2019年3月7日(木)

【LIVE配信】宮崎真至先生クリニカル・カンファレンス Part2《参加レポート》

2019年2月13日、クリニカル・カンファレンス「コンポジットレジンのレイヤリングテクニック」が開催されました。

【LIVE配信】宮崎真至先生クリニカル・カンファレンス Part2《参加レポート》

 

目次

エナメル質に対する接着

象牙質に対する接着

裏層は必要か

Ⅰ級複雑窩洞の充填

Ⅴ級窩洞の充填のポイント

前歯部のレイヤリングテクニック

質疑応答

 

Part1はこちら

 

エナメル質に対する接着

リン酸エッチングの効果

リン酸エッチングの効果は以上のことが挙げられますが、ここで一つ気をつけるべきことがあります。

それは無小柱エナメル質(prismless enamel)の存在です。

無小柱エナメル質

これはエナメル質の表層に存在する7~20㎛の小柱構造を持たない部分です。

小柱構造を持たないということはリン酸エッチングをしても接着力が生まれません。

コンポジットレジン修復を行うにあたっては厄介な部分ですね。

 

例えば、矮小歯に対するノンプレップのダイレクトボンディングでは無小柱エナメル質の存在は看過できない問題です。

したがって、そのような症例では表層をほんの一層だけ削除することを推奨されていました。



象牙質に対する接着

象牙質の特徴
象牙質に対する接着はエナメル質同様にリン酸エッチングで上手くいくわけではありません。

その大きな理由の一つは水分の存在です。

リン酸エッチングによりスミアー層やスミアープラグが除去されると除去前と比較して実に約30倍の水分が細管からしみ出してきます。

コンポジットレジンは疎水性ですから当然接着にとって不利に働きますよね。

象牙質の構造

また象牙質はその場所によって構造に大きな差があります。

上図を見ていただくと分かるように、歯髄付近では象牙細管数とその平均径はエナメル象牙境付近と比較してそれぞれ2~3倍の大きさがあります。

象牙質とコンポジットレジンは細管と細管の間、つまり管間象牙質の部分で接着するので歯髄付近では接着がより難しくなりそうですね。

 

関連して宮崎先生は根管内接着の難しさもご指摘されていました。

根管内は象牙細管数が多く、その径も大きいため接着に不利な環境です。

さらに、根管治療で使用した水酸化カルシウムが細管内に残存していると接着阻害因子になります。

したがって根管内でレジンの接着を行う際は、根管内の洗浄と乾燥に特に留意するよう述べられていました。



裏層は必要か

う蝕が深かった場合に裏層は必要なのでしょうか。

コンポジットレジン修復に裏層は必要か

宮崎先生は

・確実な接着が行われれば歯髄刺激がないこと

・裏層材として使用した水酸化カルシウムが接着を阻害しうること

これらを理由に裏層は必要ではないと述べられました。



Ⅰ級複雑窩洞の充填

Ⅰ級複雑窩洞の充填

今度はⅠ級複雑窩洞の充填を見てみましょう。

セレクティブエッチング

まずエナメル質を選択的にエッチング(セレクティブエッチング)します。

今回の使用薬剤はウルトラエッチで、これはエッチングの際のゴールドスタンダードとのことでした。

ボンディング材を塗布

水洗乾燥後、ワンステップのセルフエッチングアドヒーシブのボンディング材を塗布し、エアブローと光照射を行います。

Ⅰ級単純窩洞化

Ⅰ級複雑窩洞の場合、まずはⅠ級単純窩洞化します。

咬頭を成形する

その後、咬頭をひとつずつ成形していきます。

順序は処置しやすい咬頭からでよいですが、非機能咬頭から成形したほうがきれいな形になりやすいそうです。

また縦溝やⅡ級窩洞の近遠心を充填するときはペーストタイプを用いますが、最近では咬合面の7割ほどの症例でミディアムフローローフローを用いているとのことでした。



Ⅴ級窩洞の充填のポイント

充填は窩洞の切縁や咬頭寄りから始める

Ⅴ級窩洞もミディアムフローやローフローのコンポジットレジンが有効です。

スピーディーにかつ形態修正が少なくて済む充填ためのポイントは

・窩洞の切縁・咬頭寄りから充填を始めること

・窩洞を9割ほど満たした状態で充填を止めること

とのことでした。



前歯部のレイヤリングテクニック

以前は5~6種類のレジンをレイヤリングしていましたが、現在は2~3種類でシンプルに行っているそうです。

前歯部でのポイントは以下の3つです。

形態の再現

明度のコントロール

エナメル質様の光沢感の付与

 

形態の再現では、隅角徴や彎曲徴をはじめとした歯の解剖学的特徴を意識することが重要です。

形態再現のコツ

細かい形態の調整においてはが非常に活躍してくれるとのことでした。

錯視を利用した光沢感の付与

色については明度のコントロールとエナメル質様の光沢感の付与が重要です。

また、充填部と歯質の境界を分かりにくくするためには上図のような錯視を利用するために、窩洞形成の際に3~4㎜のベベルを付与することがポイントになるとのことでした。



質疑応答

Q:レジンの器具離れをよくするために、インスツルメントにボンディング材をつけてもよいか。

A:現在のボンディング材はセルフエッチングのワンステップのものが多く、㏗2.0~2.5と低い。低い㏗は重合を阻害してしまうためインスツルメントにボンディング材をつけることは勧められない。

 器具離れをよくするためには傷の入っていないインスツルメントを使用したり、インスツルメントを滑らせるように操作することがポイントである。

 

Q:レジンを積層していく際に、硬化したレジンに対して前処理は必要か。

A:充填後、硬化したレジンの表層には、酸素の影響を受けた低重合層が残る。その部分には新たに積層されるレジンと化学的に結合できるモノマーが残存している。よって、前処理は不要である。

 ただし、時間の経過により低重合層がなくなるため、次回来院時に充填する際はボンディング材の塗布が必要であり、さらに期間があいてからの充填では加えてシランカップリング処理が必要である。

 

Q:研磨の際のモーターの回転数はどのくらいがよいか。

A:メーカー指示で良いが、10000回転を超えないくらいで行う。

 また研磨の際は、非注水で行うほうがよい。

 

 

おわりに

Ⅰ級窩洞からⅤ級窩洞までそれぞれの術式の細かい解説を含め、内容豊富なご講演でした。

明日からの臨床にすぐに生かせる内容が多く、コンポジットレジンのさらなる可能性を感じました。

質疑応答でも日頃の臨床で気になっていたことが取り上げられ、非常にすっきりしました。

 

宮崎真至先生、本当にありがとうございました。 

山口口腔研クリニック副院長 松浦 徹

 

 

本セミナーは動画でもお楽しみいただけます

【シリーズ】宮崎真至先生:コンポジットレジンのレイヤリングテクニック

 

 

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