2019年2月15日(金)

【LIVE配信参加レポート】石井宏先生クリニカル・カンファレンス

【LIVE配信参加レポート】石井宏先生クリニカル・カンファレンス

東京都港区でご開業の石井宏先生によるクリニカルカンファレンス「根管治療における世界標準的なコンセプトとプロトコール」が開催されました。

 会場はDoctorbookセミナー室ですが、今回はLIVE配信も行われ、私のように地方在住で直接会場に行くことができない方でも会場の熱気まで感じることのできる臨場感あふれるご講演でした。

 

歯内療法の成功率

歯内療法の成功率は実際のところ、どのくらいなのでしょうか。

講演の冒頭で石井先生は、専門医制度のある先進国で専門医が治療を行った場合の成功率を示されました。 

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このように、例えばInitial treatmentつまり抜髄などの過去に手の付けられていない歯ではおおよそ90%です。

この数字はマイクロスコープやNiTiファイルが出現するよりもずっと前からの数字です。

石井先生曰く、これは上手い下手ではなく、ルールさえ遵守すれば誰でもこの確率で成功できるとのことでした。

 

一方、日本の成功率はどうでしょうか。

 

東京医科歯科大学の元教授である須田英明先生の論文によるとなんと50%程度なのです。

先ほどの先進国のデータと比べると低すぎますよね? 

この現実をまずは真摯に受け止め、なんとかしていかなければならないと石井先生は日本の歯内療法の現状に警鐘を鳴らされていました。

 

無菌的処置の徹底

わが国の歯内療法の成功率を高めていくためにはどうすればよいのでしょうか。

石井先生はその答えとして「抜髄処置の失敗率を下げること」が最も重要だと述べられました。

そのためのエッセンスのひとつが、「無菌的処置の徹底」です。

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特に重要なのは

ラバーダム防湿 と ②仮封です。

単に行うだけではなく「要件の整った」状態で行うことが必須とのことでした。

 

「仮封なんて当たり前にしてるよ」と思われる先生も多いと思います。

ではその「要件の整った」仮封を例にとって見てみましょう。

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全周厚さ3~4mmは隔壁をしっかり作っておかないと便宜抜髄でもない限りなかなか難しいですよね。

また、仮封材の下に留置する綿球について、仮封に必要な厚みを犯してしまうということと、綿球の繊維の露出による漏洩のリスクを避けることから綿球を留置しないことを推奨されていました。

さらに、仮封材を一塊にして封鎖を図ろうとすると気泡が入ってしまうため、必ず積層することもポイントとして挙げられていました。

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治療のステップ

必要な環境を整えたら根管の機械的拡大、化学的洗浄にはいっていきます。

まず、機械的拡大 です。

アクセス
ストレートラインアクセス
ネゴシエーション
作業長と作業幅径の決定
根管形成
超音波による仕上げ形成  

など、各ステップのポイントについて詳しい解説がありました。

 

そして化学的洗浄です。

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また、根管貼薬についても説明がありました。

根管貼薬剤には種類がありますが、貼薬剤としての効果と毒性の点で現在は 水酸化カルシウム一択 であるとのことでした。

 

根管充填

根管充填剤は、根管充填の大部分を占めるコアマテリアルであるガッタパーチャと、隙間を埋めるシーラーに大別されます。

これまでのシーラーには2つの欠点がありました。

それは 収縮 と 溶解 です。

この欠点のためコアマテリアルの体積をなるべく大きく、そしてシーラーをなるべく薄くすべく、側方加圧充填や垂直加圧充填が多用されてきました。

しかし、このシーラーにある 革新 が起きているそうです。 

それは、 バイオセラミックシーラーの登場です。

このバイオセラミックシーラーはこれまでのシーラーの欠点であった収縮と溶解が限りなく少ないそうです。

/img/columns/図7.png 

すると、コアマテリアルの体積を大きくする理由がなくなります。

そこで石井先生は、現在多くの症例でバイオセラミックシーラーを用いたシングルコーンテクニックで根管充填を行っているとのことでした。

/img/columns/図8.png

 

おわりに

"グローバルスタンダードな根管治療はどういったものなのか”

ということを、ラバーダム防湿をはじめとした無菌的処置の普遍的な原則から、最新の技術のご紹介まで非常に内容の濃いご講演でした。

日本の根管治療の質を高めたいという気持ちが随所に感じられる熱のこもったお話でした。

 

石井宏先生、本当にありがとうございました。

 

山口口腔研クリニック副院長 松浦 徹

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