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【人気動画】カウンセリングの重要性と歯周治療の攻略法〜患者さんのためのカウンセリングとは?〜 Part1

2021年1月22日(金)

今回の動画では、若林歯科医院の若林健史先生が歯周治療におけるカウンセリングの重要性や歯周治療を完全攻略する方法、歯周治療の流れなどを実際の症例を用いてわかりやすく解説しています。

患者さんとのコミュニケーションがあまり得意ではなかった方、現状のカウンセリング方法にあまり満足していない方はぜひ一度ご覧になってみてください。そして、患者さんのためのカウンセリング方法、治療方法を学び、日々の診療で実践し役立てていきましょう。

第1章 私達の診療哲学

◆歯科治療を行う上で最も大切な場所「カウンセリングルーム」

こちらは若林歯科医院の内装です。この医院で若林先生が一番大切にされているのが、患者さんとのカウンセリングを行う「院長室」なのです。

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この場所では、全ての患者さんへ歯周検査やレントゲン写真、口腔内写真検査の結果をお話ししたり、今後の治療計画や治療方法のをお話ししたりします。検査日とは別日にカウンセリングのための時間をきちんと確保し、患者さんに安心した歯科治療を受けていただけるようなスタイルをとっておられます。

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2014年に歯科医院を移転されてからもカウンセリングルームを設置し、患者様とのカウンセリングの時間を大切にされています。
カウンセリングルームにはPCを2台設置し、術前術後などの口腔内写真を並べ、大きな画面で患者さんへ見やすく、わかりやすく説明できるようにされています。

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その他、若林歯科医院の素敵な診療室の内装や、青山に建てられた予防をメインとした歯科医院の内装などは下記URLの動画にわかりやすく解説されています。ぜひ一度ご覧ください。

私が受けたいカウンセリングと歯周治療 part1

◆若林先生の診療哲学とは?
(1)予防からメンテナンスまで歯周治療を基本とします。歯茎が腫れて出血をしていたり、プラークがべったりのままだったりの状態でCRや補綴物を詰めても全く意味がありません。まずは全ての患者さんに対して、口腔内を健康で清潔にすることを基本としていきます。

(2)患者さんにとって安心できる快適な医療空間を創り、他院とは違う特色を持つようにします。

(3)歯周病の治療をするには、期間が長くかかったり、患者さんの生活習慣にまで踏み込まなくてはいけなかったりします。そのため、患者さんとお話する時間を大切にし、関わりを深く持つことが大切になります。

(4)治療をするにもカウンセリングをするにもどんなことでもまずは基本がベースになくてはなりません。どんな歯科治療においても基本を大切にしていきます。

(5)歯科医院は1日の大半を過ごす場所なので、楽しく診療ができるように常に心がけて診療に努めています。

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◆歯周病患者の症例〜歯周病患者Aさん〜

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主訴:食事が不自由
病歴:糖尿病 HbA1c 7.5%
状況:少数残存歯ですれ違い一歩手前 動揺重度 右側小臼歯のみ咬合 前歯部突き上げあり

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●治療の流れ

1.糖尿病に罹患しているため糖尿病の専門医の元、血糖値のコントロールを行うなど糖尿病に対しての治療を行なっていきます。

2.糖尿病の治療と並行して、ブラッシング、SC、SRPなど歯周基本治療を徹底的に行なっていきます。

3.歯周病の治療がきちんと終了すると、最終的に残せる歯と残せなさそうな歯が見えてきます。そこで今後も残していけそうな歯を使って、補綴物を作成し、全体でバランスよく噛めるような咬合を作っていきます。

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●歯周治療結果
3ヶ月間、糖尿病の治療と並行し歯周基本治療を継続して行いました。

その結果、保存不可能な歯は残念ですが抜歯をして、歯茎の状態が落ち着くまで仮義歯を装着していただきます。そしてその期間で、今後の補綴物はどのように作成していくか患者さんと話し合っていきます。

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●補綴物作成のための計画
患者さんの意見として、
・残存歯をあまり削りたくない
・元から補綴物が入っていた歯は補綴物でいい

ということで、PDの作成をしていくことになりました。上顎には金属床、全部の残存歯にレストをつけ力の分散、コントロールができるよう工夫をして作成してあります。

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●メンテナンスへの移行

メンテナンスへ移行されて約25年経過した写真です。糖尿病の数値もHbA1c 7.5%からHbA1c 6.5%まで改善しています。

メインテナンスへ移行してからは、歯を失わず、維持することができています。もちろん途中で義歯の不具合は出てきますが、その都度しっかりと対応しています。

義歯を使用していると、歯が欠けた、針金が折れたなどの義歯の不具合歯出てきますが、それは患者様がしっかりと噛めるようになった証ですよ!と若林先生はお話しされているそうです。

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第1章 私達の診療哲学

第2章 歯周病の特殊性

◆歯周治療がうまくいった理由

1.患者さんに自身の病態を理解してもらう
チェアサイドではなくカウンセリングルームにて、現在患者様の口腔内はこんな状態で、この状態をそのままにしておくと抜歯することになってしまう可能性が十分にある、などというお話をきちんと理解していただくまで丁寧にお話させていただきます。

2.患者さんと良い人間関係を築く
病態を丁寧にわかりやすく説明したり、患者さん質問に丁寧に対応したりしていくと、ここの先生はしっかり説明してくれると、患者さんが少しずつ信頼してくださり、良い信頼関係を築けていきます。

3.歯周基本治療がしっかりとできている
患者さん自身には正しいセルフメンテナンスをしてもらい、歯科医院では、SCやSRPなどの歯周基本治療をきちんと行います。

4.定期的なメンテナンスで来院していただく
歯周基本治療が終了したら終わりではなく、その後も定期的にメインテナンスで来院していただくことで口腔内を良好な状態で保ち続けることができます。

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◆歯周治療がうまくいかなかった理由

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1.患者さん自身が自分の病態を理解していない
患者さんへ検査の結果や病態をきちんと伝えきれておらず、患者さんが自分の病態を全く理解できていません。

2.患者さんと良好な人間関係が築けていない
患者さんへ病態をきちんとわかりやすく説明しきれていなかったり、患者さんが納得いっていないのにも関わらずなんとなく治療を進めてしまったりして、患者さんとの人間関係がうまく築けていません。

3.歯周基本治療がしっかりできていない
患者さん自身が毎日行うセルフメンテナンスを正しく行えていなかったり、歯科医院で行うSCやSRPなどがしっかりと行われていなかったりしたため、なかなか歯周病が改善しません。

4.定期的なメンテナンスが行われていない
歯周治療が終わったらそこで治療が終わりになってしまいます。そしてメンテナンスの大切さを伝えておらず、患者さんは痛くなった時、不具合が出た時のみの来院になります。

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◆歯周治療の特殊性

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歯周治療は他の歯科治療とは少し異なり、特殊な面があります。

そして「医院全体のレベルアップ」には、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士など全てのスタッフが患者さんのために協力し合うことがとても重要となります。さらに患者さんの信頼を得ることや歯科診療全体的に円滑に進むことへとつながっていきます。

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◆プロービング検査で重要なこととは?

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若林先生がプロービングをされる際に特に注意をされているのが「出血の有無」です。
口腔内で出血をしていい場所はどこにもありません。そのためプロービングをした際に出血をするという場合には、そこに出血を起こされる原因がある!ということなのです。

そしてプロービングの検査では絶対に患者さんへ痛みを感じさせてはいけません。そのため、注意しなくてはいけないポイントがあります。

それはポケットが4mm以上ある場合には、ポケット底部を突き破り患者さんに痛みを与えてしまうかもしれないなということを念頭におき、慎重にポケット内に挿入していくことです。(下記の画像参照)

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第2章 歯周病の特殊性


【第3章へ続きます。】

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