【人気動画】カウンセリングの重要性と歯周治療の攻略法〜患者さんのためのカウンセリングとは?〜 Part2
【第2章からの続きです。】
第3章 歯周病と全身疾患の関わり
◆カウンセリングについて
歯周病や虫歯を予防するためには毎日正しいセルフメンテナンスの方法でブラッシングをしていただかなくてはいけません。そのため患者さん自身に口腔内を清潔で健康にしたいという強い気持ちを持ってもらうことが重要なのです。
そして、そこでポイントとなるのがカウンセリングです!
しかし口腔内の健康に対しての価値観はさまざまです。そこで若林先生は、患者さんに歯の価値に気づいてもらうために「あなたの歯にはどんな価値がありますか?」という問いかけをされています。
そしてそれぞれの価値観はありますが、カウンセリングによって患者さんのデンタルIQを高めていくことが重要となります。
◆口臭の原因とは?
口臭の原因には、歯周病や舌苔、全身疾患などがあります。しかしその中でも歯周病は舌苔の6倍もの悪臭を放ちます。そのため、口臭がきになる方は歯周病の治療が第一優先となります。(下部画像参照)
◆歯周病と全身疾患
歯周病には骨粗鬆症や糖尿病、肺炎、心疾患などさまざまな全身疾患が関わっていると言われています。その中でも糖尿病は歯周病と深く関わりを持っています。
実は糖尿病に罹患していると、そうでない人と比べ2.6倍も歯周病になりやすいという結果が出ています。さらに歯周病の治療をすることで糖尿病も改善していくという結果も示されています。
まずは、歯科医院に来院された患者さんのデータを見た際に、HbA1cが6.5以下であることを確認してください。そこの数値次第で良好にSPTが行われていくかが変わってきます。HbA1cが6.5以上である場合には歯科の治療と並行して糖尿病の治療も行わなくてはなりません。
超高齢化社会になりつつある現代。歯と全身の健康は大きく関わっています。患者さんには、「元気で長生きするためには歯が大切」ということを強く伝えていかなくてはいけません。
◆歯を失う原因とは?
患者さんのほとんどは歯を失う原因は虫歯だと思っておられますが、現在歯を失う原因の1位は歯周病なのです。
歯を失う原因の1位歯歯周病ですが、虫歯も歯周病もプラークや口腔内細菌な、歯石など同じような原因があります。そのため、プラークや歯石除去、口腔内環境を改善させていくことで虫歯も歯周病も予防していくことが可能です。
さらに歯周病の治療は、「血管を若返らせる」ことができるのです。つまり、歯周病の治療をすることで、全身を流れている血流がしなやかになり、全身疾患の予防にもつながるということです。
◆患者さんの生活習慣を知るために
虫歯や歯周病は全身疾患と大きな関わりを持ち、さらに生活習慣とも大きな関わりを持っています。そのため、若林先生の歯科医院では生活習慣に関わる細かな問診をされています。特にその中でも間食についての項目を重要視されています。
第4章 女性ホルモンと歯周病
◆女性ホルモンと歯周病の関係性
女性は女性ホルモンによって3度も歯周病になりやすい時期が訪れると言われています。それは思春期、妊娠出産期、更年期です。
そのため、歯周治療をする際には年齢や環境によってお話しする内容を変化させ、患者さんそれぞれの歯周治療をしていかなくてはいけません。
◆女性患者さんの症例
●症例1〜思春期の患者さん〜
患者さん本人はブラッシングを丁寧にしているとのことですが、歯の表面や先端ばかりで歯間部や歯頸部は磨けておらず、歯石の付着や歯茎の腫脹が目立ちます。
そして歯石除去やブラッシング指導をした後、歯茎の腫脹が落ち着き、口腔内環境が改善してきました。患者さんへ治療前と治療後のわかりやすい比較写真を見せることで、患者さん自身が自覚し、2度と治療前の口腔内へ戻らないようにしてもらいます。
●症例2〜20歳女子大生の患者さん〜
口臭が気になるとのことで来院。歯茎がかなり主張しており、歯石の付着も見られます。まずはうがい薬や柔らかい歯ブラシでブラッシングを継続していただき、その後歯茎の状態が落ち着いたところで歯石の除去を行いました。
10ヶ月後、歯茎の腫脹は落ち着き口臭もおさまりました。
●症例3〜42歳女性〜
全体的に動揺はあるが、なんとか残していきたいと来院。5年前に他院にて8本抜歯。歯周病が重度なため、ダメになったら抜歯をして入れ歯にしていくしかないと言われたとのこと。しかし検査した結果、全体的に骨の吸収が著しく、縁下歯石もかなりの付着でした。
そして残念ながら全歯保存不可能だったため抜歯となり、総義歯となりました。
◆虫歯や歯周病の予防法について
虫歯や歯周病を予防するためにすることは、4つの項目が重要となります。
1. 正しいブラッシング方法を患者さんへ指導すること
2.縁上歯石、縁下歯石を除去すること
3.ダラダラ食い、糖の過剰摂取などの生活習慣を改善していくこと
4.定期的にクリーニングに来院していただくこと
さらに患者さんに長期で通院していただいたり、回数が複数回かかったりする歯周治療を理解していただくことが大切です。そして若林先生の歯科医院では、下記の1〜4の項目を行い患者さんへ歯周治療の理解を得ています。
第5章 ポストカウンセリングの必要性
◆歯周患者さんの症例
●50歳女性
歯がグラグラするとのことで来院。全体的に骨の吸収が激しく、動揺もあり、Brでなんとかつながっている状態です。他院では、全歯を抜歯し、総義歯あるいはインプラントかと言われたそうです。患者さんは1本でもご自身穂はを残したいとのことでした。
患者さんの希望を叶えるべく、歯周治療が始まりました。こちらが初診の歯周検査の結果です。出血が重度で、ポケットも深い部分が目立ちます。
そして歯周治療を4ヶ月ほど行い、ここまで改善が見られました。保存不可能な箇所もみられますが、出血のない箇所や、ポケットの数値が改善してきている箇所がみられます。結果的に上顎3本、下顎5本の歯を残すことが可能となりました。
最終的に上顎はマグネット義歯になり、下顎はBrとなりました。14年経過した現在でも14年前と同様の状態を保つことができています。
若林先生の動画では実際の症例をよりわかりやすく丁寧に解説しており、さらにその他の症例も詳しく紹介しています。ぜひ一度動画をご覧になってみてください。
若林先生の歯科医院では、歯科衛生士が基本治療の終了後に治療前のスライドと比較をしたり、検査結果の比較をしたりして、このようにして改善してきたんですよ!ということをわかりやすく患者さんへ伝えるようにしています。そうすることでリコール率がかなり高くなることを実感されています。
そしてその場で次回のアポイントを取って帰っていただくことで、93%くらいの患者さんがリコールをしているそうです。
最後に…
今回は若林歯科医院の若林健史先生の動画、「私が受けたいカウンセリングと歯周治療」第1章〜第5章より、「カウンセリングの重要性と歯周治療の攻略法〜患者さんのためのカウンセリングとは?〜」を紹介させていただきました。
実際の動画では若林先生が症例を交えてわかりやすく解説していたり、最後には質疑応答もあったりしますので、ぜひ一度動画をご覧になってみてください。最後までご一読いただきありがとうございました。
【私が受けたいカウンセリングと歯周治療】
第1章 私達の診療哲学
第2章 歯周病の特殊性
第3章 歯周病と全身疾患の関わり
第4章 女性ホルモンと歯周病
第5章 ポストカウンセリングの必要性