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【人気動画】今さら聞けない総義歯治療の基本/澤田宏二先生

2019年10月25日(金)

目次

はじめに
第一部 診査
第二部 技工
第三部 苦手意識をなくす
おわりに

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はじめに

  

総義歯臨床はその症例数も減ってきており、経験も少なくなりがちなことから漠然とした苦手意識をお持ちの先生も少なくないのではないでしょうか。

今回は「今さら聞けない総義歯治療の基本」をテーマに、『第一部:診査』『第二部:技工』『第三部:苦手意識をなくす』『第四部:総義歯づくりの術式』の構成で澤田先生にご講演いただきました。

総義歯臨床に苦手意識をお持ちの先生方に特におすすめの内容となっています。

一部抜粋してご紹介させていただきます。

 

第一部 診査

  

新義歯を作製するに当たり、まずは旧義歯の問題点を洗い出していきます。

床外形と適合を診査するのに有用なのはフィットチェッカーです。

フィットチェッカーの抜け具合を確認して、旧義歯の床外形の過不足や適合の良否を診査していきます。

 

適合を診査する場合においては、骨の裏打ちがある顎堤頂付近と骨の裏打ちのない辺縁付近とではフィットチェッカーの見方を変える必要があるとのことでした。

つまり、骨の裏打ちがなく、柔らかい辺縁付近でフィットチェッカーが薄くなるような状態だと、義歯が粘膜を押しすぎていると判断すべきであると述べられました。

そのような状態だと筋運動を制限してしまうため、たとえ吸着が良くても咀嚼や開口がしづらい義歯になってしまうとのことでした。

 

咬合高径の決定にノギスを用いる場合、不安定で数値の変動が大きい皮膚上に計測点を求めるよりも、義歯自体で高径を測る方法をお勧めされていました。

また、咬合高径は患者個々にとっての厳密な値があるわけではなく、水平的顎位と比べると許容できる範囲に幅があると考えてよいとのことでした。

第二部 技工

  

「ロウ義歯試適の時はいい状態だったのに、いざセットの時に合わない…」

そんな経験をお持ちの先生もいらっしゃると思います。

澤田先生は、ロウ義歯試適時の形態をセット時までなるべく変化させないためのポイントをご紹介されました。

また、義歯の粘膜面は形態を変化させないために荒研磨も必要ないと述べられました。

粘膜面に明らかなバリがあれば、そこを研磨する程度に留めると良いとのことでした。

 

ロウ堤は人工歯排列位置の指標となります。

また、リップサポートを評価できるようなロウ堤の形態にしておくことで顔貌を参考にした咬合採得を行うことができます。

ロウ堤もなるべく最終的な義歯を見据えて作る必要があるということですね。

 

義歯の填入、重合の方式をご自身でしっかり把握されていますか?
外注に出されている先生は、外注先の技工所任せにしがちな部分ではないでしょうか。

これまでポピュラーだったのは「プレス填入」でした。
しかし、この方法では填入の際にわずかなバリが出ることによりその分浮きあがりが起きます。
その結果、咬合高径や咬合に変化が起こりセット時の咬合調整が多くなりがちでした。

それに対し、「流し込み填入」ではバリが生じないため浮き上がりがなく、セット時の咬合調整が少なく済みます。
また適合精度も優れているといったメリットもあります。
外注先の技工所によっては方式を選べることもあるそうなので、一度確認してみると良いかもしれませんね。

 

 

第三部 苦手意識をなくす

  

「顎堤吸収していると吸着しない」

「患者が痛みを訴えているけど義歯調整しても改善しない」

「フィットチェッカーとデンスポットどちらを使えばいいの?」

「リンガライズドとフルバランスド、どちらの咬合様式を選択すべきかわからない」

総義歯臨床に苦手意識を持つ理由として、これらの疑問が解決できていないことが挙げられるかもしれません。

第三部では、総義歯臨床に対しての苦手意識をなくすために理解すべきことを解説していただいています。

 

吸着について考えるべきことを一部ご紹介します。

総義歯で良好な吸着を得るために、粘膜面の適合が重要であることは言うまでもありませんね。

しかし、顎堤が高度に吸収している症例ではそれだけでは不十分になりがちです。

 

そういった場合は、辺縁の厚みを上手くコントロールし、頬や舌による力を義歯の吸着に活かせるようにすることで、プラスアルファの吸着が得られるようになります。

  

 また、咬合を味方につけて維持力を発揮させることの重要性についても述べられました。

犬歯誘導咬合だと側方運動時に義歯に転覆する力が加わってしまいます。

したがって、総義歯においてはバランスドオクルージョンを付与することを推奨されました。

おわりに

ゴシックアーチについてはその必要性に賛否があるところですが、澤田先生は自身の臨床においてゴシックアーチは必須のものであると述べられました。

スペシャル動画のなかでは、そのゴシックアーチについても詳しく解説していただいています。

また、義歯調整におけるフィットチェッカーとデンスポット、あるいはPIPの使い分けや、リンガライズドとフルバランスドの咬合様式などについてもお話ししていただいています。

総義歯臨床に苦手意識をお持ちの先生に特にお勧めの内容となっていますので是非ご覧ください。

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