【人気動画】カリエールシステム SAGITTAL FIRSTの優位性 / 螺良典秀先生
カリエールシステムとは
カリエールシステムとは、カリエールモーションを用いてSAGITTAL FIRSTを行い、その後SLXシステムによるブラケットやアライナーで矯正治療を行うという一連のコンセプトです。
SAGITTAL FIRSTとは
「症例の前後的な問題をまず解決する」
これがSAGITTAL FIRSTの考え方です。
部分的な装置と顎間ゴムをそれぞれ用いて前後的な問題を改善させていくというのが従来の方法でしたが、カリエールモーションはその二つの要素を治療の初期の段階で掛け合わせて用いるという新しいアプローチです。
カリエールモーションを用いるメリットは2つあります。
まず、治療期間の短縮です。
通常のブラケットやアライナーによる矯正治療の前にSAGITTAL FIRSTを行うことによって、症例を単純化することができ、その結果総治療期間が短縮されます。
ふたつ目は、顎間ゴム使用のコンプライアンスが得やすいということです。
通常、患者が治療に疲弊してきた時期に顎間ゴムを使用させることが多いため、コンプライアンスを得られにくいという問題がありました。
それがカリエールモーションでは、患者のコンプライアンスが最も良好な治療初期に顎間ゴムを使用させることができます。
ClassⅡ症例への応用
ClassⅡ症例に対して装置を装着している写真です。
治療初期に前後的な問題を解決することにより、その後のブラケットやアライナーによる矯正治療を効率的に行うことが出来ます。
大臼歯を遠心移動させるための通常の矯正装置では、アンカレッジロスが大きくなりやすくなりがちですが、カリエールモーションでは犬歯から第一大臼歯までをひとつのユニットとして遠心移動させることができます。
その結果、上の写真のようにスペースを前歯部に作ることができます。
この症例ではわずか2カ月でこのような状態になっています。
ClassⅠで空隙歯列となると、その後の矯正治療も楽に進められそうですね。
このように、カリエールモーションを用いることによって短期間のうちに前後関係を改善することができています。
短期間でこのような劇的な変化を起こすのは、カリエールモーション以外では難しいのはないでしょうか。
ClassⅢ症例への応用
これは、ClassⅢ症例を3カ月間ほどカリエールモーションでSAGITTAL FIRSTを行い、その後ブラケットを用いて非抜歯で矯正治療を行ったものです。
治療前の状態を見ると、下顎小臼歯の抜歯が必要そうに見えますよね。
螺良先生によると、カリエールモーションでSAGITTAL FIRSTを行うことにより、抜歯が必要になるか否かボーダーラインの症例において、非抜歯で治療できることが格段に増えたとのことでした。
また、抜歯が必要かの判断のタイミングも、初診の状態だけで判断せずに、カリエールモーションで前後的な問題を改善させてみてから最終的な判断をするように変化したと述べられました。
同じ症例の側貌ですが、抜歯を含めた外科を全く行わずして治療前後でこれだけの改善が見られます。
カリエールモーションを使用するうえでのポイント
螺良先生はカリエールモーションの効果を最大限にするためのポイントを2つ挙げられました。
それはエラスティックプロトコールと、装着時間についてです。
カリエールモーションでは、専用のエラスティックを使用することで大きな矯正力を加えていきます。
螺良先生はこのエラスティックプロトコールを遵守することが非常に大事であると述べられました。
このエラスティックプロトコールを守らないと、なかなか思うような歯の動きは得られないとのことでした。
また装置の装着時間について、食事と歯磨き以外の時は常に装着させるということも非常に重要であるとのことでした。
ブラケット移行時の注意点
カリエールモーションでSAGITTAL FIRSTを行った後、ブラケットに移行する際の注意点についても詳しく解説していただきました。
・オーバーコレクションは必須
・リテーナー装着ができる場合を除き、カリエールモーションを外した即日にブラケット装着を行う
・Self-ligatingブラケットの使用がベター
・第一大臼歯にはdistal insetの強いブラケットを使用する
・できるだけ第二大臼歯までブラケットを使用する
まとめ
実際のスペシャル動画のなかでは、カリエールモーションを行う上で固定源をどうするかについてや、SLXブラケットの特徴と優位性についてなど実際のご自身の豊富な症例をもとに詳しく解説していただいています。
また、カリエールモーションを口腔内に装着する際のポイントを、実際のご自身の臨床の動画を交えて細かく説明されているので、先生方がカリエールモーションを導入するにあたって非常にイメージが湧きやすいご講演となっております。
是非ご覧ください。