【動画でスキルアップ】DHかっきーのシャープニング&SRPセミナー 前半
【DHかっきーのシャープニングセミナー】
かめだ歯科医院のチーフ歯科衛生士である柿沼八重子先生に今回はシャープニング・S R Pについてまとめていただきました。柿沼先生は両手利きで処置を行える歯科衛生士です。基本から丁寧に教えていただけるのでセミナーの満足度が高く、毎回満席になる程です。そのセミナーを第1〜第7章に分けて動画にしました。ご自身のペースで確実にポイントを確認出来るので、是非明日からの臨床に役立てていただければと思います。
―第1章― 歯周病の最新の原因論
S R Pを上手になるためには、プロービング・デンタルの読解力・キュレットの構造・シャープニングなど、様々なことについて知っておく必要があります。これからの動画では1つ1つを噛み砕いて柿沼先生に紹介していただきました。
まずは、第1章では、最新の歯周病の原因論から病態を把握する事が出来ます。
歯の喪失は全体の4割を歯周病で占めており、歯科医院に来院される30代〜の方は約7割が歯周病で歯を失っているのです。歯を残すためには歯周治療を的確に行う事が重要であり、歯科衛生士の活躍できる分野でもあります。
歯周病には歯肉炎・歯周炎の分類があり、どちらとも原因は細菌性プラークと言われています。
歯周病の病因論の変化の中で、細菌の研究が進み2000年頃には特別リスクの高い感染を引き起こす菌をレッドコンプレックス(P.g菌・T.f菌・T.d菌)と呼ぶようになりました。
近年では特別な細菌の存在だけではなく、生態と宿主の共生関係のバランスが崩れた時に発症すると考えられるようになったと柿沼先生は述べています。最新の内容を学ぶ事が出来ますので、是非動画をご覧いただきたいと思います。
―第2章― プロービング検査、知っておくポイント
プロービング診査は歯周疾患の存在、重症度の診断、歯周基本治療の再評価などを判断する検査方法です。
この章では、プロービングについて柿沼先生から適切に行う為の手技はもちろん、基本的な知識を学ぶ事が出来ます。
プロービング診査にて知っておくキーワードとして、下記の4つが挙げられます。
① プロービングデプス(P D)
② クリニカルアタッチメントレベル(C A L)
③ 付着歯肉の幅
④ B O P(Bleeding on Probing)
各項目において丁寧かつわかりやすく説明をしてくれています。
特に②のC A Lは組織図を理解していないと間違えやすい部分になるので是非参考にしてみてください。
また、③の付着歯肉の幅は見た目だけでは判断がしづらいです。
プロービングで測定して確認する事が重要です。付着歯肉がないと可動粘膜だけになってしまうので、清掃器具が届きにくくなり、プラークが溜まりやすい問題が生じると柿沼先生は述べています。
④のB O Pについては、歯肉炎と歯周炎における出血の違いを動画を交えて説明しているので必見です。
プロービングを上達するために押さえるポイントを学ぶ事が出来ます。
挿入方法にはウォーキングプロービング(歩くように動かす事)を用いた方法やアングルドプロービング(隣接面のポケット測定)があります。ポケットの形態を立体的に把握する事と、レントゲンと照らし合わせながら測定する事が大切であると柿沼先生は述べています。動画の中では実際に柿沼先生のウォーキングテクニックをご覧いただけます。また、根分岐部についても触れており、フォーケーションプローブの操作法も学べるので是非ご覧ください。
―第3章ー 外科、それとも非外科SRPか?
今回の動画では歯周治療を進める過程で外科治療と非外科のS R P行う場合、どちらを選択するか。
また超音波S Cと手用S Cとの比較について文献を交えて歯科衛生士の柿沼先生に講義していただきました。それぞれの考えが違い、選択に悩まれる方は多いと思います。正しい知識と選択のポイントを取り入れる事ができる内容となっておりますので、是非ご覧いただきたいと思います。
上記は歯周外科とS R Pを専門医Dr.と一般Dr.が行なった場合の歯石残存率を表している表です。
動画の中で詳しい説明がありますが、一般の慣れていないDr.がF O Pにて直視した状態で歯石を取る場合と専門医Dr.がS R Pを行なった場合の歯石残存率はほとんど変わらないという結果になっています。
このことから、歯科衛生士のS R Pスキルを向上させる事はとても重要であると柿沼先生述べています。
基本的にポケット数値が5.5以下であるとS R P、それ以上の数値の時は外科処置を行うことでアタッチメントゲインが得られると言われています。しかし部位により目安の数値が異なる事が論文で記されています。その事も踏まえて、柿沼先生のポイントを紹介していただきました。
超音波と手用による除去効率の差においてのエビデンスを交えてお話してくれています。
どちらを選択するにも有意差はないようですが、根面の状態や形、歯石の付着具合がわかるようになるためにも、まずは感触が伝わりやすい手用を極める事がスキルアップの近道になると柿沼先生は述べています。
詳しい内容は動画にて是非ご覧いただければと思います。