今回の動画では、ナカエ歯科クリニックの前畑香先生が、コロナ禍の今だからこそ確認しておきたい義歯清掃のプロフェショナルケアについて、実際の写真や動画を用いてわかりやすく解説しています。

今まで義歯清掃のプロフェッショナルケアについて学んだことがない方、義歯清掃はしているけれど、なんとなく手順が曖昧になってしまっている方は、ぜひ一度動画をご覧になってみてください。

コロナ禍の今だからこそ正しい義歯清掃のプロフェッショナルケアについて見直して、感染予防対策をしっかりしていきましょう。

第1章　義歯付着物について

義歯の付着物には、3つの種類があります。
●デンチャープラーク(義歯表面に1gあたり1011　〜1012物微生物を含むバイオフィルムと定義されています）
●色素
●歯石様沈着物

そしてそれらの付着物は、義歯を構成している、人工歯、床、維持装置、支持装置に付着します。

また、義歯の構成要素は金属とレジンです。しかし、微生物が義歯表面だけでなくレジンの中に侵入した場合には、微生物の温床となってしまいます。そしてその温床は、プロフェショナルケアでも完全に除去しきることはかなり難しくなります。

さらに義歯に微生物が付着したまま使用を続けることで、う蝕や歯周疾患、口内炎、カンジダ症、口角炎など口腔内へ大きな影響を及ぼします。

そして微生物は口腔内への悪影響にとどまらず、誤嚥性肺炎など全身への悪影響を及ぼすこともあるのです。

第2章 義歯洗浄剤の選び方

◆義歯のプロフェショナルケアの正しい手順

①患者さんからお預かりした義歯を水洗します。食渣などが付着している場合もあるのでブラシなどを使用し、念入りに水洗します。

②義歯洗浄剤に義歯を入れて超音波洗浄します。軽い色素や歯石様沈着物は、義歯洗浄剤だけで十分に除去することが可能です。

③水洗をし、義歯に色素や歯石様沈着物が付着している場合には、ブラシやエバンスで丁寧に除去していきます。

④水洗をして、水に浸して超音波洗浄をします。

⑤最後に義歯全体を丁寧に研磨します。

◆義歯洗浄剤の種類

①歯石様沈着物が付着している場合
酸性の義歯洗浄剤を使用して歯石様沈着物を除去します。

②色素が付着している場合
アルカリ性の義歯洗浄剤で色素を除去します。

義歯洗浄剤のPHの違いを使い分けして、効果的に付着物を除去することができます。

ちなみにこちらの動画を作成している、前畑先生のおすすめ洗浄剤は、
酸性：ストーンメルト、リプロメルト、フィジオクリーンプロ(歯石用)
アルカリ性：デントクリーン、リプロクリーン、フィジオクリーンプロ(色素用)

実際に、歯石様沈着物をアルカリ性の義歯洗浄剤につけてみると効果は一目瞭然でした！
歯石様沈着物は、アルカリ性の洗浄剤では効果がほとんどないことがわかります。

つまり付着物にあったPHの義歯洗浄剤を使い分けて洗浄しないと、洗浄剤の効果はないのです。そして義歯洗浄剤の正しい選択は、治療時間短縮やスタッフの負担軽減にもつながります。

◆研磨の重要性
プロフェッショナルケアの最後に義歯の研磨をすることで、義歯に再付着するデンチャープラーク、色素、歯石様沈着物を防ぐことができます。そのため、義歯の研磨はとても重要な作業なのです。

今回の動画では、実際にプロフェッショナルケアの最後に行う義歯研磨の様子を確認することができます。ぜひ一度ご覧になってみてください。

最後に…

今回は、ナカエ歯科クリニックの前畑香先生の動画、「コロナ禍の今だからこそDr.DHで確認したい義歯清掃」より、「正しい義歯のプロフェッショナルケア〜コロナ禍の今だから見直す基本のキ」を紹介させていただきました。

コロナ禍の今だからこそ、義歯洗浄のプロフェッショナルケアを見直して、このコロナ禍を正しい感染予防対策で乗り切っていきましょう！

動画では、義歯研磨の丁寧な様子も見られますのでぜひチェックしてみてください。最後までご一読いただきありがとうございました。

ナカエ歯科クリニックの前畑香先生の動画、「コロナ禍の今だからこそDr.DHで確認したい義歯清掃」