インプラントの設置が完了し、術後の経過も良好であることが確認されました。

  • 術後のトラブル&リカバリー 06:05

    まず、術後管理の重要性についてです。
    歯科手術後の入院管理は一般的ではありませんが、術後の感染症リスクが高いため、適切な術後管理が重要です。
    喫煙者には禁煙を強く勧めますが、一時的に禁煙しても再喫煙する患者もいるため、継続的な指導が必要となります。
    神経損傷は術中に気づかれないことがあり、術後のしびれなどに注意が必要です。
    骨については、下顎であっても空洞があるケースもあるため注意が必要です。
    出血班の出現については患者さんへ事前説明をしておきましょう。
    症例写真をご覧ください。
     
    次に術後感染が起きたケースを紹介しています。
    上顎のインプラント埋入と同時にサイナスリフトを行いました。
    3週間後、粘膜が化膿していることからCT撮影を行ったところ上顎洞炎が認められます。
    上顎の感染症例では、抗菌薬の投与と経過観察が必要でした。
    昔と近年の投薬の違いにも触れられています。
     
    次に、感染症の治療後、再手術を行い無事にインプラントが設置できた症例を紹介しています。
    しかし、喫煙者では粘膜の治癒が遅れるリスクがあり、長期的な経過観察が重要です。
    一時的な禁煙では不十分な場合があり、継続的な禁煙指導が必要とされています。
     
    最後に、埋入スペースが無いケースです。
    インプラントを埋入スペースが無い場合、アップライトや歯列矯正をしてスペースを確保する必要があります。
    今回はオープンコイルを使用しスペースの確保をし、インプラントを埋入しました。
    術後、粘膜に貧血がみられます。
    慌ててインプラント体を除去するのではなく、投薬して経過をみる必要性を述べられています。
    先生は反省点として、今回のケースは術後にオープンコイルまで戻す必要が無かったとおっしゃっています。
    その後、10年経過していますが経過が良好なことがおわかりいただけます。

  • メンテナンスに関するトラブル&リカバリー							05:33

    今回はメンテナンス中の失敗&リカバリーについて解説されています。
    インプラント治療後は長期的なメンテナンスが必要であり、経年的にインプラントが動いたり破損したりする可能性があります。
    隣在歯の移動や、インプラント補綴装置周囲へのセメント残留などで炎症が起きることもあります。
    そのため、定期的なメンテナンスを行い、インプラントの状態を確認することが重要です。
     
    まずは、スクリューが緩んでいるケースの対処法をご紹介いただきました。
    近年はあたりが付けられるためスクリューを外すことが容易にできますが、あたりが無い場合も多いのではないでしょうか。
    CTシミュレーションやガイドの使用により、インプラントの位置を正確に特定し、適切な処置を行うことができます。
     
    インプラント周囲炎が発症した場合の治療方法には、非外科治療か外科治療があります。
    非外科治療の場合、口腔衛生指導を行い、フロッシングなどの適切な口腔ケアを指導します。
    また、殺菌効果のある洗口剤の使用や、抗菌薬の投与も必要に応じて行われます。
     
    外科治療の症例では、8年経過したインプラント周囲炎の症例が紹介されています。
    外科的にインプラント周囲の感染組織を除去し、人工骨を移植して欠損部を修復しています。
    実際に使用した器具について動画内で紹介しているのでご確認ください。
    術後7年経過した時点でも良好な状態が維持されていることが示されています。
    引き続き長期管理が必要です。

  • ヒヤリハットと成功の確率をあげるために 06:37

    皆さんの歯科医院でもヒヤリハットを行っているのではないでしょうか。
    ハインリッヒの法則やスイスチーズモデルなどの理論的背景が説明され、失敗の確率を下げるための対策が提案されています。
    先生は以下の手順を踏むことで、インプラント治療の成功率を高めることができるとお考えです。
    ・事前の歯周病治療
    ・欠損部位の矯正治療
    ・リッジプリザベーション
    ・サージカルガイドの活用
    ・モデルサージェリーによる予行演習
     
    骨幅が薄い方へのインプラントについて、モデルサージェリー動画より詳細にご解説いただきました。
    症例1の患者さんはCT画像より、薄い骨が発見されたため、光学模型を作成し、歯槽堤分割術(スプリットクレスト)の予行演習を行いました。その結果、骨の薄い部分を削り幅を広げることで、インプラントの適切な環境を作ることができました。
    実際のオペでは模型よりも骨幅が薄いことがお分かりいただけるかと思います。
    予行練習の重要性を示しています。
     
    症例2では、70歳の男性患者の術後経過が示されています。
    高齢者でも早期の回復を望む場合があることが指摘されています。
    粘膜下に歯根が埋まっていて骨欠損が大きいことが予測されるため、モデルを用いた予行演習を行わいました。
    この症例ではチタンメッシュとガイドを用いたインプラント治療が選択されました。
    症例では、10年経過後も機能している補綴装置が紹介されています。
     
    術後の経過観察において、補綴装置に関するトラブルが発生する可能性があります。
    そのため、定期的なメンテナンスが重要です。
     
    今回のシリーズではインプラント治療のトラブル&リカバリーについて解説してきました。
    先生方の臨床のヒントになれば幸いです。

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